台湾のキムコ(KYMCO)は、2速オートマックトランスミッションを搭載した電動バイク「KYMCO F9」を発表した。最高出力9.4kWのモーターにより0-50km/hを3秒で加速し、最高速度は110km/h。日本でいえば原付二種(~125cc)と同等以上だ。
軽量コンパクト、前後14インチホイールのスポーツスクーター
台湾のキムコが発表した「F9」は、2018年秋のEICMAでお披露目された6段ギヤ付き電動スーパースポーツ「スーパーNEX(SuperNEX)」を思わせるスポーティな顔つきに、軽量コンパクトな前後14インチホイールの車体を組み合わせた電動スポーツスクーターだ。
キムコはスーパーNEX発表時から、電動バイクの最大の弱点は“エキサイティングじゃない”ことだとし、モーター&ギヤ音によるサウンドフィーリングや、電動ならではのゼロ発進加速の鋭さなどを強調したマシン作りを目指している。
電動バイクは現代~近未来の交通機関に欠かせない存在となりそうだが、現在のところ、いわゆるバイク好きに熱狂的に迎えられているモデルはほとんどない。そんな電動バイクに対する人々の認識を変えるセンセーショナルなライディング体験を提供するのが、F9なのだ。
バッテリーをフレームの剛性メンバーとして活用する設計とし、装備重量で107kgを実現した。スイングアームは超コンパクトなモーターユニットを含む後半部分を、平行四辺形状に配置された2本のアームが支える構造だ。 [写真タップで拡大]
F9は、最高出力9.4kW(12.7ps)を発生し、0-50km/h加速は約3秒。最高速度は110km/hを標ぼうする。なんといっても驚くべきは、急速充電なら2時間で満充電となり、120kmの航続距離を誇ること。それでいて車重は107kgに抑えられており、前後14インチホイールの走破性とグリップにより、コーナリングが楽しめるバイクに仕上がっているのだという。
電動バイクとしては初めて2速トランスミッションを装備し、車体構成もフレーム構造の一部としてバッテリーを結合するなど独創的な設計としている。
日本における発売の予定はないとされているが、反響次第では可能性も出てくるかもしれない。また、同日公開された素材にはスーパーNEXのネイキッド版「REVO NEX」の素材もあった。なぜか資料は全くなく、昨年のEICMAで公開された映像および新しいカラーリングを施された車体の写真素材のみが届いたが、これも何かのメッセージなのだろうか……。
KYMCO F9[2021 model]
【KYMCO F9[2021 model]】主要諸元■全長1831 全幅714 全高1085 軸距1236 シート高790(各mm) 車重107kg(装備)■電動ブラシレスDCモーター 12.7ps/3.06kg-m 変速機2段 固定式バッテリー96V / 40Ah(バッテリー重量17kg)■タイヤサイズF=110/80-14 R=140/70-14 ●日本国内導入予定なし
急速充電を用いれば2時間で満充電になるバッテリーは、単体重量17kgでフレーム剛性の一部を兼ねるようにビルトインされている。96V / 40Ahの容量で120kmの航続距離を実現。 [写真タップで拡大]
電動モーターと2速トランスミッションを内蔵する動力ユニット。スイングアーム後半を占めるが、上下2本のロッドで支えられることから、ユニットスイングアームとしては異例の軽さとなっているはず。 [写真タップで拡大]
KYMCO F9[2021 model]ギャラリー
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