操るのが手強いリッタースポーツに対し、600ccスポーツはより軽く小柄なボディと適度なパワーが魅力。価格帯もリッター系より抑えめだ。ここでは国産ミドルクラススーパースポーツを代表する、ヤマハ YZF-R6、カワサキ ZX-6R、ホンダ CBR600RR、スズキ GSX-R600/750を紹介しよう。
文:沼尾宏明、宮田健一 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
CBR650Rは、FUN系公道スポーツを意味するホンダの「F」コンセプトと、レーシーを示す「R」系のスポーティさを融合して'19年に登場した。先代CBR650F譲りのツインラムエア付きダウンドラフト直[…]
クラス展望:ヤマハ&カワサキは刷新済み ホンダ&スズキはどう動く?!
’17年1月から欧州で排ガス規制=ユーロ4が全面適用された。これにいち早く対応してモデルチェンジしたのがYZF-R6。約2年の空白期間を経てZX-6Rが対応し、現在に至る。一方、CBR600RRとGSX-R600/750は規制対応せず、そのまま生産終了となった。ただしこの2台、欧州とは違う独自の規制を採用する北米では未だに従来型が継続販売されている。600SSクラスが再び隆盛を見せれば、’20年1月から適用開始となる次期規制=ユーロ5に合わせて新型のCBRとGSX-Rが投入される可能性はあるだろう。なお、継続生産車は’21年1月まで販売可能。それまでに現行YZF-R6とZX-6Rはユーロ5に対応する必要がある!
YAMAHA:純血種の公道レーサー〈YZF-R6〉
’99年の初代デビュー以来、最先端装備をまとったスパルタンな600スーパースポーツ車として知られるYZF-R6。’17年型で9年ぶりにモデルチェンジを受け、排ガス規制ユーロ4に対応するとともに、YZF-R1譲りの技術を注入した。エンジンは、市販車初採用だった電子制御スロットルや可変ファンネルを備える従来型を基に、3種類のパワーモードと6段階+オフのトラクションコントロールを追加。レッドゾーン1万6500rpmまで伸び上がる超高回転型ユニットの過激な走りはそのままに、マイルドな走りも許容するマシンとなった。車体は、軽量+高剛性なアルミフレームにマグネシウム製リヤフレームを組み合わせ、R1譲りのハイグレードな足まわりで武装する。さらにカウルは空気抵抗値を8%改善し、最高速アップに貢献。まさにレーシーなミドルSSを求めるライダーに最適な1台だ。’20年型は色変更を実施した。
KAWASAKI:余裕綽々の走りが光る〈Ninja ZX-6R/KRT Edition〉
ミドルスーパースポーツカテゴリー最初期の’95年にデビューし、四半世紀にわたって熟成を重ねてきたZX-6R。レース規則に縛られない、絶妙な排気量636ccを選択し、トラックから公道までスポーツできるキャラが好評を博してきた。’19で登場した現行モデルは、’13年型をベースにユーロ4へ対応。同クラスの国産勢で最もパワフルな126ps+ラムエアを発生する。しかも+αの排気量のおかげでトルクの谷を感じさせないのがミソだ。3モード+オフが選べるトラクションコントロール、2種類のパワーモード、クイックシフターなど電脳サポートもしっかり備える。車体は、軽量&高剛性なアルミダイヤモンドフレームに、コントロール性優秀なショーワ製BPFの組み合わせ。サスは前後ともフルアジャスタブルだ。その一方で、ETC2.0車載器も標準で備えるなど、日常での使い勝手まで考慮した点もカワサキらしい。
Ninja ZX-6R【STD】
HONDA:貴重なセンターアップマフラー〈CBR600RR〉
扱いやすい特性でレース入門車としても人気を博したCBR600RR。今や貴重なセンターアップマフラーも特徴だ。北米では’20モデルとして、’19年に登場したツヤ消し黒が継続販売される。次期型は「外装変更と性能アップ。’20年秋~’22年秋頃まで2年限定で復活予定」との噂も! CBR1000RR-Rに続く、RR-R登場か?
SUZUKI:ナナハン35年の歴史〈GSX-R750/600〉
750はなんと初代が’85年デビュー。大型スーパースポーツの元祖にして最長寿シリーズのSSとなり、600と1000のイイトコドリである排気量が大きな武器だった。そのスケールダウン版=600とともに’11年型で最後のフルチェンジを実施。2台とも北米で色変更を繰り返し、継続販売中だ。新型でぜひ歴史の継続を!
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