’19年9月に発表され、その後の東京モーターショーでも大きな話題を集めたホンダ「CT125」。’60年代に産声を挙げ、今なお独自の魅力を放つ名車”ハンターカブ”の系譜に連なる最新コンセプトモデルは、数々の新設計パーツを満載し、外観もコンセプトも往年のアウトドアマシン「CT」の名に恥じない仕上がりとなっている。
●写真:真弓悟史/鶴身 健 ●まとめ:沼尾宏明 ●取材協力:ホンダモーターサイクルジャパン、モノチリンドロ
外見、コンセプトとも往年の名車を忠実に再現
アップマフラーに、リヤキャリアの位置にあるハイマウント吸気ダクト、ブロックパターンタイヤ…。山や野はもちろんのこと、時には水の中さえ走破するタフ装備を与えられた名車が「CT110」である。国内では”ハンターカブ”の愛称で知られ、根強いファンの多い1台だ。
東京モーターショー2019で一般公開されたコンセプトモデル「CT125」は、スーパーカブC125をベースに、往年のCT110と同様の装備を与えたバイクだ。
何よりも驚くべきは、その再現度だろう。「非常によくできています」と、CT専門店「モノチリンドロ」夏川雅弘社長が語るほど、元ネタのCT110と似ている。現行モデルでは、CTシリーズを彷彿とさせるクロスカブ110も存在するが、こちらはコストダウンを重視した側面が大きく、共用パーツも多い。一方のCT125コンセプトモデルは、CTのシンボルであるマフラーや吸気ダクトなど専用設計パーツを多数奢り、外見もコンセプトも往年の名車を再現している。
「コストをかけ、CTの本質を捉えてきた。ホンダは本気ですね」(夏川氏) このまま市販化されるかは不明だが、同じくコンセプト車だったスーパーカブC125がほぼ同じ仕様で市販化され、約40万円という高価格帯ながらヒットした。同様にCT125がこのスタイルで登場する可能性は高い、と『ヤングマシン』本誌では見ている。
元ネタ・CT110:30年以上不変だったクラシックトレール
CT125のイメージベースとなっているCT110は、’61年の初代CA100Tから海外で進化を重ね、’80年に110として登場。アップマフラーやガード類による悪路対応、減速比を変更して登坂力を高める副変速機など、不整地を走るために数々の専用装備が与えられた。輸出先の豪州では、ほぼ仕様を変えずに販売され、’12年で絶版に。国内の人気も高く、今も高い中古車相場を誇る。
次稿より新型CT125とその元ネタCT110を徹底比較。まずはスタイリングの違いからお届けする。
オートバイの写真をまとめて見る
あなたにおすすめの関連記事
’19年9月に発表され、その後の東京モーターショーでも大きな話題を集めたホンダのコンセプトモデル「CT125」。前稿のスタイリング編に続き、本稿では名車”ハンターカブ”の系譜に連なるCT110と新旧2[…]
’19年9月に発表され、その後の東京モーターショーでも大きな話題を集めたホンダのコンセプトモデル「CT125」。前稿に続き、本稿では名車”ハンターカブ”の系譜に連なるCT110と新旧2台の撮り下ろしカ[…]
ホンダが東京モーターショー2019で世界初公開したCT125は、“ハンターカブ”の愛称で知られる往年のCT110を現代の技術で復刻したコンセプトモデル。このデザインを担当したモデラーの鳥山英二さんに、[…]
世界のホンダ車を扱うパッセージがオーストラリアのホンダディーラーに依頼し、現地仕様CT110の電装系を12V化して30台だけ輸入した(記事掲載当時)のがトレール110だ。副変速機や前後の大型キャリアな[…]
ホンダが誇るスーパカブ系における究極のアウトドアマシンだった“ハンターカブ”ことCT110が生産終了となってから7年、最新スーパーカブC125をベースとしたハンターカブコンセプトの「CT125」が第4[…]