スクーターの利便性を生かしつつ、人気のアドベンチャースタイルを取り入れた’20ホンダADV150。舗装路だけではなく、フラットダートに乗り入れて走りをチェックした、『オフロードマシン ゴー・ライド』流インプレッションをお届けする。
PCXとは異なるサスペンション
日本国内でベストセラーモデルとなったホンダPCX。先日、そのPCXに試乗したのだが、スクーターらしい利便性とスポーツモデルのような軽快な走りを両立していて、大人気となるのが納得の仕上がりだった。
そのPCXをベースに、前後サスストロークを延ばし、アドベンチャースタイルを取り入れて完成したのが、この「ADV150」だ。石畳や荒れた舗装路で快適な走りを実現するためのスタイルだが、そのためにフレームを強化し、エンジン搭載位置を変更するなど、PCXとの共用パーツはわずかで、ほぼオールニューといえる仕上がりになっている。
そのADV150の走りは、サスストロークが伸びたこともあって、舗装路ではPCXよりもフワッとした乗り心地に感じた。しかし、その感触がトレールマシンっぽく、個人的には好印象だった。そして、その増えたストローク量のおかげで、フラットな林道では底突きすることがなく、ユニットスイング式の恩恵はリヤのトラクションとして現れ、ダートの登りも安定してクリアすることができた。
ただ、シッティングでは前輪の位置が見えにくく、下り坂のライン選びは慎重にならざるを得なかった。とはいえ、クラッチ操作を必要とせず、エンストの不安もないので、フラットな林道をトコトコと走破するのは余裕でこなせる。
ADV150は欧州で人気のX-ADVのスタイルをPCXに取り入れ、ちょっと違ったスタイルを楽しむためにインドネシアから提案されたという。世界中のアイデアを具現化できるのがホンダのすごさだが、日本発の新型トレールマシンを見たい、と思ったりもした。
●文:小川浩康 ●写真:ホンダモーターサイクルジャパン 小泉裕子 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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