~長野県道411号線“信濃平展望ロード”~

【バイクで巡るニッポン絶景道】県境のマイナーロードに潜む絶景! 信濃平展望ロード[長野県]#モトツー

『バイクで巡るニッポン絶景道』シリーズは、ヤングマシンの姉妹誌であるモトツーリング編集長カン吉(神田英俊)が案内人。第24回は、メディアではまず紹介されたことがないであろう穴場をカン吉が明かす! 酷道に分類される超絶マイナーロードは、九十九折のブラインドコーナーを越えてピークに達したとき、すべてが報われるのだ。

TEXT:Hidetoshi KANDA

秘境を抜ける県境ロードは、どマイナーながら息をのむ絶景!

まさに超激穴ロード。メディアでは本邦初公開と言っても過言でないマイナースポットながら、信州屈指の展望を誇る“絶景ロード”の名に恥じぬ感激度を持つ道だ。

長野県の飯山市と新潟県の妙高市を連絡している古い街道ながら、“飯山街道”として知られている主要街道、国道292号とスイッチする為、連絡道としての利便性が低く、地元でも利用者は限られている。当然、交通量は皆無で作業車がたまに通行する程度。道幅もほぼ全線1.5車線で、いわゆる“酷道”である。

鍋倉高原をほぼ縦断、高低差が大変激しい為、九十九折のタイトコーナーによって高度を稼ぐ旧線形路が延々と続く。また、原生林地帯を縫っており、ブナ林の茂みの中に無数のブラインドコーナーが連続、見通しはお世辞にも良いとは言えない。正直、正面衝突のリスクを避ける為、細心の注意を払いつつのライディングが必須であり、初心者にとっては大変疲れるルートと言っても良いだろう。

しかし、この道の魅力はそのリスクが故に見落とされてきたのかもしれない。新潟側よりピークを越し、ブナ林を潜った先には大絶景が広がっているのだ。前方遥か彼方には奥志賀高原の山々。眼下には一面に広がる千曲川と信濃平の展望。酷道を延々と走ってきた旅人にとっては、猛暑時に頂く冷たいビールにも似た爽快感抜群の光景に違いない。

さらに隠れたディープスポットは峠の頂上付近にあるパラグライダーの発着場だ。こちらも観光客は皆無ながら、感激必至の大展望を堪能できる。視界を遮るものは一切無し。下界まで一直線の恐怖さえ覚える風景だ。魂震える絶景なるものがあるとすれば、このような光景に違いない。現地までは軽いダートながら、目前までバイクで行く事も可能だ。

マイナーながら凄まじい絶景パワーをもつこのルート。一生に一度は走っておきたい全力で推薦したい道ながら、冬季は通行止めになる為、行くなら今しかない。また、周辺には“信越トレイル”と呼ばれる自然歩道が整備されており、大変見事な紅葉のブナ林も楽しめる。奥深い北信の隠れ絶景を、ぜひ一度見に行って頂きたい。

頂上付近のパラグライダー発着場からは信濃平の大展望を堪能できる。遥か彼方には奥志賀高原、右前方には中野市~長野市を見渡せる大絶景が広がる。観光客も皆無の穴場だ。
新潟側より酷道を延々走った先に突如広がる大展望。この瞬間を見る為に走ってきたと言っても過言ではない感動的な光景だ。密かにこのルートを走る地元ライダーも散見される。
県道より分岐し、パラグライダー発着場までは軽いフラットダート。遮るものは一切無い、開放感抜群の光景だ。路面はフラットで大型ロードでも注意すれば十分走行可能だぞ。
県道411号を下った先が信濃平。国内屈指の品質を誇る銘品米の生産地だ。鄙びた風景が広がる田園地帯は、都会の喧騒とは全く違う時間が流れる。
このルートが縦断する鍋倉高原はブナ林のトレッキングも魅力。ピーク付近からは稜線を縦断する遊歩道が整備されており、紅葉の時期は特に素晴らしい風景を楽しめる。
飯山市は鄙びた定食屋が多く、唐揚げ定食が看板メニューとなっている店が多数ある。中でもこちらの質量はハンパでない。ジュワッとした熱い肉汁と共に頂く白米は堪らない贅沢。写真のライスは丼サイズだと言えば質量感を理解して頂けるだろう。

イナリ食堂
長野県飯山市飯山新町205-2 TEL:0269-62-2372
11:30~20:00 水曜休

ロード情報

交通量:新潟と長野を繋ぐ古い街道ながら、交通量は皆無。ごくまれに地元車両が往来するのみでマイカー等もほぼいない。但し、見通しの悪い場所も多い為、走行には細心の注意を!

路面:完全舗装ながら全線1.5車線の酷道。路面整備は比較的されているものの、浮き砂利等も珍しくない為、注意を要する。ブラインドコーナーが多く、正面衝突には要注意だ。

~長野県道411号線“信濃平展望ロード”~
秘境感★★★★
天空感★★★
潮風感
爽快感★★★★
根性感★★★★
開放感★★★

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