今から130年以上前、ドイツ・ヴッパータールで産声を上げたクニペックスは、創業当初から握り系工具に特化した専門メーカーとして優れた製品を作り続けてきた。単一工具にこだわるプライドと実力は世界中のユーザーから絶大な信頼を集めている。
●取材協力:クニペックスツールズジャパン ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
巻頭特集「ぼくらのガレージ」 様々な形態の個人ガレージを覗き見して、サンデーメカニックの夢である「マイガレージ製作」の参考にしよう! 自分仕様的なアイデアを思い浮かべるにも参考になるはず。また、ガレー[…]
握り系工具に特化した世界的メーカー
何かを掴む、曲げる、保持するといった作業で使用するプライヤーで、クニペックスほど知られたブランドは他にないと言って良いだろう。
同社が1970年代に開発した、グリップを握ることでセルフロックするウォーターポンププライヤーの「アリゲーター」や、1990年代に開発された1本で2通りの働きをする「プライヤーレンチ」は、発明といってもよいほど革新的であり実用的で、握り系工具のベンチマークとなっている。
ここではバイクやクルマいじりで重宝するアイテムを選んでみたが、どれも華美な装飾を排して質実剛健、あくまで使い勝手の良さで勝負する潔さを感じさせるものばかりである。
プライヤーレンチ:定番の高機能レンチが開口幅拡大と目盛り付きにバージョンアップ
全閉から全開まで平行に開閉するアゴの内側はギザギザの刻みがなくフラットで、薄い金属板やクロームメッキ仕上げのボルトも傷つけることのないプライヤー。プッシュボタンで幅を調整してグリップを握ると、ラチェット機構により握力が10倍に増幅されてアゴがしっかりロックされるため、ガタが出ずスパナのように使えるのが特長。
レンチカバー:柔らかい相手をソフトにキャッチ
プライヤーレンチのアゴにセットすることで、化粧ボルトやアルミなどデリケートな素材にも傷を付けることなく、安心して使える軟質樹脂製カバー。本体自体のテンションとフックで固定するため着脱は容易。2018年以降の発売で全長250mmのレンチに使用可能。
カッティングプライヤー:シャープな端面でタイラップを鋭くカット。高周波焼き入れにより金属も切断可能
わずかに面取りされた薄く鋭い片刃によって、切断面がフラットかつシャープに仕上がるプライヤー。着脱可能なワイヤーキャッチャーをセットすれば、切断した破片が飛び散らない。樹脂専用品は存在するが、このプライヤーは銅線や針金も切断できる強度がある。
スナップリングプライヤー:ねじれに強い剛性の高さと冷間鍛造されたピンでスナップリングを保持
先端がストレートの方が握ると閉じる穴用(φ8~13)、曲がった方が握ると開く軸用(φ3~10)だが、仕様により曲がった穴用、ストレートの軸用もある。ヒンジ部分の強度も充分で、硬いリングでも本体はよじれない。
メカニック用プライヤー:細くて丸い独特の先端形状がプラグキャップやホースを掴む
クワガタの角のように丸く開いた先端部分は、プラグキャップやホース類を掴むのに適したデザイン。アゴ部分は73mmあるので奥深い部分にも届きやすく、先端はぴったり密着するのでキャブのフロートピンやフューズなど小さな部品をつまむのにも重宝する。
リレー調整プライヤー:薄く反った先端がラジエターコアの狭い隙間にフィット
先端部分はわずか1mmの薄さで、小さな部品や電子工作時に端子やリード線を掴むため、”リレー調整用”と名付けられた繊細なプライヤー。つかみ部分がフラットなので、バイクやクルマいじりでは、オイルクーラーやラジエターのコア曲がりの修正で役に立つ。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
海外ブランドの一級品や世界定番工具を店内で直接触って体感 今なぜ、工具専門店が人気なのか? そこには自動車産業に支えられた日本特有の事情があるが、一方で我々のようなサンデーメカニックが二輪四輪を問わず[…]
かつて90 年代初頭にはサンドビック・バーコとして知られた、スウェーデンにルーツを持つモンキーレンチのパイオニア・バーコ。現在はアメリカのスナップオン傘下となっている。この美しい工具箱は北欧をイメージ[…]
バイクは常に美しくありたい、そう考えるのがハーレーオーナーのNさんだ。学生時代から日本製のバイクを乗り継いできたが、40歳になった時にハーレーを購入。以来、スチール物置をガレージ代わりに利用し続けるこ[…]
エンジン始動を試みるときに一番の不安要素となるのが、キャブレター。キャブを分解洗浄する際には、その前に必ずガソリンタンク内部のコンディションやガソリンの状態を確認しておこう。タンク内に発生したサビや混[…]
自動車に比べて車重が軽いバイクでは、ボルトやビスでM5、M6の軸径サイズを多用している。一般的にM5ボルトの六角部の二面幅は8mm、M6は10mm、M8は12mm、M10は14mmの組み合わせで、それ[…]
最新の記事
- 125cc以下のバイクを原付免許で運転可能に 2025年4月1日から、ただし運転できるのはあくまでも“新基準原付”
- 【2024年11月版】50cc原付バイクおすすめ12選! クルマの免許でも乗れるカブ系/スクーター/電動バイクを網羅!
- 「前時代的? な気合とド根性が現代のMotoGPをさらなる高次元へ」【ノブ青木の上毛グランプリ新聞 Vol.19】
- ミドルクラスの究極ドゥカティ!? 2025新型パニガーレV2/ストリートファイターV2登場
- [2024秋] いま売れ筋のバイクヘルメットTOP5【大型販売店で聞いてみた】1位はSHOEIのフラッグシップ
- 1
- 2