長期戦の様相を呈している新型コロナウイルス。3密を避けるために小型スクーターの需要が各地で伸びている中、台湾からの魅力的なメーカーが上陸。通勤快速に最適なSYMの個性的なマシンを2回に分けて紹介する。■DRG BT
もう下駄代わりじゃない!? SYMの転身具合がスゴイ
しばらく輸入がなかった台湾のSYMが再び日本に入ってくる…と聞いて、正直心ときめくというほどではなかった。悪口を言いたいワケではないが、ひと昔前のSYMは実用性と価格重視の製品が多く、”楽しさ”を重視するファンユーザーの食指が動きにくいモデルが多かったからだ。
ところが、である。先日行われた新製品発表展示会で、実車を見て、触って、試乗してみると、知っているSYMのイメージとずいぶん違うことに驚いた。単なる”足代わり”ではなく、趣味のライダーの食指が動くような楽しいスクーターがラインナップされているからだ。面白いのは、各モデルごとに明確なライバルの存在を感じること。ライバル車の商品性をきっちり分析し、それを上回る装備や走行性能を与える。そんな作り込みをしているようだ。
しかも、デザインについても一気に洗練されたように感じられる。聞けば2017年に社長が交代し、大きな方向転換があったとのこと。今回紹介する5モデルは、そんな新生SYMを代表するモデルたちだ。すでに国内販売中で、全国のSYM取扱店で購入できるほか、サイン・ハウス車両事業部ならではの、全国のバイクショップを窓口にした注文販売も行っている。
DRG BT:コイツはPCXキラーだ!
今回の新生ラインナップのヒーローモデルになりそうな「DRG BT」。”DRG”とは”ドラゴン”であり、そのスタイリングには名前に恥じないエッジを効かせたデザインが取り入れられた。走行性能に関してはスポーツ性を大きく意識。最大42度のバンク角や、前後50:50の荷重配分など、かなりこだわった作り込みがなされており、リヤサスペンションにはセンターマウントのプリロード調整機構付きリアショックを採用している。高速道路も走れる通勤快速が欲しいけど、ちゃんと走りも楽しみたいというライダーにオススメ。
158ccという絶妙な排気量サイズ。またがった瞬間に、ライバルはPCXなのだと直感した。走り出してみれば、数値上のピークパワーこそPCXに劣るが、トルクが強烈! 発進加速のパワフル感に関してはDRG BTの方が断然力強い印象だ。
また、驚いたのはコーナリングの気持ち良さ。きちんとしなるほどよい車体剛性がタイヤのグリップ感を伝えてくれるので、コーナーでかなり気持ちよくアクセルを開けられる。しかも、これだけスポーティな走りなのに、ステップボードはセンタートンネルを廃したステップスルータイプで、跨りやすく荷物も置ける。スポーツ性、利便性においてもライバルを意識して、それを上回る機能が追加されている。
スクーター大国・台湾から日本再上陸したSYM。次ページでは、マキシムTL、ジョイマックスZ250、クルージム250、ジェットSを紹介する。
SYMはTMAXやAK550に代表されるマキシスクーターのジャンルにも進出。「マキシムTL」は、前後50:50の荷重配分、スイングアーム&チェーンドライブ(ライバルはベルトドライブ)など、マキシスクー[…]
●文:谷田貝洋暁 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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