
’17年のEICMAでデビューし、ヨーロッパで先行販売されていたヒョースンの原付二種クルーザー「GV125Sボバー」が、ユーロ5に適合した上でいよいよ日本に初上陸! 本格的なボバースタイルをまとうほぼ唯一の125ccマシン、果たしてその走りやいかに?
●まとめ:大屋雄一 ●写真:真弓悟史 ●取材協力:ヒョースンモータージャパン
[○] スムーズなVツイン。ハンドリングも良好だ
GV125Sという空油冷Vツインを搭載する本格クルーザーをラインナップしていた韓国のヒョースンが、’17年に満を持してミラノショーで後継モデルを発表。それがこの「GV125Sボバー」だ。欧州では先行販売されており、ついに日本にもユーロ5に適合した最新版が上陸した。

【’21 HYOSUNG GV125S BOBBER】■全長2080 全幅750 全高1050 軸距1425 シート高710(各mm) 車重165kg ■水冷4ストV型2気筒SOHC3バルブ 124.7cc 13.5ps[9.9kW]/10250rpm 1.037kg-m[10.17Nm]/9250rpm 変速機5段リターン 燃料タンク容量12.5L ■ブレーキF/R=ディスク ■タイヤF=120/80-16 R=150/80-15 ●色:マットブラック ●価格:53万9000円 [写真タップで拡大]

【ほぼ全てのパーツをブラックで統一する】スチール製セミダブルクレードルフレームにフロント16/リヤ15インチのホイールを組み合わせ、水冷60度Vツインを搭載するGV125Sボバー。標準装着タイヤはティムソン製だ。バックレストなど純正アクセサリーは豊富。 [写真タップで拡大]
まずはエンジンから。空油冷DOHC4バルブ75度Vツインだった先代に対し、このボバーは水冷SOHC3バルブ60度Vツインを採用。しかもボア×ストロークは44×41mmから42×45mmへと、ロングストロークに変更された。なお、13.5psという最高出力は先代とほぼ同じだ。
125ccクラスは単気筒車で占められており、欧州のA1ライセンスの上限である15psを発生するモデルも少なくないが、このボバーがそれらと決定的に違うのは振動の少なさだ。Vツインらしいパルス感を伴った排気音を響かせつつも、体に伝わる振動は非常に小さく、サウンドとのギャップに拍子抜けするほど。吹け上がりもスムーズで、レッドゾーンの始まる1万rpmまでストレスなくきっちりと回る。車重が165kgとやや重めなので、スロットルを大きく開けても加速では15ps勢にリードを許すが、この上品な回転フィールは原付二種では唯一無二だ。
続いてハンドリング。これもエンジンと同等以上に好印象だ。エアボリュームの大きな前後タイヤと動きのいいサスペンション、そしてしなやかなフレームによって乗り心地が非常によく、やや大柄なボディサイズもあって、クラスを超えたクルージング性能を有する。そして、ハンドリング自体はバンク角主体で向きを変えるタイプで、どんな操縦でもマシンを傾けてさえしまえば気持ち良く旋回する。気が付けばステップの先端を擦りそうになるほどコーナリングを楽しんでおり、そうした走りをティムソン製の標準装着タイヤがしっかりと支えてくれるのだ。
ダートラ発祥と言われるボバースタイル。それをスタイリングだけでなく走りまでも見事に再現してきたGV125Sボバー。価格はやや高めだが、この完成度なら納得だ。
【3バルブの水冷Vツイン。攻めた設計で他を圧倒】先代のGVシリーズは空油冷DOHC4バルブの75度Vツインだったのに対し、新型は水冷化すると同時にVアングルを60度に。さらに動弁系はSOHC3バルブとなり、完全な別物に。 [写真タップで拡大]
【ワイドタイヤと連動ブレーキを採用する足回り】フロントフォークはφ35mm正立式。リヤはツインショックで、プリロードは5段階に調整可能だ。ブレーキディスクはフロントφ270mm/リヤφ250mmで、ペダルを踏むとフロントも作動する前後連動タイプだ。 [写真タップで拡大]
[△] 前後連動ブレーキがやや利きすぎる程度か
ブレーキはフットペダルを操作すると前後が連動するタイプだ。Uターンなどの際にリヤだけ操作したい場面で、利きすぎと感じることが何度かあった。とはいえ、制動力自体は前後とも十分以上であり、走っていて気になったのはその程度だ。
[こんな人におすすめ] レオンアートのライバルが誕生。走りならボバーだ
ほぼ単気筒で占められる原付二種の中で、並列2気筒を積むレオンアートのデイトナが直接のライバルとなりそうだ。クルーザーの中でもニッチなボバーというスタイルを、見た目だけでなく走りでも巧みにまとめたことに感心。
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