脳天を貫くフォーミュラサウンド、2万rpmに迫る超高回転域…。長らく途絶えていたハイメカの極致、250cc直列4気筒モデル「Ninja ZX-25R」がカワサキの手で現代に甦る。その歴史的なルーツとして真っ先に思い浮かぶのは、驚異のパッケージングを有し究極を追い求めた伝説の名車「ZXR250」だろう。
●文/まとめ:沼尾宏明 ●写真:真弓悟史、編集部 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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超レーシー、30年後の新作を凌駕する一面も
’90年代後半、ヤマハFZR250を筆頭として250㏄直列4気筒レプリカの一大ブームが巻き起こった。各社が新作を続々と投入する中、カワサキだけは沈黙を守り続ける。しかし’89年、過激なリアルレプリカ「ZXR250」を投入し、大きく勢力図が塗り変わった。
ZXR250の走りは総じてスパルタンで、エンジンは荒々しくも一気に吹け上がる。ハンドリングはドッシリ安定志向。峠やサーキットで深くバンクさせて真価を発揮する特性だった。しかもレースを見据えた「ZXR250R」まで投入し、アマチュアレースで高い戦闘力を発揮。4ストローク250ccのカテゴリーで勝ちを狙う者にも、常用域で味わえる”フィーリング”に酔いしれたいライダーにも、ZXRは支持された。
’90年代に入るとレプリカブームは沈静化し、ライバルが姿を消す中、ZXRは’90年代末まで生産されるロングセラーとなった。これもZXRのキャラクターが愛された証だろう。’20年、再び甦るカワサキの250直4はいかなる走りで我々を魅了するのか…?
ZXR250ヒストリー ’89〜’99
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