近藤スパ太郎の電動バイクに乗っタロウ!

ビジネス電動バイク「Eミニモ バトラ201」試乗インプレ【シンプルに徹した40万円台】


●文:ヤングマシン編集部(近藤スパ太郎) 写真:輪 ●取材協力:Eミニモ

「バトラ201」は、デリバリー用バイクを長年扱う株式会社Eミニモが、開発11年を経て初めて販売する電動バイクだ。新聞配達やデリバリー業者への細かいヒアリングと、Eミニモの技術が生んだ車両は、税込価格40万円台で発売された!

近藤スパ太郎[タレント/プロデューサー]

近藤スパ太郎[タレント/プロデューサー] 環境番組のパーソナリティを担当したことを機に、電動バイクの強烈なパワーにひと目ぼれ。俳優・MCの他、企画プロデューサー、芸能プロダクションSPANCHOOSの代表を務める。[URL]近藤スパ太郎SPANCHOOSTwitter

電動バイクならでは…のシンプルさにこだわって開発!

「バトラ201は特徴がないのが特徴です…」と、Eミニモ代表の西尾氏。なぜなら「配達員が電動に乗り換えても違和感なく乗れる」がコンセプトだからだ。西尾氏は20年近くデリバリー用バイクの販売や修理業を営んでいる方で、デリバリーバイクは毎日酷使されるため、修理依頼も多いそうだ。

その一方で、EV車はパーツ点数が少なく消耗パーツも極めて少ない。メンテナンス回数が減り、配送中の走行音が静かで環境問題にも貢献できるデリバリー用の電動バイクを、11年前から開発している。試作車の3輪・バトラ03や2輪・バトラ02で実証テストを重ねてきたのだが、メーターをタブレットにしたり、通信機能など最新機能を取り入れるごとに、販売の試算価格が上昇してしまった。

そこで「EVはシンプルな構造がメリット」という原点に立ち戻り、性能は下げずにシンプルさを追求。ここ数年で世界的にEVが普及したことで、安価で性能の良いパーツも増えたそうだ。BMS(バッテリーマネジメントシステム)を組み込んだ電池パックのセルは、パナソニックかサムスンのその時に価格が安い方を採用することで、性能を維持しつつも、税抜車両価格44万円を実現したのが「バトラ201」だという。

【e-minimo BATORA 201】●全長2000×全幅600×全高1010(mm) ●軸間距離:1370mm ●シート高:730mm ●車体重量:105kg ●原動機:ブラシレスモーター ●変速機能:電子式3速切替 ●定格出力:580W ●最大出力:2100W ●最高速度:45km/h ●駆動用バッテリー:リチウムイオンバッテリー ●バッテリー電圧/容量/充電時間:72V/44Ah(3.1kwh)/約10時間 ●一充電走行距離:約60km* ●タイヤサイズ:F=90/90-12 R=100/90-10 ●車体色:ホワイト ●乗車定員:1名 ●運転免許:原付免許~ ●価格:48万4000円 (*)実際に街中で走行できる距離だが、気象/道路状況/車両整備状況により異なる。

たしかに外観はシンプルで、大きな特徴がないようにも見える…。しかし試乗すると、西尾氏のこだわりがいくつも感じ取れる。たとえば、電動バイクは重くなる傾向にあるが、車重105kgと既存の業務用バイクとほぼ変わらない。シンプル構造に徹した結果だ。重量物のバッテリーはシート下に配置しているので、クネクネ道でも走行安定性が良い。特に停止状態から25km/hぐらいまでの加速が良い。カタログ値では最大速度が45km/hだが、テストコースで試すと55km/hぐらいは出た。同じくカタログでは実走行距離が60kmだが、実は80kmは走るそうだ。「カタログに80kmとあって実際に走らなかったら、お客様は騙されたと思うんです。だから”4年後でも走れる距離”として、60kmと記載しているんです」 実際にバトラ201を導入した店舗では「もっと走りますね」「これまで登れなかった急坂が走れます」と喜んでいるそうだ。

メーカー4年保証の「フリーメンテプラン」も新しい販売方法で、4年間使用した場合、ガソリン車と比較して25%以上の経費削減になるとの試算もある。顧客からの要望に応えるため、充電時間を短縮する開発も進められている。荷物をたくさん積めるし、筆者なら釣りやキャンプツーなど、レジャーで使いたいな…。

シート高が730mmとビジネスバイクとしては若干高いが、シートがまるで低反発素材のようにじんわりと座れるので、股下73cmの筆者でも足着きベッタリ! 重量物もシートの下に集中し、バランスもとても良い。[身長173cm/体重77kg]

【登坂能力も高い!】原付一種の最大積載量である30kgの荷物を積んでも、約16.7度(30%)の坂を登れる登坂能力を持つ。

【リヤハブモーター採用で走行モードは3速切替式】最大出力2100Wのハブモーターを搭載。走行モードは右手元の赤いスイッチを押して、1速:最大40km/hぐらい、2速:最大47km/hぐらい、3速:最大55km/hぐらいと走行中に切り替えができ、走行状況に合わせてスムーズに走れる。

電界効果トランジスタ(FET)を使ったPWM制御方式のコントローラーを搭載する。

【重い荷物を積んで走るブレーキと足回り】早朝や住宅街でのデリバリーでは、ブレーキの鳴きも気になるそうだ。リヤはドラムブレーキを採用してコストダウンを図り、フロントは制動力とメンテナンス性、ブレーキ鳴きも抑えられるディスクブレーキを採用し、ユーザーニーズに応えている。

重い荷物を支えるリヤサスペンションはプリロード調整可能。

ブレーキレバーを固定するとパーキングになる。

【重量物を積んだ重心性と積載性を高めている】広いリヤデッキは、デリバリーバイクのノウハウを知り尽くしたEミニモのオリジナル設計。写真にはないが、フロントバスケットも標準装備する。大型キャリア/カゴへの変更や、大型BOXを付けたりと、用途に併せたオーダーが可能。

【ライト回りは従来電球でコストダウンを図る】ヘッドライトはハロゲン球を、ウインカーやテールライトにもLEDではなく従来型の電球を採用。業務用バイクは少しでも安く購入したいというユーザーが求める価格に落とすため、品質を下げずにコストダウンを図る工夫が要所にされている。

スピード/オド/バッテリー残量などの他、運転モード/エラーコードを表示する。

重い荷物を積んでも車体をガッチリ支える、丈夫で安定性の高いスタンドを搭載。

試乗車に付いていたウインドシールドはオプション品。やっぱりあると便利。

容量44Ahのバッテリーを積み、プラグイン充電でフルチャージまで約10時間

【バッテリーはシート下に】バッテリーは約23kgと重いが、脱着可能でメンテナンスをしやすい。

【定格電流4.5Aの充電器】重さ約2.1kgの充電器。充電時間を短くするために、電流値が高い充電器も開発中だ。

【充電口はシート下の前側】足や外部との接触がしにくいシート下の前部に充電口がある。もちろん防水キャップ付きだ。

【通電状態をランプで表示】充電中はチャージのランプがオレンジに点灯。充電が終わるとランプが緑色に変わる。

EVバイクであることを主張するBATORA201のロゴマーク


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