高速クルージングのみならずスポーツ性能も併せ持つ、600cc以上の大型スポーツ&ツアラータイプ。このカテゴリーのモデルバリエーションが豊富なカワサキから’20年新型の4台、Ninja 1000 SX、Ninja H2 SX SE+、Ninja ZX-14R、Ninja 650を紹介する。
●文:沼尾宏明、宮田健一 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
快適度を増したツアラー忍者〈Ninja 1000 SX〉
’11年の初代デビュー以来、鋭い走りをイージーに楽しめるマシンとして人気を獲得。基本構成はZ1000をベースとしながら、フルカウルをはじめ、走行モードやトラコンなど独自装備を多く有し、’17の3代目で6軸センサーによる精緻な制御を手に入れた。’20年型は、従来型を踏襲しつつ細部を熟成。心臓部に電制スロットルを与えるともに、排気系やFI設定の変更で、特に低回転域のスムーズさが向上した。さらに走行モードが2→4種類の連動型となり、シフターやカラー液晶を追加するなど、H2 SXで培った技術が展開されている。加えて、φ40mm倒立フォークは内部ピストン形状を改良し、乗り心地を向上。サイドカウルはエンジンの熱気を外側に放出する形状となり、フロントフェンダーも新作となる。従来のNinja1000に対し、H2 SXを意識した車名に変更したのもトピックだ。
クラス最強200㎰の旗艦SX〈Ninja H2 SX SE+〉
スーパーチャージャー(SC)搭載のH2をベースに、きめ細かく各部を最適化し、ツアラーに仕立てたSX。軽快な998㏄ながら、1441㏄のZX-14Rと並んで当クラス1位タイの200psをマークする。SCは、H2と異なる”バランス型”とし、強烈な加速と日常での扱いやすさを両立した。パニアを装着できるフレームや快適なフルカウルも専用設計だ。’18年にSTDとコーナリングライト装備の上級版SEがリリース。’19で追加された最上位グレードのSE+では、ショーワと共同開発した電サスのKECSがリアルタイムにダンパーを自動調整し、4種類の走行モードに合わせてパワーやトラクションコントロール、サスペンション設定が一括設定される。’20年型ではカラーチェンジを行い、灰×黒に代わり、新色のライム×黒が登場した。なおSTDグレードの’20年型H2 SXは国内では取り扱いなしとなる。
Ninja H2 SX SE
中間グレードのSEは、前後に機械式のフル調整サスを採用。リヤはKYB製で、便利なリモート式アジャスターを備える。’20年型はライムに代わってグレー×黒が登場。SE/SE+ともタンクや下部に自己修復ペイントを施す。
新幹線感覚の上質GT〈Ninja ZX-14R HIGH GRADE〉
GZP900Rに始まる豪快なカワサキフラッグシップ路線を受け継ぐモデル。’12年にZZR1400の後継機として、200ps+ラムエアの自然吸気1441cc直列4気筒を引っ提げて登場した。宿敵であるハヤブサを凌駕すべく磨いた加速性能と安定感が絶品。2軸2次バランサーの恩恵もあり、極低速からシルキーにトルクが湧き上がる。’00年代から熟成されたアルミモノコックフレームと路面追従性の高いサスも相まって、上質さではH2 SXをも上回るほどだ。’16でユーロ4に対応し、ブレンボキャリパー+オーリンズリヤショックの「ハイグレード」を設定。同路線のH2 SX登場以降も継続販売されたが、ついに’20年型で正規販売元ブライトの国内取り扱いが終了へ。ファイナルエディションとして、「Ninja」のロゴをアンダーカウルに大きくあしらった白×赤、黒×ライムの2カラーが用意される。
フレンドリーなパラツイン忍者〈Ninja 650 KRT Edition〉
気負わずスポーツできるマシンとして、’80年代から定評あるカワサキのミドルパラツイン。近年は’06年のER-6fを源流に、ニンジャ650R、本作へと発展してきた。’17年型のフルチェンジで、お家芸のトレリスフレーム+水平リンク式リヤサスを投入。20kgもの軽量化とナチュラルな操縦性を体現した。その最新型は外観を刷新し、機能も一層充実。逆スラントの最新ニンジャ顔とLEDヘッドライトを獲得するとともに、フラッシュサーフェイス化したスクリーンや大型化したアッパーカウルで防風性を高めている。さらにメーターを従来のアナログ+モノクロ液晶から、当クラス唯一のフルカラーTFT液晶に変更。快適度を増したタンデムシートも採用し、旅力を大幅に底上げした。エンジンは最大トルクを0.1kg-m下げたが、中速トルクを厚くし、ユーロ5にも対応済みだ。
Ninja 650
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