バイクのメンテナンスでは、ハンドルとソケットの組み合わせによってさまざまな作業を効率良く進められる。これはソケットレンチの専売特許のようなもの。’21年にリリースした差込角3/8インチのZ-EAL72歯ラチェットハンドルがヒット中のコーケンは、ソケットレンチ専門メーカーとして多様なラインナップを展開している。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:山下工業研究所
明確な個性で場面ごとに使い分け
どれを選べば分からなくなるほど多様なラインナップを誇るコーケンのソケットだが、この記事で紹介する製品に限ってもアイテムごとの個性が明確に分かれている。
例えば、72歯のラチェットが優秀なことに異論はないが、スピンナハンドルの方が重宝する場面もある。「自分はこの工具で作業する」と決めてしまうと、それが足かせになることもある。専門メーカーがユーザーニーズに応えて開発した製品には、どれも必然性があるのだ。
適材適所で使い分けたいラチェットハンドル&スピンナハンドル
ソケットレンチを使うならハンドルはラチェットを使うのが常識。そんな固定観念を覆すのがスピンナハンドル。ボルトナット周辺の干渉物を避けられトルクを掛けやすいロングタイプは、ブレーキや足まわりのメンテ作業で重宝する。250mmタイプは早回しも得意。
発売以来大ヒット中の72歯3/8Z-EALラチェット3725Zに対し、2725Z-3/8は1/4のボディと3/8の差込角の組み合わせが特長。ギアは36歯だが、全長114mmの手のひらサイズで狭い場所での優位性がある。
狭い場所での使い勝手の良さとねじれに強い、劇的に短い全長25mmのヘックスビット
狭い穴の奥にあるキャップボルトに対応できるよう、ヘックスビットソケットは軸長が長くなるのが一般的。ところがコーケンでは差込角3/8で全長25mm(!) という超ショートタイプを用意している。ボルト上部のクリアランスが少ない場面で有利で、軸のねじれがないためトルクをしっかり伝えられる。
組み込まれた場所やボルトナットの種類で長さが異なるソケットを使い分ける
狭い場所での作業性を追求したZ-EALのスタンダードソケットは、六角部を浅く背を低くすることでクリアランスを確保しているのが特長。ただしこれだけではボルト周辺に干渉する場合もあるので、セミディープとディープも用意してある。どれも外径の細さが際立つ。
指の掛かりの良い外周加工はコンパクトなソケットを回すのに最適
ラチェットハンドルとソケットの間にセットする3/8インチのZ-EALのクイックスピンナーには、スタンダード/小径のコンパクト/差込角を変換するアダプターの3タイプがある。スタンダードの外径は28mmで、スリムなソケットを単品で回す際にも便利。
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