バイクを”動かす”だけなら、どんな靴だって可能だ。しかしシフトチェンジにリヤブレーキの操作、停止中にはしっかり車体を支えなければならないし、万一に備えたプロテクションも必要。雨が降っても濡れたくないし、夏場に蒸れるのもイヤ……と、ライディングシューズ&ブーツに求められる要望はじつに多種多様。革ツナギならレーシングブーツ一択だけど、街乗りやファッションを考えたらデザインだってハズせない。そんなライダーのワガママに応えるカジュアルでスポーティな製品を一挙に紹介する。
●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司) ●写真:富樫秀明
フラッグシップ
エルフ
タイチ
クシタニ
南海部品
スコイコ
ゴールドウイン
56デザイン
ワイルドウィング〈スワロー〉バイクとシンクロ率を高める
ワイルドウイングは元全日本ライダーの藤林勝士氏が引退後にシューズ業界に転身し、”バイクとのシンクロ率が高まるシューズを多くのライダーに”という思いから立ち上げたブランド。フィット感を高めるために日本人特有の”甲高幅広”な足に合わせた専用木型を開発し、レーシングスーツと同様に引き裂き強度や耐摩耗性に優れた牛革を使用。ヒール部分はステップバーに足を載せた際に、キチンと足が真っ直ぐ前を向いてシフトやブレーキペダルを操作しやすくするため、前部を斜めにカット。しかもどんな足の大きさでも適正な位置になるよう、ソールもサイズごとに専用金型を作製。シャンク(鉄芯)の入った中底が足を安定させて疲労を軽減し、歩行も楽だ。
ガエルネ〈ボヤージャーCDGゴアテックス〉オフブーツの老舗が手掛ける
イタリアの3大ライディングブーツメーカーのひとつであるガエルネは、’62年に創業し、オフロードブーツの製造/販売を開始。以来、オンロード/ツーリング/カジュアルラインなど幅広く手がけ、職人がひとつひとつ手作業で製造する。アッパーはヌバックレザーで、かかととつま先はスエード素材、靴紐や履き口もカラーを統一。ゴアテックスにより防水/透湿機能を発揮する。ダメージを受けやすいかかと/くるぶしにプロテクターを装備し、つま先はカップ型ガードを内蔵する。シューレースと合わせて脱ぎ履きに便利なサイドジップを装備するが、車体と干渉しないようにシューズの外側に配置されているのが特徴だ。ソールはスニーカーライクなフラット形状。
ヒョウドウ〈ハイカットライドスニーカー〉ソフトなレザースニーカー
ヒョウドウプロダクツは’88年に静岡県浜松市に設立された、レザー製品を主力とするバイクアパレルメーカー。全日本ロードなどに参戦する多くのプロライダーをサポートする。「ハイカットライドスニーカー」は、従来から人気のレザースニーカーのハイカットモデル。アッパー素材は柔らかなカウレザーを採用し、左足にラバーシフトパッドを装備する。硫黄を加えた釡で熱と圧力をかけて靴本体とソールを接着する”バルカナイズ製法”により、履き込むほどに足に馴染み、素足感覚の履き心地を得られる。スムーズに脱ぎ履きできるサイドジップをシューズ外側に配置。履き口はソフトなパッドを内蔵し、ラテックスラバー(天然ゴム)のインソールと合わせて高いフィット感と優しい履き心地を発揮する。
ワイズギア〈フローシューズ〉クシタニとコラボレーション
ヤマハの純正アクセサリーやアパレルを手掛けるワイズギアは、自社開発の他にも有名アパレルメーカーとのコラボ製品も多い。この「フローシューズ」もクシタニのOEMとなる。スペックはクシタニ版フローシューズと同一で、通気性に優れる表皮全体にパンチングを施した人工皮革のアッパー/立体的なデザイン/くるぶし部のウレタンスポンジ/かかと&チェンジパッドのTPRのプロテクター/細かい締め込み調整が可能なBOAフィットシステムなどを備える。カラーバリエーションも同じだが、くるぶしの下にヤマハのロゴが入るのが特徴だ。ちなみにワイズギアではタイチとのコラボレーションモデル(メッシュライディングシューズ/BOAライディングシューズ[いずれもヤマハ専用色])もラインナップする。
ダイネーゼ〈メトロポリスシューズ〉イタリアの雄をカジュアルに
モトGPやSBKなど最高峰レースで戦うライダーのレーシングスーツでお馴染みのダイネーゼは’72年にイタリアに設立され、バイク用ウエアの各種プロテクターもいち早く手がけた。アッパーはカウハイドスエードレザー(牛革)とキャンバスファブリックで(シフトガードもレザー製)、くるぶし上にハードタイプのプロテクターを内蔵し、足首/かかと/つま先も補強される。耐摩耗性/柔軟性/グリップ力を確保するために開発されたラバーソールがプロテクションとスニーカーとしての快適性を両立し、もちろんCE規格も適合する。脱ぎ履きに便利な大きく開口するスマートジッパーをシューズ外側に装備。かかとには夜間に後方からの視認性を高める反射素材を装備する。
ラフ&ロードスポーツ〈ラフライディングスニーカー〉ツーリング用品メーカーとしてのノウハウを投入
ツーリング用品メーカーとして知られるラフ&ロードは’82年に創業された老舗だけに、カジュアルなスタイルの中にもバイク用としての機能を満載。くるぶし内側に肉厚スポンジのプロテクターを内蔵し、左足のシフトガードは5.5cmと幅広なので車種や足のサイズに広く対応する。裏地を当てることで、ソフトな履き心地を実現しながら短いソックスでも素肌との摩擦を軽減し、アッパー内側に設けられたベンチレーション孔と合わせて快適性を確保。着脱式の立体インソールがかかとをしっかりホールドするので、ズレにくく長時間の歩行も安心だ。車体を傷めない外側ファスナーは、紐孔に沿って斜めに大きく開口するので脱ぎ履きしやすい。かかとにはリフレクターを縫い込んで視認性を高める。
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