第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

ハイカム投入を思わせる圧巻の吹け上がり

満を持して登場! 公道用ヨシムラ手曲げストレート管、Z900RSに

  • 2019/9/12

ヨシムラらしい昔ながらのストレート管の外観を維持しつつ、性能向上と消音を両立するDuplex Shooter(デュプレックス シューター)構造を導入したZ900RS/CAFE用 手曲ストレートサイクロン。この排気系、どんな資質を備えているのだろうか?

マイナス点は存在しない!? どこでも速く、音もいい

サーキット用のT-SPECをベースにしながら、排気ガス・騒音の数値を現代の規制に適合させ、パワーダウンを最低限に抑えること。それがZ900RS/CAFEに対応する、公道用ストレートマフラーの開発目標だったという。この表現だと、デチューン的な印象を抱く人がいそうだが……。

実際にDuplex Shooter構造を体感して、そんな印象を持つ人はいないはずだ。何と言ってもこのフルエキは、STDとは趣が異なる、ヨシムラならではの爽快なフィーリングを、存分に堪能させてくれるのだから。

もっとも、試乗前にデータを見た段階では、ピークは出ていても、ミッドレンジはSTDに及ばないのか……と、僕は思っていたのである。でも実際のDuplex Shooter装着車は、スロットル操作に対する反応が素晴らしくリニアになっているから、どんな領域でもパワフルさが感じられるし、回転上昇の速度はSTDの3割増しという印象。中でも7000rpm以上の吹け上がりは圧巻で、ハイカム投入を思わせるほどの感触だった。

しかもこのフルエキは、音も感動的なのだ。音質が全域でほぼ一定のSTDに対して、ヨシムラ製はメリハリが利いていて、低回転では重低音(音量はSTDより控え目)、中高回転では弾けるようなカン高い音が満喫できる。

それでいてマイナス要素が一切ナシというのが、Duplex Shooterの恐ろしいところ。今回の試乗を通して、僕はヨシムラの技術力に、改めて感心することになったのだった。

手曲ストレートサイクロン Duplex Shooter[政府認証]

集合部付近に配したサブサイレンサーに排気口を設け、見た目はストレートサイクロンだが構造的には2本出しとも言えるのがDuplex Shooter最大の特徴。音量規制と出力アップを両立させるヨシムラのNewサイクロンだ(試乗車はプロトタイプを装着)。●価格:20万8440円

Duplex Shooterの刻印入り

サブサイレンサーの実測寸法はφ105×230mmで、内部には消音用の隔壁も設置。スチール製エキパイ(テールパイプとサブサイレンサーはステンレス)、や手曲げ製法などの伝統を引き継ぎつつ、耐熱性に優れた特殊コーティングで耐腐食性を高めるなどの手法も盛り込む。STDから2.4kgの軽量化も実現。

シャシーダイナモの計測データは参考に留めておくべきだろう。ヨシムラ製の体感的なパワーは、全域でSTDを凌駕していた。

マフラー以外にもZ900RS/CAFE用パーツが続々登場中!

【テールまわりの軽快さを演出するフェンダーレスKIT(1万9980円)】テール周辺がスッキリした印象となるフェンダーレスキットには、ヨシムラのロゴが入ったLEDナンバー灯とリフレクターが付属。

【ラジエターコアプロテクター(銀:1万7820円/黒:2万1060円)】素材は経年変化に強いSUS304で、軽さと耐久性を考慮した結果、板厚は0.8mmに設定。カラーはシルバーとブラックオキサイドの2種。

間もなく登場のハイカム【ST-1Mカムシャフト(予価14万7200円/10%税込)】「M 」は削り出し製法を意味し、中心部は中空加工で軽量化。ヨシムラ製排気系で開発され、装着時は燃調調整が必要。10月発売予定。

質感を高める削り出し部品【フレームキャップ(S~Lサイズ)】ボルト+ナットがムキ出しになっている、スイングアームピボットと前後エンジンマウント部に装着することで、質感を高めるアルミ削り出しパーツ。カラーはストレートグレーのみ。3種セット価格は1万5120円。

【ステップKIT X-TREAD(7万1820円)】ステップキットは4ポジション式。どの位置を選択しても、スポーツライディングが満喫できるはずだ。

STDに感じるカスタムの可能性

試乗&撮影にはSTDも同行。単体で乗っているぶんには、コレといった不満を感じないSTDだが、ヨシムラのデモ車と交互に走らせると、パワーユニットにも車体にも、カスタムの余地があったことに気づかされる。

Z900RSのカスタムはまだまだ広がる余地がありそうだ。

好評発売中のレース管

レーシング手曲ストレートサイクロン「T-SPEC」●価格:15万9840円

昨年夏から発売が始まったT-SPECはサーキット専用。構造は昔ながらの4-1式でサブサイレンサーは装備しない。集合部以降のパイプ径はφ80mm(政府認証マフラーはφ89.1mm)。

※価格は特記がない限り8%税込み価格

●文:中村友彦 ●写真:真弓悟史

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帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)