2024年までマルク・マルケスとの契約を更新したホンダ。さらに2021年から2年間、ポル・エスパルガロの起用が発表された。経験豊富なライダー2人がタッグを組むことになる。そんなライダー起用の根底にある考え方、そして次期エース候補についてホンダはどのように考えているのか。
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30歳でタイトルを獲得したのはバレンティーノ・ロッシが最後
2020年2月20日、ホンダはマルク・マルケスと2024年まで契約を更新したことを明らかにした。4年という長さは、2年、ときには1年の期間で契約が結ばれる昨今のMotoGPにあって珍しい。それは2024年までマルケスをエースとしてMotoGPに挑む、というホンダの宣言だと考えられた。
ここからはあくまでも数字上の話である、ということを前もって断っておきたい。実はさかのぼってみれば、30歳を超えたライダーがチャンピオンを獲得した例は数少ない。2009年に30歳でタイトルを獲得したバレンティーノ・ロッシが、近年では最後である。さらにそれ以前となれば、WGP 500ccクラスで1998年にタイトルを獲得したミック・ドゥーハンにまでさかのぼらねばならない。ドゥーハンが最後にチャンピオンとなったのは、33歳のときだった。つまり、ロードレース世界選手権の最高峰クラスで、30歳を超えてチャンピオンに挑むのは、簡単ではないということだ。
マルケスは1993年生まれ。2024年には31歳を迎える。もちろん、上述のような記録は破られるためにある。そして、マルケスは幾多の記録を打ち破ってきた。けれど、少なくともデータからは年齢的な難しさが読み取れるということもまた、事実である。
ここでいったん、マルケスのチームメイトに目を向けたい。ホンダは2021年、2022年のマルケスのチームメイトとしてポル・エスパルガロを起用する。2014年からMotoGPクラスで戦い、4年を過ごしたKTMからの移籍となるエスパルガロ。今年30歳、すでにベテランライダーの域だと言っていい。それ以前に目を向ければ、2019年にはホルヘ・ロレンソがレプソル・ホンダ・チームに起用されている。2019年シーズン末の電撃引退がなければ、2020年までマルケスのチームメイトだったはずだ。
ホンダが「本当にやりたいこと」
すでに実績、キャリアともに十分なマルケスのチームメイトに、なぜ経験豊富なライダーを起用するのか。育成の意味を含めた若いライダー起用の可能性はなかったのか。ホンダのライダー起用の根底にあるものとは何か。こうした疑問を、HRCレース運営室長である桒田哲宏さん、同じくRC213V開発責任者の子安剛裕さんに投げかけた。
「過去にも何度かお話をさせていただいているのですが」、そう前置きした桒田さんの回答は、実にシンプルだった。
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