故阿部典史選手(ノリック)の父である阿部光雄監督のもと、若者ライダーの育成を目的に活動する「Webike TEAM NORICK YAMAHA」が2020年の参戦体制を発表。阿部恵斗選手、青田魁選手、そしてノリックの長男である阿部真生騎選手の3選手が、それぞれ全日本および筑波/もてぎ/菅生のロードレース選手権にフル参戦する。
「Webike TEAM NORICK YAMAHA(ウェビック チームノリック ヤマハ)」
故阿部典史選手(ノリック)が立ち上げた「TEAM NORICK JR」は、のちに「Webike TEAM NORICK YAMAHA」へと発展。2013年には当初からのメンバーだった野佐根航汰選手が全日本ロードレースJ-GPチャンピオンを獲得し、現在はヤマハファクトリーレーシングチームのライダーとなっている。
元々は、ノリックが子供たちにバイクの楽しさを知ってもらおうと1998年から開催した「ノリックと親子でバイク教室」が原点となっており、2006年に「世界に通用するライダーを育てたい」と、ロードレースチーム「TEAM NORICK JR(チーム ノリックジュニア)」を結成したのがはじまりだ。
多くのファンがご存じの通り、チームノリックジュニアの監督だったノリックは2007年10月7日、不慮の事故で他界した。その後、チームはノリックの父である阿部光雄さんが監督を務めることで存続し、以前からノリックのファンだったWebikeがサポートする形で「Webike TEAM NORICK YAMAHA」が誕生したのだった。
前述の野佐根選手に続いたのは上和田拓海選手、岡本裕生選手。そして2020年は、阿部恵斗選手を全日本ロードレース選手権ST600に、青田魁選手を筑波選手権J-GP3に、そして阿部真生騎選手を筑波選手権ST600ほかに参戦させ、それぞれが勝利と王座を目指す。
Webike(ウェビック)は、バイク用品等の通販で知られるバイクライフ総合サイト。2019年末にはマレーシアで行われたセパン8時間耐久ロードレース(世界耐久選手権)をサポートするなど、モータースポーツの発展にも情熱を持って関わっている。
阿部恵斗(アベ ケイト)選手
5歳よりポケバイ、ミニバイクレースで活躍し、2013年にチームノリック入り。筑波ロードレース選手権を中心に参戦し、ダートトラックやモトクロスで腕を磨く。
【戦績】
2015年 筑波ロードレース選手権 S80 ランキング16位
2016年 筑波ロードレース選手権 S80 ランキング9位/東日本エリア スーパーモト選手権 S3クラス シリーズチャンピオン
2017年 筑波ロードレース選手権 J-GP3クラス ランキング2位
2018年 全日本ロードレース選手権 J-GP2クラス ランキング14位/全日本スーパーモト選手権 S2クラス ランキング4位
2019年 全日本ロードレース選手権 J-GP2クラス ランキング8位/全日本スーパーモト選手権 S1クラス ランキング18位
2020年 全日本ロードレース選手権ST600クラス 参戦予定(マシンはYZF-R6)
青田魁(アオタ カイ)選手
2015年よりキッズバイクで本格的にサーキット走行を開始。2017年にチームノリックに加入した。
【戦績】
2017年 テルル桶川スポーツランド KIDS-Eクラス ランキング2位/白糸スピード KIDSクラス ランキング2位/菅生西コース KIDSクラス コースレコードで優勝
2018年 筑波ロードレース選手権 S80クラス 参戦/東日本スーパーモト選手権 S3クラス 参戦
2019年 筑波ロードレース選手権 S80クラス 17位/東日本スーパーモト選手権 S2クラス 2位
2020年 筑波ロードレース選手権J-GP3クラス 参戦予定(マシンはTZ250F)
阿部真生騎(アベ マイキ)選手
2017年11月22日に初めてバイクに乗り、楽しさを知る。2018年に2度の骨折を経験するが、多数のレースに参戦。2020年はST600へ初参戦する。
【戦績】
2018年 筑波ロードレース選手権 J-GP3クラス 参戦/東日本スーパーモト選手権 S2クラス 参戦
2019年 筑波ロードレース選手権 J-GP3クラス 参戦/東日本スーパーモト選手権 S2クラスで優勝
2020年 筑波ロードレース選手権 ST600クラス他 参戦予定(マシンはYZF-R6)
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