●文:ヤングマシン編集部 ●写真:スズキ、Suzuki Global
スズキは、ストリートスポーツバイク「GSX-S1000」の全面改良版を世界同時発表。2021年6月より欧州をはじめ世界各国で順次発売する。スズキのバイクとしては初採用となるモノフォーカスタイプの縦目2灯LEDヘッドライトを採用し、新たに電子制御スロットルを備えた999cc並列4気筒エンジンは152psに出力向上している。
さらにワイドレンジなパワーを手に入れたK5エンジン
スズキは、ストリートスポーツの「GSX-S1000」の全面改良版を2021年6月より欧州をはじめ世界各国で順次発売すると発表した。新型GSX-S1000には、LED縦目2灯ヘッドライトやウイングレットを新採用したアグレッシブなデザインが与えられ、ユーロ5に適合しながら出力向上も果たしたエンジンを搭載する。
名機と呼ばれる、2005年型(K5)のGSX-R1000に端を発した並列4気筒エンジンは、新しい吸排気カムシャフト、新しいバルブスプリング、新しいクラッチ、新しい排気システムを採用。電子制御スロットル(ライドバイワイヤ)を新採用した電子制御システムは、新たにS.I.R.S.(スズキ・インテリジェント・ライド・システム)と名付けられており、出力特性を3つのモードから選択できるSDMS(スズキドライブモードセレクター)や、選択幅を広げ5段階から選択可能となったトラクションコントロールシステム、クラッチレバーを操作しなくてもシフトアップ/ダウンできる双方向クイックシフトシステムなどを採用した。
きめ細やかに制御できる電子制御スロットルと、バルブオーバーラップを減少させたカムプロファイルにより、ユーロ5規制に適合しつつも野太いサウンドをキープ。さらに、最高出力は148ps/10000rpm→152ps/11000rpmへとパワーアップし、より高回転でピークパワーを発揮する半面、最大トルク発生回転数は250rpm低い9250rpmに。より広い回転域でトルクを生み出している。
SDMSは3つのモードを備え、A~Cはすべて同じピーク出力を発生するが、レスポンスのシャープさが異なっており、Aモードがもっともスポーティ、Cモードがもっともソフトなパワーデリバリーに。すべての情報は、アップデートされたLCDメーターに表示される。
また、新型ハヤブサなどでもおなじみのスズキイージースタートシステム(ボタンを1回押すと始動するまでスターターモーターが回る)と、低回転域でクラッチを繋ぐと自動的にエンジン回転が少し上昇するローRPMアシストも装備している。
アルミ製ツインスパーフレームは従来型を踏襲するが、新たにテーパードハンドルバーを採用。グリップ位置はライダーに20mm近付き、快適性を向上している。前後サスペンションはフルアジャスタブル、フロントブレーキはφ310mmダブルディスクにブレンボ製モノブロックキャリパーが組み合わされる。また、燃料タンクは17→19Lへと増量された。
ちなみに、英国におけるGSX-S1000のスローガンは“OWN THE STREETS”。GSX-R1000/Rの“OWN THE ROAD and RACETRACK”はワインディングロードやサーキットを我が物とせよ、といったニュアンスだが、こちらは全てのストリートを我が物にする勢いだ。
GSX-S1000は日本への導入も確実と思われるが、正式発表はもう少し先になりそう。欧州では英国における価格が1万999ポンド(日本円換算約165万円)と発表されている。
SUZUKI GSX-S1000[2021 model]
【SUZUKI GSX-S1000[2021 model]】主要諸元■全長2115 全幅810 全高1080 軸距1460 シート高810(各mm) 車重214kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 999cc 152ps/11000rpm 10.8kg-m/9250rpm 変速機6段 燃料タンク容量19L■キャスター25°/トレール100mm ブレーキF=φ310mmダブルディスク+4ポットキャリパー R=φ250mmディスク+1ポットキャリパータイヤサイズ タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/50ZR17 ●英国価格(参考):1万999ポンド ●色:青、灰、黒 ●発売時期:2021年6月以降 ※諸元や価格はすべて欧州仕様
SUZUKI GSX-S1000[2021 model]ディテール
※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
低回転域からの「ズヴォ~~」が気持ちいい! 最初に朗報! 既存のハヤブサファンよ、安心すべし。3代目になっても、ハヤブサはやっぱりハヤブサのままだ。歴代モデルが誇ってきた乗り味の方向性は、少しも変って[…]
249cc/26psのスポーティな油冷単気筒エンジンを搭載 スズキは、油冷シングルのフルカウルスポーツモデル「ジクサーSF250」にニューカラーを設定し、2021年モデルとして発売する。 スズキ独自の[…]
250ccフルスケールで断トツの安さ! 低燃費やスズキ独自の油冷単気筒も魅力 スズキは、新開発の油冷単気筒エンジンを搭載した軽二輪ネイキッドスポーツ「ジクサー250」に2色のニューカラーを設定し、20[…]
マフラーカバーはシルバーに統一、カラーリングもスポーティな印象に GSX-R750由来の並列4気筒エンジンを搭載したスポーツネイキッド「GSX-S750 ABS」は、3段階から選択可能なトラクションコ[…]
「SV650 ABS」は3色、「SV650X ABS」は1色が登場 スズキは、国産ミドルクラスでは稀少な存在となったVツインエンジン搭載のスポーツネイキッド「SV650 ABS」、および同車をカフェレ[…]
最新の記事
- 「ゲスト豪華…」長瀬智也にレジェンドライダーも参加! ヨシムラが創業70周年&2024世界耐久シリーズチャンピオン獲得の祝勝会を開催
- 「マジ!?」EICMAで話題のホンダV型3気筒エンジンは2000年代にもウワサがあった「2スト×4ストのハイブリッド!?」
- 2025年「56レーシング」チーム体制発表! 13歳の富樫虎太郎は全日本J-GP3フル参戦、新たに9歳の木村隆之介も加入
- Wチャンピオンを手土産に世界に再挑戦!【國井勇輝インタビュー】
- 「いつから、いくら下がる?」ついにガソリンの暫定税率廃止へ! 新原付の地方税額も決着……〈多事走論〉from Nom
- 1
- 2