エンジン:全車いずれも現代基準で設計
現代基準で設計されたエンジンは全車いずれもコンパクト。ZX-25Rの並列4気筒は1万7000rpmからレッドゾーンに入り、1万8000rpmでレブリミッターが作動する。これに対し、CBR250RRのレッドゾーンは1万4000rpm、ニンジャ250は1万3500rpmからと2気筒勢の回転限界は低くなる。
シャーシ:ZXとCBRはスーパースポーツらしい骨格
メインフレームはいずれもスチール材を使用。ZX-25RとCBR250RRはスーパースポーツにふさわしいツインスパー的構造のトレリスタイプとなっている。スイングアームはZX-25Rとニンジャ250/400がスチール製なのに対し、CBR250RRはアルミ製。ZX-25Rはマスの集中化を推進したショートマフラーの、逃げに対応した左右非対称の湾曲形状が目を引くポイントにもなっている。ニンジャ250/400のフレームは柔軟性を重視した構造で、スイングアームはニンジャH2にインスパイアされたエンジン背面のマウントプレートに締結される。
フロントサスペンション&ブレーキ:ZX-25Rはクラスを超えた充実ぶり
ZX-25Rは、SHOWA製のSFF-BP倒立フォークをクラス初採用。ブレーキキャリパーにはラジアルマウントの4ポットモノブロックとクラスを超えた装備を誇る。CBR250RRもSHOWA製の倒立フォークを採用するが、キャリパーは通常マウントの片押し2ポット。ニンジャ250/400は正立フォークに片押し2ポットキャリパーだ。なお、全車ともブレーキディスクはシングルのφ310mmセミフローティングで、ABSも標準装備されている。
リヤサスペンション&ブレーキ:ZX-10R/6R譲りのリヤサスペンション形式
ZX-25Rは、湾曲タイプのスイングアームにZX-10R/6Rで使われるホリゾンタルバックリンクサスペンションを採用する。CBR-250RRとニンジャ250/400は、コンベンショナルなボトムリンクサスだ。ブレーキはZX-25RとCBR250RRが片押し1ポットで、ニンジャ250/400は片押し2ポットを採用する。
ハンドル&ライディングポジション
【ニンジャZX-25R:ライディグポジションはレーシー】ステップはライバルよりバック気味で、トップブリッジ下にマウントしたセパレートハンドルには強めのタレ角も付き、ライディングポジションは前傾姿勢。そのため長時間の2人乗りは疲れやすそう。それでも、普段の街中で使うにも困らないほどほどのレーシーさとなっており、メインバイクとしても幅広く乗れる。
【CBR250RR:スパルタンさではトップ】2気筒なので股下がZX-25Rよりもひと回りスリムに感じられる。前傾はZX-25Rより強めで、タンデム側のライダーも膝の曲がりは一番きつい。ツーリングユースよりもサーキットを優先した、もっとも実戦寄りな雰囲気だ。メーターは4車中で唯一のフル液晶。独特の形状のため、見やすさは個人の主観によって分かれそう。
【ニンジャ250:扱いやすさはピカイチ】セパレートハンドルはトップブリッジ上にマウントされ、軽い前傾を促すほど良いアップライトな設定。左右ハンドルバーの間隔はZX-25Rより狭く設定され、タンクまわりも含めてかなりスリムに感じられる。そのライディングポジションはタンデムライダーとの距離も近く、ZX&CBRに比べると2人乗りしやすい。
【ニンジャ400:乗りやすさはニンジャ250と同じ】車体が共通のため、ライポジや2人乗りの感覚はニンジャ250と同じ。厳密にはタイヤ外径の違いでシート高がわずかに低いくらい。とはいえ、4車とも両足ベタベタなので足着き性は気にならない。2気筒ニンジャの指針式タコメーターはサーキットで分かりやすい。ZX-25Rのメーターも同系レイアウトで万人向きだ。
※ライダー:身長168cm/体重61kg タンデムライダー:身長176cm/体重54kg
メーター:カワサキ車はおなじみデザイン
ZX-25Rとニンジャ250/400は、中央に指針式タコメーター、その右に速度その他を表示する液晶部を備える、ニンジャ系に幅広く使われる共通意匠のメーターを採用。しかしZX-25Rは、パワーモードやトラクションコントロールの表示が追加されるほか、反転液晶ではなくなっている。CBRは唯一のフル液晶タイプで、タコメーターはバーグラフ式だ。
電脳化:250ccスポーツ新潮流としていよいよ本格化
本格電脳化の波は250クラスにも波及。ZX-25RとCBR250RRは、電子制御スロットルを採り入れたことでダウン方向にも対応したクイックシフターを手に入れることができた。さらにZX-25Rは3モードのトラクションコントロールまで装備。これには格上の排気量も顔負けだ。
スペック
ニンジャZX-25Rの真の実力を検証する徹底テスト、次ページでは”1番勝負”として最大のライバル・CBR250RRとの対決をお届けする。
●文:宮田健一 ●写真:真弓悟史 ●取材協力:ナイトロンジャパン ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
トリックスター:話題作りにも注力するぞ! 2気筒のニンジャ250にも力を入れているトリックスターは、いち早くインドネシアで車両を入手してパーツを鋭意開発中。同社はZX-25Rを2輪業界を盛り上げる起爆[…]
カワサキ×アクラポヴィッチ:SBKコンビのコラボ カワサキがスーパーバイク選手権ワークスチームも使用するアクラポヴィッチとコラボしたフルエキゾーストマフラー。サイレンサーに車名ロゴが入った"コラボレー[…]
エンジン '19年夏にその存在がスクープされ、秋の東京モーターショーでベールを脱いだニンジャZX-25Rは、カワサキとしては'07年型バリオスII以来の4気筒エンジンを搭載した250ccとなる。 完[…]
カワサキトラクションコントロール:クラス初装備、使える3段階の切り替え+OFF ZX-25Rは、250ccモデルで初めてトラクションコントロールシステムを搭載。大型スーパースポーツのようなIMU(慣性[…]
上寄りのパワーバンドに面食らう、久々のこの感じ 今回はオートポリスの周辺にある大観峰やミルクロードといった絶好ロケーション公道試乗も予定に組まれていた。サーキットだけだと、どうしてもレース向きな直4の[…]
最新の記事
- 2025年「56レーシング」チーム体制発表! 13歳の富樫虎太郎は全日本J-GP3フル参戦、新たに9歳の木村隆之介も加入
- Wチャンピオンを手土産に世界に再挑戦!【國井勇輝インタビュー】
- 「いつから、いくら下がる?」ついにガソリンの暫定税率廃止へ! 新原付の地方税額も決着……〈多事走論〉from Nom
- 【2024年12月版】シート高780mm以下の400ccバイク10選! 地面に足が着くのはやっぱり安心
- 「これを待ってた」ホンダ新型CB400フルカウル「CBR400RR/CBR400R FOUR」スクープまとめ「かっけー!」