今まで日本で認可されていなかったバイク用デイライトが合法となった。よりキャラクターが立った“顔”が今後は国内でも入手可能になる。まずは「DRL=デイタイムランニングランプ(通称:デイライト)」とは何か、その機能と法制について解説する。
’20年9月下旬から緩和されたデイライト。愛車への後付けも合法だ
’14年頃から日本の排ガスや騒音規制が欧州と同様になり、フルパワー車が多く設定されるようになった。このように近年、世界各国の法規制を統一した国際基準調和が進められている。そんな中、国内でいまだ解禁されていなかったデイライト(デイタイムランニングランプ=DRL/昼間走行灯)が認可されるようになった。
デイライトは日中の被視認性を高める専用ライトで、欧州では’11年から義務化。現地メーカーはデザインの一部として組み込んでおり、眉毛状やリングなど印象的な光で個性を主張している。だがデイライトを採用した海外モデルは、日本では減光調整されポジションランプとして扱われてきた。国内も4輪は’16年10月から合法となったが、バイクでは認可されておらず、”解禁”を求める声が多かったという経緯がある。
改正のポイントは下記の通り。日本では’98年からバイクにヘッドライト(前照灯)の常時点灯が義務化されたが、今後はヘッドライトかデイライトのいずれかを常時点灯させればOKに。両者は役割こそ同じだが、欧州モデルと同様、よりスタイリッシュな顔が国内でも手に入るようになる。また、従来のヘッドライト常時点灯に比べ、日中のバッテリー消費電力を抑えられるのも利点。日本独自の仕様を用意せずに済み、コストダウンや発売のタイミングが早まることも期待できる。
さらに、要件を満たせば既に発売済みの車両にデイライトを装着してOKなのもポイント。今後、デイライトが国内のトレンドになるのは必至だ。
またひとつ国際基準が調和された
世界各国の規制はバラバラだが、これを統一すれば輸出入がスムーズになる…。そこで近年、国際連合が主導し、各国の安全/環境規制を統一化した”基準調和(ハーモナイズ)”の動きが活発化している。排ガス/騒音/ABS/燃費など様々な規制が日欧で共通化されつつあり、今回のデイライトも基準調和の一環。壁がまたひとつ撤廃されたのだ。
前照灯かDRLのいずれかを常時点灯
従来は前照灯のみだったが、今後はデイライトでもOK。国内ではポジション灯と同等の300カンデラ(cd)に減光されてきたが、これで本来の明るさ(400~1200cd)となる。
DRLと前照灯の同時点灯は違法
デイライトと前照灯の双方を同時に点灯するのはNG。デイライト使用時は、前照灯をオフまたは減光する必要がある。逆に前照灯を使う場合もデイライトの減光が必要だ。
DRL採用車はオートライト義務化
デイライト搭載車は、周囲が一定の暗さになった際にヘッドライトが自動でONになるシステムが必須。なお、デイライト最大光度が700cd以下の場合、手動切り替えも認可される。
要件を満たせばカスタムもOK
新たな規制強化:サイドリフレクターと車幅灯は義務化
今回の改正に合わせて、バイクに”車幅灯(ポジションランプ)”と”側方反射器(サイドリフレクター)”が義務付けられることになった。被視認性を高めることが目的で、車幅灯は横幅0.8m以下の車両はナシでも合法だったが、今後はバイクも必須となる。
【適用時期(予定)】
- 126cc以上:’23年9月以降の新型車
- 51~125cc/0.6kW超~1kW以下:’23年9月以降の新型車
- 50cc以下/0.6kW以下:’25年6月以降の新型車
日本国内でも解禁となったデイライト。次ページでは、ドゥカティ現行車の日本仕様/欧州仕様のツラ構えを比較する。
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