MaaSの活用構想にEVバイクが組み込まれた
MaaS(マース)=Mobility as a Service(モビリティ アズ ア サービス):ICT(情報通信技術)を活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)をひとつのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな”移動”の概念。利用者はスマートフォンアプリを用いて、交通手段やルートを検索/利用し、運賃等の決済を行う例が多い。
国土交通省
去る8月19日、自工会/大阪府/大阪大学によるバッテリー交換式2輪EVの普及に向けた実証実験「eやんOSAKA」の実施が発表された。大阪大学の吹田/豊中の両キャンパス内に加え、吹田キャンパスから半径20km圏内の街中(コンビニのローソン)にバッテリー交換ステーションを設け、その利便性や利用者の行動変容などを検証するものだ。
対象は大阪大学の学生と教員の20名で、原付一種のEVバイク「ベンリィe:I」を月額1000円で3か月貸与し、バイト先や駅までの移動など自由に使ってもらう。検証内容には、テレマティクスを用いた車両利用情報の取得のほか、ラストマイル・シェアリングシステム化の検討も含まれている。駅までシェアEVで移動し駐輪、料金の支払いも含めてシームレスに電車に乗り換えて移動するといったものだ。
シェアリングを想定した多様なモビリティのMaaS活用構想の中に、2輪業界のEVバイクが組み込まれたことの意義は大きい。
また、大阪が舞台となったのには理由がある。EVに欠かせない蓄電池関連分野の企業が多数立地することに加え、実は大阪府は日本一の原付保有台数を誇っている。実際、表にある通り、吹田市直営の駅前駐輪場だけでも都内に比べると驚くほどの充実ぶりだ。第1期のタームでは示されていないが、検証段階が進むにつれ、こうした既存の駐輪インフラとのクロス効果、整合性なども今回の実証実験に期待したいところだ。
大阪府だけでなく、吹田市/豊中市/箕面市にも参加を促し、ぜひEVバイクが”停められる”社会の構想にチャレンジしてほしい。
●取材/文:田中淳磨(輪) ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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