某TV番組の影響もあり、もっとも知名度の高い電動スクーターがヤマハの「E-ビーノ」だ。’21年は’15年の発売以来初のカラーチェンジを実施した。ガソリンエンジンのビーノはホンダ製だが、こちらは台湾ヤマハにて生産される。
●まとめ:大屋雄一 ●写真:真弓悟史 ●取材協力: ヤマハ
[○] 不慣れな人でも乗れるスムーズな走りに感心
「うちから5kmの大冒険」というコピーとともに、’97年に登場したヤマハ ビーノ。’04年にいち早く4スト化され、’18年よりホンダからのOEM供給となっているが、’15年に追加された電動版「E‐ビーノ」は今もヤマハモーター台湾にて製造されている。
’21モデルで初のカラーチェンジを実施したE‐ビーノ。ガソリンエンジン版より13kgも軽く、車体後部を持ち上げての方向転換も楽にできてしまうほど。そして、やはり際立つのは発進のスムーズさだ。2種類のモード(標準/パワー)のどちらでもスロットルの開け始めから滑らかに発進するので、初心者を慌てさせることがない。坂道など必要に応じてブースト機能を使えばストレスも感じにくく、さらにギヤ鳴りが聞こえないほどに静粛性が高い。ヤマハは電動スクーターの歴史が長いだけに、特に制御系の完成度はトップクラスだ。
ハンドリングは、前後10インチホイールの原付スクーターに共通する扱いやすさがあり、自転車しか乗ったことのない人でもすぐに慣れるはずだ。ブレーキは前後ともドラムだが、車重が軽いので制動力は十分。誤って強く握ってしまってもロックしにくいなど、全てが初心者に優しい設計となっているのだ。
[△] 航続距離と充電時間のせめぎ合いに苦労あり
体重64kgの私がブーストを多用したら20km未満でほぼ終了。片道10km以内の使い方に限定されそうだ。
[こんな人におすすめ] うちから5kmの移動に限れば十分に実用的だ
バッテリーの重さ(容積)と航続距離は比例関係にあり、満充電に要する時間も延びる。原付一種の1日の走行距離は平均約8kmという統計があり、E-ビーノはそれに特化した設計に。某TV番組の面白さはこの航続距離の短さにも起因しているのだろう。
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〈動画〉あの「ヤバイよヤバイよ」は本当なの? 航続距離を試してみた↓
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