
KTMは、世界100台限定のロードレーサー「RC 8C」を7月20日に発表。その2日後に専用ウェブサイトで予約受注を開始したが、5分に満たない時間で完売してしまった。スチール製フレームに搭載されるエンジンは、890デュークRをベースとした128hpの並列2気筒だ。
MotoGP/Moto3のノウハウを投入したハンドメイドの車体に自社製エンジンを組み合わせる
KTMは2021年7月20日(本国オーストリア時間)、レーストラック専用マシン「RC 8C」を突如として発表。その2日後の7月22日に専用ウェブサイトで予約受注を開始し、4分32秒という短時間にこれを完売してしまった。
RC 8Cを手に入れる幸運なユーザーが日本にもいるのかは不明だが、MotoGP最高峰クラスで好パフォーマンスを発揮しはじめているRC16や、Moto3でランキングトップのペドロ・アコスタ選手が駆るRC4などとの技術的関連性を彷彿とさせる“25CrMo4”スチール製トレリスフレームに、ハイパーネイキッド「890デュークR」の並列2気筒エンジンを搭載。128馬力に換装重量140kgという、パワーウェイトレシオ1に迫る軽量ハイパワーを実現している。
前後サスペンションはWP製。φ43mm倒立フロントフォークはクローズドカートリッジ式で、MotoGPマシンRC16のサスペンションを製造および保守する部門によって組み立てられている。リヤサスペンションはリンク式モノショックで、高速/低速2ウェイコンプレッションとリバウンドの設定は個別に行うことができる。アルミホイールは軽量なダイマグ製で、タイヤはピレリのレーススリックSCを履く。ヘッドアングルは0.5°刻みでプラスマイナス1°の調整が可能。フォークオフセットは26mm/28mmから選べる。
ブレーキシステムはブレンボ製だ。フロントのダブルディスクはφ290mm、リヤはφ230mm。フロントのマスターシリンダーは3種類のレスポンスおよび18mm/20mmでレバー比が調整可能、これらを掛け合わせて合計6種類の設定が可能な19RCSコルサコルタを採用している。
ほかにも、燃料タンクやボディパネルはクイックリリース式であるほか、GPS機能付きデータロガーやアクラポヴィッチ製レーシングエキゾーストなど、全ての装備が一級品だ。カーボン製フロントフェンダーはクイックチェンジシステム対応、RC16スタイルのウイングレットは高速域でのスタビリティを約束する。
このRC 8Cを購入した顧客のうち25名は、1回限りのイベントとしてレッドブルKTMファクトリーレーシングテストチームに参加する機会も与えられる。テストライダーのダニ・ペドロサやミカ・カリオと一緒に走ることができるうえ、RC 8C用のレーストラックパッケージ(ホイール追加セット、前後ディスクの予備セット、前後レーシングスタンド、タイヤウォーマー、KTMレースカーペット)がプレゼントされるという。
KTMの公道向けスーパースポーツといえば、以前にラインナップされていた1190 RC8(Vツインエンジン)のほかには、単気筒エンジンのRC390やRC125があるのみ。889cc並列2気筒を搭載したRC 8Cの公道バージョンが発売されたら、歓迎するユーザーは多そうだが……。
また、すでに完売となったRC 8Cだが、KTMはウェイティングリストを作成しており、キャンセルが生じた場合にはスライドすることも可能だとしている。
KTM RC 8C[2022 model]
【KTM RC 8C[2022 model]】主要諸元■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 889cc 128hp/101Nm 燃料タンク容量16L■140kg(乾) 軸距1400mm キャスター23.3°/トレール98.6mm■タイヤサイズF=120/70R17 R=180/60R17(200/55装着可)
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