’20合法マフラー最新事情&逸品図鑑

環境意識&性能アップに貢献する「合法マフラー」最新事情#1〈”合法”であることの意義〉

環境意識&性能アップに貢献する「合法マフラー」最新事情

バイクカスタムパーツの真髄といえば、今も昔も「マフラー」。ただ、度重なる規制や政府認証制度の導入で、車検対応の「合法」かどうかが分かりにくくなっていることも事実。そこで、今回はもう一度「合法マフラー」を再整理。有力メーカーたちの取り組みと自慢の逸品を合わせて紹介する。


●取材・文:宮田健一/川島秀俊 ●撮影:川島秀俊/松井 慎/山下博史 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

環境意識を高め、良品を供給する基準「合法マフラー」

そもそも、なぜマフラーに「合法」が求められるようになってきたのか。現在の日本国内でマフラーが合法かそうでないかを決める決定的な要素は、「排出ガス」と「騒音」の2つだ。

「排出ガス」に合法性が求められるようになったのは、古くはモータリゼーションの進化とともに増えていく大気汚染対策として、’60年代の米国で規制が求められるようになったのが発端。そこから日本も含めて世界的に広まっていった排出ガス規制は、やがて四輪だけでなく二輪にも波及していった。

一方「騒音」の面でも、日本においてはかつてカミナリ族や暴走族で問題になったように、音量に対する規制が世界的に導入されるようになった。特にバイクブーム全盛期の頃の一部のマフラーには、音量を追求するあまりエンジン特性など度外視で作られた粗悪品も多く、性能が上がらないうえに未燃焼ガスを大量に発生させるなど、イメージを悪くさせていいことは何もなかった。

しかし、アフター用のマフラーは本来マシンの性能をアップさせて楽しく走るためのチューニングパーツだ。その意味をしっかり守るためにも、志あるマフラーメーカー各社は、合法かつ確かな性能アップを実現するマフラー作りに精力を傾けるようになった。

時代は流れ、今やバイクユーザーの主流は社会的な責任も多いオトナたち。彼らの支持を得て、現在国内に残る有力マフラーメーカーは、こうした志あるところのみ。だから合法マフラーは確かな技術開発力で厳選されたものばかり。それは選ぶライダーにとっても大きなメリットだと言える。

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特にハイパワーのSSなどは、マフラー交換する際にたしかな性能のものが求められる。

“合法”マフラーを決める2つの要素

  • 排出ガス:二輪車の排ガス規制は’98年(平成10年)より導入開始。その後、数度の改正を受けるたびに規制値が強化され、現在は有毒物質が当初の基準より1〜2割ほどまで減らされている。’20にはユーロ5準拠で改正予定だ。
  • 騒音:’86年に近接騒音が導入されたのが規制の始まり。本格的に規制が進んだのは’98年から。’10年以降は加速走行騒音規制も導入されたうえに交換用マフラーの政府認証制度が始まっている。

’20年の合法マフラー最新事情について解説する本特集。次ページでは合法マフラーの品質を決める政府認証マフラー制度について掘り下げる。

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