オフロードマシンの性能が大きく向上しメンテナンスフリー化も進んだとはいえ、100%メンテフリーというわけではなく、好調をキープするには日ごろのメンテナンスが必要となる。そんな愛車のチェックすべきポイントとメンテナンスのコツを、パリダカールラリー完走率100%の堀田修氏よりアドバイスしてもらった。前編では、愛車の好調を維持するコツに加え、比較的簡単に行える日常点検として、タイヤの空気圧/ブレーキパッド残量/各部の増し締め/エアクリーナーチェックについて紹介するソ!!
●まとめ:小川浩康(ゴー・ライド編集長)
異変を感じたらすぐ対応→対応できることを増やしていく
堀田さん「好調を維持する最大のコツは、愛車を壊さないこと。つまり、転倒などで愛車にダメージを与えないことなんです。パリダカのトップライダーだったシリル・デプレ選手は、レース中にトップ走行をしている時でも、何か異変を感じたら、一度止まって点検をしていました。それは、マシンに何かトラブルが起こったら”自然治癒することはない”からです。長丁場のラリーで確実にゴールするためには、ライバルと1秒を争っていたとしても、早めに対処することが重要なんです。
これってラリーだけではなく、ツーリングにも当てはまりますよね。走行中に異音/振動があったら、すぐに止まって早めに対応してください。とはいっても、自分だけですべて対応はできないですよね。だから日ごろから愛車をメンテナンスしておけば、緩みやすいネジや調子が悪くなる箇所が分かりやすくなって、対応できるコトを増やすことができるんです。
まずは洗車した際にマシンの各部をよく見て、簡単に調整や整備できるところから始めていきましょう。自分でできることとできないことが分かっていれば、トラブルに遭遇した際も早く対応できるようになりますから。…ということで、今回は比較的簡単に行える日常点検のポイントを紹介しましょう」
目視でチェック!!
まずは目視で確認できる箇所から愛車のチェックを始めてみよう!
タイヤの空気圧
走行するとタイヤは摩擦熱で熱くなり、空気も膨脹するので、空気圧チェックはタイヤが冷えている時に行おう。
ブレーキパッド残量
マシン各部の増し締め
ネジは緩むので、定期的な増し締めが必要だ。愛車の緩みやすい箇所を日頃のチェックで確認し、増し締めしておけば、ネジ脱落のトラブルを防げる。
シフトシャフト
ナンバープレート
マフラー
バックミラー
外装パーツ
レバーホルダー
スポーク
締め込みトルク
増し締めで注意したいのが、ネジを締め込み過ぎること。
エアクリーナー清掃
湿式エアクリーナーは清掃することで再使用できる。吸気効率を維持するためにも定期的にメンテナンスしよう。その際、専用ケミカルを使用すると作業効率を上げられるのもポイントだ。林道などダート走行した後には、エアクリーナーをチェックしよう。
こうなったら再使用NG!!
愛車と触れる機会を増やすことがセルフメンテの最初の一歩
堀田さん「今回、タイヤの空気圧/ブレーキパッド残量/各部の増し締め/エアクリーナーチェックを紹介しましたが、こうした作業をマスターして、愛車と触れる機会を増やしていきましょう。ただし、自信のない作業はやらなくてOKです。先に言いましたが、調子の悪くなった(悪くしてしまった)マシンは自然治癒しないので、悪くする前にプロに任せてください。
それと工具はきちんとした工具メーカーのモノを揃えておきましょう。100均などの工具は精度が悪く、ネジをなめる原因になります。精度のいい工具は長く使えるし、結局はお得な買い物になりますから。揃えておきたい工具は車種によって変わりますので、車載工具のあるモデルはそれを基にアップグレードするといいでしょう。
それから、作業する時は太陽が出ているうちにしましょう。マシンの細部まで見ることができて、作業ミスをしにくくなるからです。また、作業する前に携帯でワイヤーの取りまわしや、ネジの位置と個数などを撮影しておきましょう。作業ミスを減らせますよ。後編では、エンジンオイルチェック/ドライブチェーン調整/クラッチレバー注油を紹介します」
※本記事では堀田氏の愛車セロー225をメンテナンスモデルとしています。規定値や使用工具などは車種によって変わりますのでご注意ください。愛車のサービスマニュアルを用意し、作業前の状態を携帯などで撮影してから、作業を行なってください。 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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