久しぶりに復活する250cc4気筒マシン・カワサキ Ninja ZX-25R。本特集では往年のZXR250(’90)の実力を再検証してきたが、その当時このカテゴリーで覇を競い合ったライバル車たちの存在も忘れてはならない。世界初の250cc直4マシン量産車・スズキGS250FWに積まれたエンジンは、その後GSX-R250シリーズ、バンディットシリーズへと展開を遂げる。
●文:沼尾宏明/宮田健一 ●写真:真弓悟史 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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GSX-R250シリーズ:一気にレーサーレプリカフォルムへ
’87 GSX-R250:満を持してレプリカブーム最前線に投入
’87年は4スト250にも波及したレプリカブームが一気に花開いた年だった。ホンダはCBR250Rを、ヤマハはFZR250を投入。GS250FWは2バルブだったが、スズキも満を持して4バルブのGSX-R250をデビューさせて逆襲を図った。GS250FWでは1万1500rpmからだったレッドゾーンは1万7000rpmへとアップし、高回転域が大きく進化。流行りの2眼ライト耐久フォルムはフルカバードカウルで美しくまとめられ、クラス最軽量の乾燥重量138㎏も実現された。
’88 GSX-R250/SP:クラス初のSPが初登場
当時隆盛を誇っていたSPレースは、改造範囲の狭さがネック。そこでクロスミッションを最初から組み込んだGSX-R250 SPが’88年から登場した。’89 SPではシングルシートや前後フルアジャスタブルサスなど、より戦闘力を高めた実戦仕様となり、速さを増していった。
’89 コブラ:GSX-R250のカウルレス仕様
レプリカをベースにネイキッド化する動きが各社のサブトレンドに。スズキもGSX-Rのネイキッド版であるコブラを投入。価格もGSX-Rより求めやすかった。峠ではキレイに着飾ったレプリカ勢をこれらでカモってみせるのが硬派だともてはやされた。
’90 アクロス:便利でカッコいい新しい提案
GSX-Rエンジンの可能性を世に知らしめたヒット作。フルカバードでスポーティなフォルムとメットイントランクという便利装備は、先鋭化に飽きていたユーザーの心を鷲掴み。ツーリングや街中ユースで活躍した。
バンディットシリーズ:可変バルブも搭載しスズキ250cc直4が完成
’89 バンディット250:よく回る250直4は進化して完熟の域へ
コブラは車体もGSX-Rゆずりの硬派なバイクだったが、それと異なり鋼管パイプを美しく魅せる新たなアプローチで登場したスポーツネイキッドがバンディットだ。’91年にはロケットカウルで世間を驚かせたリミテッドも投入された。さらに’95年でフルチェンジしエンジンを熟成。兄貴分の400に続いて、バルブタイミングとリフト量を回転数によって変化させるVC機構を採用したVを追加投入。ここにスズキ250直4は完成形となった。
’91 バンディット250リミテッド
当時暴走族しか使ってなかったロケットカウルが衝撃に。だが後に美しさが再評価され、今では高値だ。
’95 バンディット 250/V:可変バルブのVCエンジン
’95で、赤いシリンダーヘッドが目印の可変バルブタイミング機構を持ったVCエンジン仕様のVも設定。最高出力は40psとダウンしたが、これは馬力自主規制値が下げられてしまったため。スイングアームのアルミ化などで10kg軽量化した車体がこれをカバーしていた。
’91 GSX250S KATANA:これこそ250カタナ
以前も「カタナ」を冠するGSX250Eがあったが、ネイキッドな上に並列2気筒。それに対し’91に登場したGSX250Sは、直4エンジンに「らしい」フォルムで、真の250カタナとしてまさにユーザーが待ち望んだ1台だった。
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