クォーター4気筒は400を超えるか

250cc4気筒の実力再検証【ZXR250テストが示した新型ZX-25Rの可能性】

正式発表までカウントダウンが進んでいるカワサキ Ninja ZX-25R。久しぶりに復活する250cc4気筒マシンの実力を再検証すべく、往年のZXR250(’90)と最新のNinja400(’20)を比較する本特集、前ページまでのサーキットラップタイム計測&0-1000m全開加速テストの結果をふまえ、新型ZX-25Rの可能性を考察する。


●文:伊丹孝裕 ●写真:真弓悟史 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

かつて一世を風靡したクォーター4気筒の実力を探るため、いつものように対決方式のテストを慣行した本特集。『ヤングマシン』2019年8月号でも同様の企画を行い、その時に見せたホンダCBR250RR(’92年型)とヤマハFZR250R(’90年型)のパフォーマンスを知っている我々としては、ZXR250なら400相手でももしかしたら……という期待があったからだ。

当時のカワサキは、250ccクラスに2ストロークのKR-1と4ストロークのGPX250R-IIをラインナップしていたが、いずれも2気筒エンジンを搭載し、4ストローク4気筒エンジンは持っていなかった。

とどまることを知らないバイクブームの中、静観しているのにも限界があったのだろう。’89年、やる気MAXで送り込まれたのが初代ZXR250だったのである。

実際、そこに費やされた熱量は凄まじかった。エンジンもフレームもゼロから完全新設計されたのはもちろん、倒立フォークにラジアルタイヤ、ラムエアシステムといったレーシングマシン由来の装備を遠慮なく投入。そのうえ、大口径キャブレターやクロスミッションを標準装備したSP仕様も加えるなど、やりたい放題だったのだ。

そこにはクラストップのスペックが与えられているのは間違いなく、その進化版である’90年型なら400といい勝負ができるどころか、ブチ抜くシーンが見られる気がしたのだ。

YMサーキットテストレコード

【400をロックオン】ニーゴー2気筒より速く、ヨンヒャク2気筒より遅いという、ある意味スペック通りの結果を残したのがタイムアタックだ。ストレートスピードの差を踏まえれば善戦していると言ってもよく、ZXR250の伸びシロはまだまだありそうだ。

YMサーキットテスト記録

※テストトラック:袖ヶ浦フォレストレースウェイ

YM0-1000m全開加速テストレコード

【やればもっとできる?】ここは大きな差がついた。他のニーゴー4気筒がニンジャ400に肉薄していることを踏まえると、30年前のモデルゆえの個体差があったかもしれない。裏を返せば、新型ZX-25Rなら400を上回るかも? 期待が高まる結果と言える。

YM0-1000m全開加速テストレコード

※テストトラック:日本自動車研究所

結果的にZXR250の勝利は叶わなかったわけだが、がっかり感はない。なぜなら、乗っていればもちろん、コース脇で見て、聞いているだけでも顔がほころんでくるエンジンの魅力の前では、タイムやスピードの差は大した問題に感じられなかったからだ。

しかもその差も絶望的ではない。30年近くも前のモデルゆえ、「ここがこうだったら」「あそこが少しこうなっていたら」という部分が少なからずあり、そのいくつかをツブしていくだけでもニンジャ400にグッと迫れることは容易に想像できた。

というか、それこそが新型Ninja ZX-25Rの使命に他ならず、発売されればパフォーマンスで400ccクラスを上回り、エンジンの快楽度ではあらゆるマシンの頂点に立っても不思議ではない。 

今回のテスト最大の収穫は、その可能性が見えたことである。

新型ニーゴー4気筒 ポジショニングマップ予想MAP

【ZX-25Rが新たな基準となるか!?】今年デビューする他メーカーの新型モデルも含め、それぞれのポジショニングを予想したMAPがコレだ。スピード争いがニンジャ400とZX-25Rに2機種に絞られるのはほぼ間違いなく、官能性やランニングコストも含めて250~400㏄クラスのマーケットリーダーになるのではないか。車体価格がもっとも気になるところだ。

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