
ヤマハは、平成32年排出ガス規制適合の水冷124cc“ブルーコア”エンジンを搭載した原付二種スクーター「NMAX ABS」をモデルチェンジし、2021年6月28日に発売した。スマートフォンの専用アプリと連動した各種新機能を実装するほか、トラクションコントロールシステム採用など電子制御も進化している。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真&情報提供:ヤマハ発動機
着信通知や燃費管理も可能な、スマートフォン用の専用アプリと連動!
ヤマハは原付二種スクーターの「NMAX ABS」をモデルチェンジし、2021年モデルとして発売。アップデートされたエンジンを新フレームに搭載、トラクションコントロールシステムやアイドリングストップシステム、スマートモータージェネレーターなどを採用するほか、スマートフォン用の専用アプリにヤマハの国内モデルとして初対応している。
専用アプリの「YAMAHA Motorcycle Connect(略:Y-Connect)」は、バイクとペアリングのペアリングによって以下の機能を拡充することが可能。
1)電話やメールの着信、スマートフォンの電池残量など、車両側のメーター表示項目の追加
2)スマートフォン画面でのエンジン回転数表示
3)オイル・バッテリーのメンテナンス推奨時期のお知らせ
4)燃費など運転状況把握
5)車両の最終駐車位置確認
燃費やメンテナンスインターバルの管理だけでなく、スマートフォンをタコメーターとして機能させたり、最終駐車位置を確認できるというは、かなり便利そうだ。
もちろんそれだけではなく、エンジンは従来型をベースに吸排気系の仕様やFIセッティングの最適化といったアップデートを受け、さらにトラクションコントロールシステムを採用する新“ブルーコア(BLUE CORE)”に。軽量鍛造ピストンやVVA(可変バルブ/6000rpmで吸気側のリフト量が切り替わる)、放熱性に優れるDiASil シリンダー、ロス低減を図るオフセットシリンダーなどは継続しつつ、パワー感はそのままにリニアで扱いやすい出力特性をさらに向上させたという。
「Smart Motor Generator system(スマートモータージェネレーターシステム)」は、エンジン始動用のモーターとジェネレーターの機能を一体化したもので、ヤマハ国内モデルとして初採用。走行時はジェネレーターとして働き、エンジン始動/再始動時にはモーターとして働く。これにより、部品点数を減らしてシンプル化するとともに、スタータークラッチを介さず直接クランクシャフトを回転させることで、エンジン始動時の「キュルキュル」音をなくしている。また、アイドリングストップシステムもヤマハ国内モデルとして初採用した。
このエンジンを搭載するフレームは、スタイルと走行性能、実用機能をバランスさせた新設計のもの。スポーツ系スクーターのプラットフォームとして熟成&進化しており、φ60.5mmのメインパイプとφ45mmのダウンチューブ、そして1.6mm厚の補強材を組み合わせ、軽すぎず適度に手応えのあるハンドリングと接地感を実現した。また、エンジンマウントのレイアウトを最適化することにより、各部の振動低減も図られている。
前後サスペンションはセッティングを最適化。リヤサスペンションは新構造のスプリングを採用し、2段階でイニシャル調整機能も新たに追加された。また、前後ともに新作の軽量キャストホイールを採用し、シルバーおよびブラックの車体色にはゴールドホイールを組み合わせる。
デザインや利便性もアップデート。明るいLED6灯ヘッドライトや容量約23Lのシート下トランク、12V DCジャックを備えた小物入れ&リッド付き収納BOX、視認性に優れたフル液晶メーター、スマートキーなどを採用した。LEDテール&ストップランプは導光体で立体感を表現したスマートなものだ。
これだけの新機能追加やアップデートを施しながら、価格は1万1000円の上昇に留めたのも朗報だろう。車体色は新たに4色ラインナップ(従来は3色)となり、そのうち3色は新色となっている。発売日2021年6月28日。
YAMAHA NMAX ABS[2021 model]
【YAMAHA NMAX ABS[2021 model]】主要諸元■全長1935 全幅740 全高1160 軸距1340 シート高765(各mm) 車重131kg(装備)■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 124cc 12ps/8000rpm 1.1kg-m/6000rpm Vベルト無段変速 燃料タンク容量7.1L WMTCモード燃費46.9km/L■タイヤサイズF=110/70-13 R=130/70-13 ●価格:36万8500円 ●色:銀、灰、艶消し灰、艶消し青 ●発売日:2021年6月28日
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