レーサー岡崎静夏がじっくり乗ってみました!

岡崎静夏のホンダCBR400R試乗インプレ【トルクで走れる快適さが日本の公道にベストマッチ】


●文:ヤングマシン編集部(高橋剛) ●写真:楠堂亜希 ●取材協力:ホンダモーターサイクルジャパン

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【岡崎静夏】チャーミングな笑顔でも、中身はスパルタンな”バイクフリーク”。’09~’10年のMFJレディースロードレースで2年連続王者に。全日本はGP-MONOを経て’12年からJ-GP3に参戦中。TwitterFacebookInstagramYouTube

【HONDA CBR400R】’13年4月発売。CBRシリーズとしては初めての並列2気筒エンジン搭載モデルとして話題を呼んだ。マイナーチェンジを繰り返して熟成を重ねており、’20年モデルはロゴマークをCBRシリーズと統一化。スポーツイメージをいっそう高めた。■全長2080 全幅755 全高1145 軸距1410 シート高785(各mm) 車重192kg ■水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ399cc 最高出力46ps/9000rpm 最大トルク3.9kg -m/7500rpm 6段リターン 燃料タンク容量17L ■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=160/60ZR17 ●色:グランプリレッド ●価格:80万8500円

シャープな直線でスピード感を表現したフロント&ミドルカウルが際立つ。ライダーの空間をギュッと絞り込みながらアンダーカウルにボリュームを持たせ、メリハリのあるデザインに。

岡崎「ボリューム感のあるデザインですが、またがるとしっくり。若干ハンドルが遠くに感じますが、ツラくはありませんね」[身長158cm]

【カラーバリエーション】グランプリレッド/パールグレアホワイト/マットアクシスグレーメタリックの3色展開。

回さなくても前に進む。最高にちょうどいい1台

実はこの連載、1回お休みさせていただいていました。すみません…。

’20年11月1日に行われた全日本最終戦・鈴鹿の決勝レース、オープニングラップで接触転倒し、鎖骨を骨折してしまったんです。転倒直後は2分ぐらい気を失っていたようで、「岡崎が動かない!」と、多くの皆さんにご迷惑とご心配をおかけしてしまいました。

’20年は自分がライダー、弟の慎がメカニックという体制でレースに臨みましたが、優勝どころかランキング13位で終え、正直なところ成功とは言えないシーズンでした。

ただ、すべてはライダーである自分の対応力不足によるもの。自分で考えなければならないことが多かった分、たくさんのことを学べたのも確かです。’21年はそれを結果につなげて行こうと思っています。

そんなわけで鎖骨の手術を無事に終え、「バイクに乗るぞ!」と意気込んで臨んだ復帰1回目の今回、CBR400Rでよかったです。

このバイク、街乗りがとにかくラク! 通勤に何度か使ってみたんですが、低回転からマイルドなトルクが得られるので、回さなくてもしっかりと前進してくれます。

これって地味なようで、結構大事なことだと思うんですよね。街乗りは発進停止の繰り返し。いずれもバイクだと結構気を使う場面です。

たとえば交差点での右折待ち。安全が確認ができたからさあ発進、という時に、回転数やアクセル開度をあまり気にせずにスッとスタートできるのは、CBR400Rの大きな強みになっています。不足はないし、持て余すこともない。だいぶ前にクルマのキャッチコピーにありましたが、「最高にちょうどいいホンダ」って感じです。

そもそも400ccって、日本の公道にベストマッチな排気量だと自分は思います。250ccだと回して楽しむスポーツバイクって感じだし、600cc以上になるとバイクによっては手に余り始めます。

その点、400ccはまさにちょうどいい! 特に並列2気筒のCBR400Rは低回転域からトルクが出るエンジンなので、街乗りに最適だと言えますね。

同じ400ccには完成度がめちゃくちゃ高いCB400シリーズがありますが、VTECが装備されていることからも分かるように、どちらかと言えば高回転でのパワー感を楽しむタイプ。CBR400RはCBよりもいっそうとっつきやすいエンジンキャラクターなので、より多くの人に安心してオススメできます。

なんて話をすると、「CBRといえば4気筒だ!」という昔からのファンもいらっしゃるかもしれません。でも自分はそこにあまりこだわりがありませんね。気筒配列や排気量でCBRかどうかが決まるのではなくて、スポーツマインドの表れだと思っているので。

だから今回、CBR400Rに使われている”CBR”ロゴのデザインがシリーズと統一されたのはいいことだな、と。指向性や味わい、最適なステージが違っても、その場にふさわしい楽しみ方ができれば、それはやっぱり”CBR”ですよね!

街乗りでのエンジンの扱いやすさが際立つCBR400R。”扱いやすい”というと面白みに欠けるように思われがちですが、そんなことはありません。ワインディングもすごく楽しめますよ。

RRでもRR‐Rでもなく”R”ですから、切れ味鋭いシャープな走り、ではありません。でも、軽快な中にもしっとりとした落ち着きがあるちょっと大人な走りは、28歳の自分にはしっくりきました。

そうなんです。CBR400Rの軽快さは、車重の軽さやパワーによってもたらされるというより、エンジンのトルクのなせる技なんです。だからヒラヒラしすぎて気を使うこともないし、回さなければトラクションが得られない、なんてこともありません。ごく普通の感覚で、どんな場面でも走ることができてしまうんです。

足まわりのフィーリングも良好。あえてギャップを通ってみましたが、ゴツンという嫌な感じはなく、しっとりといなしてくれました。感覚としてはタイヤの空気圧を少し下げたような穏やかなフィーリング。念のため空気圧を測ってみたら標準値だったので、サスペンションの動きのよさが利いていることが分かりました。

CBR400Rは、”免許の枠があるから400″という感じで消極的に選ぶバイクではありません。大型二輪免許を持っている人にこそオススメしたいですね。こんなにイージーにストリートを走れるなら、バイクに乗る機会ももっと増えるんじゃないかな。

日常的にバイクに乗れるって、実はすごく幸せなことなんですよ〜、と鎖骨骨折でしばらくバイクから離れていた自分は実感しています…。

CBR400R:SHIZUKAの評価

  1. スタイリング:「ザ・CBR」と言う感じでスポーティー。排気量が変わってもブレることのないCBRらしさが、自分は好きです。
  2. スポーツ性:高回転域までギュンギュン回すタイプじゃないけど、低回転域から手の動きに連動するトルク感がすごく楽しい!
  3. ツーリング:どんなペースで走っても疲れにくいので、遠出にも向いています。排気音がイイのでずっと走っていたくなります。
  4. 街乗り:最高(笑)。チョイ乗り、通勤通学にも十分使える扱いやすさ。ハンドル切れ角はやや少なめ。Uターンは要注意。
  5. コストパフォーマンス:質感が高く、所有する喜びを満たしてくれます。パワーにも車格にも余裕があるから、いろんな用途に使えそう。
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