多くのユーザーから信頼を得てきた大阪の旧車ハーレー専門店「鼓動館」。輸入したショベルモデルは完全に分解後、エンジンだけではなく車体や電装品まで、すべてオーバーホールしてから販売するという。
NEWモデル SOFTAIL STANDARD 試乗インプレッション!! いかにもハーレーらしいミニエイプハンドルバーとチョップドフェンダー、ソロシートやクロススポーク仕様のホイールを備え、シンプルな[…]
エボは程度の良い個体をファインメンテナンスしてから、ショベルはすべてオーバーホールしてから販売する
ハーレーの旧車ショップである鼓動館は、京都の九条通から神戸に向かう幹線国道171号線沿いにある。
その佇まいは、大きな倉庫を改造したようなビンテージ色の強い外観。広いパーキングの奥に、ショールームとサービスピットを構えている。
訪問すると、左右に分けられた展示車両が目に飛び込む。右側はエボリューションモデル。左側はショベルモデル。そして、その奥には貴重なパンヘッドモデルや、販売車両ではないインディアン等のクラシックバイクも置かれていた。
入り口の左側に展示されている各種のショベルモデル。右側にはエボリューションモデルだが、ヘリテイジスプリンガーの在庫が多い。すべてプライスタグが付けられていて、基本的な整備内容は変わらないという。ショベルはすべてフルオーバーホールが前提だ。
代表の藤岡誉司氏は、今や生粋の旧車フリークだが、かつては鈴鹿サーキットを疾走するレーシングライダーだった人でもある。レース引退後はアメリカに渡り、寿司職人として生計を立てていた時期もあるというユニークな人物だ。
「アメリカ時代に本物のハーレーフリークと接して、僕もハーレー乗りになりました。その中でも、旧車に特別な魅力を感じたから、2005年に専門店を日本でオープンさせたんです」
このショップ最大の特徴は、輸入したショベルモデルについては完全に分解後、エンジンだけではなく車体や電装品まで、すべてオーバーホールしてしまうことだろう。
「もし新車のショベルが手に入るとしたら、欲しくありません? そんな声は多いと思うんですよね。それをまっすぐやっているというわけですよ」
エボリューションモデルは程度の良い個体をファインメンテナンスしてから販売、ショベルはすべてオーバーホールしてから販売、というのが藤岡さんの基本方針だ。
外装に関してはユーザーの意向に従うとのことで、オールペイントもOK。だがこのショップであれば、当時のオリジナル塗装を生かし、ビンテージの素晴らしさはそのままに、ハード面は徹底的に新車へと近づけるという方法が可能だと言えるだろう。
取材当日も着々とメンテナンス作業は行われていた。すべて分解してから消耗部品を交換後、組み立て直す。配線もすべて新品に引き直す。その工程は、ホームページにも掲載されている。
現在3人で切り盛りするスタッフは、チーフメカニックが藤岡氏の息子である泰典氏(左)と西野真氏。すでに500台以上の納車を記録するが、大きなクレームは一切ないのが誇りだと言う。
代表自らもハーレーフリーク
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代表の藤岡誉司氏は、以前はスピードだけを追求してきたレーシングライダーだった。しかし、ハーレーに出会って、バイク本来の魅力を再発見。それがビンテージモデルということなのだ。
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藤岡さんの所有するナックルは1947年のFLで、北海道もソロで行く相棒である。
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インディアンは1927年スカウトのサイドカー(右)。もちろん可動。他に、’19年に北海道からやってきた1947年のチーフも所有する。
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