第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

復刻記事・2005年オーストラリア仕様

ハンターカブ試乗インプレッション! 東京モーターショー予習編[ホンダ トレール110(CT110)]

  • 2019/10/1

世界のホンダ車を扱うパッセージがオーストラリアのホンダディーラーに依頼し、現地仕様CT110の電装系を12V化して30台だけ輸入した(記事掲載当時)のがトレール110だ。副変速機や前後の大型キャリアなど、本物の香りが漂う!

ヤングマシン2006年2月号(2005年12月24日発売)より復刻

トレールの名に恥じない、かなり遊べるタフなやつ

北米で生まれ、「トレール」と呼ばれたCT110はカブシリーズの派生モデルで、本格的なテレスコピックフォーク(掲載当時のスーパーカブはボトムリンク式だった)とブロックパターンタイヤを採用。国内では「ハンターカブ」と呼ばれた。エンジンはスーパーカブ系のSOHCシングル105cc。ミッションはペダルを上げてシフトアップする方式こそ通常のバイクと同じだが、ニュートラルは1速と2速の間ではなく、1速の下にあるボトムニュートラル式だ。なお、クラッチはスーパーカブと同様の遠心タイプを採用する。

動力性能については、同じ100ccクラスのカブ系エンジンを搭載するタイホンダ各車よりも一発ごとの爆発力が強い印象で、トゥルルルルーと苦もなく加速。最高速は優に80km/hを超え、さらに1速のギヤ比が低すぎることもなく、街乗り用として特に不満はない。始動はキックのみで、ペダルを踏み下ろしたときに足がマフラーにヒットしやすいが、これは何回か試してみれば慣れるだろう。

HONDA TRAIL110  2005

【HONDA TRAIL110 オーストラリア仕様 2005年モデル】主要諸元■軸距1220 シート高775 最低地上高175(各mm) 乾燥重量92.5kg■空冷4ストローク単気筒 SOHC2バルブ 105cc ボア×ストローク52mm×49.5mm■燃料タンク容量4.6L■変速機4段リターン■ブレーキF=ドラム R=ドラム■タイヤサイズF=2.75-17 R=2.75-17 ●2005年当時相場価格:36万8000円

ハンドリングは、スーパーカブのボトムリンク式と違い、フロントブレーキをかければフロントフォークがしっかりと沈むので、一般的なバイクと同じ感覚で扱える。タイヤのパターン剛性がかなり弱いためか、50km/h以上のコーナリングではウネウネと走行ラインが定まらないが、足まわりを含むシャーシ全体の剛性は低くはなく、慣れれば振り回してみたくなるような楽しさも持ち合わせる。なお、ブレーキは前後ともドラムだが、このタイヤに対しては十分な性能を有している。

副変速機は登坂力を高めるための装備で、林道をトコトコと進むのに向いている。価格は高い(当時価格36万8000円)が、醸し出される雰囲気はこのマシン独自のものだ。

HONDA TRAIL110  2005

トレール110は北米での呼称で、12V化に加え’80年代の純正ステッカーを特別に貼って発売。撮影車両はオプションのセンタースタンドを装備するほか、サイドスタンドは左右それぞれに設けられる。リヤショックはプリロードが5段階に調整でき、大荷物にも対応する。

HONDA TRAIL110  2005

副変速機の切り替えレバーはエンジンの左側に。ギヤをニュートラルにして、レバーをカチッというところまで動かす。

HONDA TRAIL110  2005

CT110の定番オプションパーツとえいえばサブのガソリンタンク。取り付けステー込みで当時3万5000円だった。

テスターの採点(10点満点)

ポジション[8]こじんまりとした雰囲気はスーパーカブに近いが、ハンドルはやや広めで、きちんとオフ車テイストになっている。シートはウレタンにコシがあって、お尻に痛みを感じることはなかった。

身長175cm/体重62kg

エンジン[8]試乗車は未走行の新車だったため、ミッションを含めまだ馴染んでいない雰囲気はあったが、力強く進むフィーリングはさすがに105cc。実用レベルは2ストのリード100と遜色ないと言っていい。

ハンドリング[7]勢いよく交差点を曲がるとウネウネと車体が揺れるが、これはシャーシ剛性が低いからではなく、タイヤのブロックが変形しているため。街乗りのみならタイヤを交換するのも一考だろう。

ブレーキ[7]フロントはレバーを握り込んでいくと制動力が変化するポイントがあるが、乗っているうちに慣れてしまった。リヤはコントローラブルで、ロック寸前まで自在に制動力を微調整できる。

メカ&装備[9]副変速機は街中で使うことはないが、みんなに自慢できるアイテムのひとつ。大型キャリアが前後にあり、しかもフロント側はクリップ付き。車体右側にもあるサイドスタンドなど、工夫が満載だ。

総合評価[8]1960年代にデビューし、今日まで生き長らえた歴史的名車。現在(2005年当時)ではオーストラリア仕様のみ日本国内で生産され、それを逆輸入している。6Vではなく12Vなので信頼性は高い。マニア垂涎の1台だ。

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大屋雄一

大屋雄一

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紙面版にて厳正なる新製品テストを担当するベテランジャーナリスト。