二輪車利用環境改善部会レポート#27

実証実験「eやんOSAKA」が挑む、交換式バッテリーによる充電インフラの将来像

  • 2020/10/5
実証実験「eやんOSAKA」が挑む、交換式バッテリーによる充電インフラの将来像

MaaSの活用構想にEVバイクが組み込まれた

MaaS(マース)=Mobility as a Service(モビリティ アズ ア サービス):ICT(情報通信技術)を活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)をひとつのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな”移動”の概念。利用者はスマートフォンアプリを用いて、交通手段やルートを検索/利用し、運賃等の決済を行う例が多い。

国土交通省

去る8月19日、自工会/大阪府/大阪大学によるバッテリー交換式2輪EVの普及に向けた実証実験「eやんOSAKA」の実施が発表された。大阪大学の吹田/豊中の両キャンパス内に加え、吹田キャンパスから半径20km圏内の街中(コンビニのローソン)にバッテリー交換ステーションを設け、その利便性や利用者の行動変容などを検証するものだ。

対象は大阪大学の学生と教員の20名で、原付一種のEVバイク「ベンリィe:I」を月額1000円で3か月貸与し、バイト先や駅までの移動など自由に使ってもらう。検証内容には、テレマティクスを用いた車両利用情報の取得のほか、ラストマイル・シェアリングシステム化の検討も含まれている。駅までシェアEVで移動し駐輪、料金の支払いも含めてシームレスに電車に乗り換えて移動するといったものだ。

シェアリングを想定した多様なモビリティのMaaS活用構想の中に、2輪業界のEVバイクが組み込まれたことの意義は大きい。

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写真左は大阪大学の2つのキャンパスに設置されるバッテリー交換ステーション。写真右はローソンに置かれるポット型の専用充電器。

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大阪大学の最寄駅・北千里駅周辺の駐輪状況。水路沿いの歩道脇に原付一種の定期貸しスペース「東第1自転車駐車場」がある。坂が多い街だ。

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また、大阪が舞台となったのには理由がある。EVに欠かせない蓄電池関連分野の企業が多数立地することに加え、実は大阪府は日本一の原付保有台数を誇っている。実際、表にある通り、吹田市直営の駅前駐輪場だけでも都内に比べると驚くほどの充実ぶりだ。第1期のタームでは示されていないが、検証段階が進むにつれ、こうした既存の駐輪インフラとのクロス効果、整合性なども今回の実証実験に期待したいところだ。

大阪府だけでなく、吹田市/豊中市/箕面市にも参加を促し、ぜひEVバイクが”停められる”社会の構想にチャレンジしてほしい。

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交換式バッテリーの受容性のほか持続的な社会(低炭素/低ストレス/低感染リスク)におけるEVバイクのモビリティとしての有効性を証明してほしい。

●取材/文:田中淳磨(輪)
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