同じようで全然ちがう! シリーズ展開の妙

令和に買いたい!【外国車 大型ヘリテイジスポーツ-01】2019ニューモデル大集合 #08

  • 2019/5/9

「遺産」「伝統」を意味するヘリテイジな外観に、スポーティな走りを融合したジャンル。欧州を中心に人気を博し、国産でも各メーカーの新作が相次いでいる。自らの過去の製品に手本を持つトライアンフやドゥカティは、当時のバイクの再解釈でも一味違っている。

ヘリテイジスポーツは外国車の存在が欠かせない

かつての国産スーパースポーツが、こぞって手本としたのがトライアンフ ボンネビルをはじめとした英国製の空冷ツイン搭載車だった。1960年代に始まったその日本車の潮流は、やがて英国メーカーを飲み込み、次々と倒産に追いやっていった。このことが、旧き良きバイクといえば英国車、といったイメージを醸成させていったのだから皮肉なもの、といっていいのかもしれない。日本では空冷4気筒がもてはやされるなか1999年にカワサキ W650が登場し、旧き良きバイク像が再び見直された。それに呼応したのか、1991年に復活を遂げていたトライアンフは、2001年に自らの手でかつてのボンネビルをオマージュし、現代的なメカニズムでクラシカルなバイクを生み出していく。

現在のモダンクラシックとか、ヘリテイジスポーツと呼ばれるバイクの隆盛にとって、この新生ボンネビルの存在は欠かすことのできないものと言えるだろう。

一方、ドゥカティはいくつかのクラシカルなロードバイクを販売したのち、2015年にスクランブラーを登場させる。これがスマッシュヒットとなったことは記憶に新しいが、これによりヘリテイジスポーツは一大勢力となり、各メーカーが無視できないカテゴリーに育っていくことになった。

これら外国産ヘリテイジスポーツの特徴は、核となるエンジンをベースに多数のバリエーションモデルをシリーズ展開していることだろう。トライアンフ、ドゥカティともに排気量は2バージョンあり、扱いやすく身近なミドルクラスと、高級志向の大排気量に棲み分けを行っている。オンロード出身のボンネビルはオフロード志向のスクランブラーを展開し、スクランブラーを登場させたドゥカティはそれをベースにオンロードバイクも作っているのが面白いところだ。

ドゥカティ スクランブラー1100シリーズ:ストリートを越えてロングでも活躍できる

1079ccの空冷SOHC2バルブのL型ツインを搭載するスクランブラーシリーズのオーバーリッターモデル。800に対してアップタイプの2本出しマフラーやフロントダブルディスク、ユニークな形状のフル電子メーターを採用するなどクラスに見合った装備を与えられている。STD、スペシャル、スポーツの3機種が用意されており、いずれもパワーは86ps。いずれもIMUが導入され、ボッシュ製コーナリングABSやトラコン、ライディングモードが標準装備となっている。

【DUCATI SCRAMBLER 1100 2019】主要諸元■空冷4ストL型2気筒 SOHC2バルブ 1079cc 86ps/7500rpm 9.0kg-m/4750rpm 206kg 15L シート高810mm ●価格:158万4000円

シリーズおなじみだった丸型メーターに横長の液晶パネルを追加。こちらにスピードやギヤポジションを表示するようになっている。

アップタイプの左右2本出しマフラーを採用して力強い姿を演出。大排気量ならではの歯切れのいいサウンドを奏でてくれる。

[SCRAMBLER 1100 SPECIAL 2019]ワイヤースポークホイールやダイヤモンドステッチのシート、カスタムグレーの専用色でクラシカル度を増したバリエーションだ。●価格:174万8000円

[SCRAMBLER 1100 SPORT 2019]前後足まわりにフルアジャスタブルのオーリンズ製ショックを採用した最上級バージョン。車体色はイエローアクセントのブラックを設定。●価格:183万5000円

ドゥカティ スクランブラー800シリーズ:スクランブラーの主力、800シリーズ

スクランブラーシリーズの中核となるモデルでバリエーションはとにかく豊富。扱いやすい軽量車体と元気なエンジンでキビキビした走りでストリートを駆け抜けるのに似合う。ブレンボのラジアルマウントキャリパーなども自慢だ。’19ではユーロ4に対応するとともに各部を熟成。新デザインとなったLEDヘッドライトやタンクサイドアルミカバー、キャストホイール。それにコーナリング対応ABSやコネクテッド機能の充実などで進化した。

【DUCATI SCRAMBLER ICON 2019】800シリーズのSTDとなるモデル。’19ではコーナリングABSや油圧クラッチ、新デザインのLEDライトなどを新たに装備している。 ■主要諸元■空冷4ストL型2気筒 SOHC2バルブ 803cc 73ps/8250rpm 6.8kg-m/5750rpm 189kg 13.5L シート高798mm ●価格:110万5000円/112万円

コンパクトな丸型液晶メーターの中にスピードメーター、タコメーター、ギヤポジションインジケーター、燃料計など豊富な情報を表示する。

LEDヘッドライトはX字のメタルプロテクターの付いた新デザインに。外周のデイタイムランニングライトは日本仕様では未装備だ。

フロントにはブレンボ製のラジアルマウントモノブロックキャリパー+φ330mmシングルディスクを採用。’19はコーナリングABSに進化した。

タンクサイドのアルミカバーは交換可能で着せ替えも楽しめるのがスクランブラーの特徴。’19ではよりモダンなデザインに変更された。

[カフェレーサー 2019]ワイヤスポークホイールにセパレートハンドル、バーエンドミラー、シングル風シートでカフェレーサースタイルに仕上げたモデル。●価格:142万5000円

[フルスロットル 2019]ダートトラックマシンをモチーフにしたバージョン。トラッカーシートやゼッケン風サイドカバー、デュアルサイレンサーなどを装備している。●価格:130万円

[デザートスレッド 2019]ブロックパターンのF19インチタイヤやアップフェンダーでスクランブラースタイルに。ABSオン/オフ切り替えのオフロードモードも備えている。●価格:142万5000円

日本で継続販売される3台

日本では’18モデルとして発売されていた中から上の3機種を’19も継続販売。特にストリートクラシックやローランド・サンズとコラボデザインとなるマッハ2.0は’18に登場したばかりのモデルなので、欲しかった人には朗報。

[クラシック]●価格:127万5000円

[ストリートクラシック]●価格:114万5000円

[マッハ2.0]●価格:128万6000円

トライアンフ ボンネビルシリーズ:正統派スタイルのネオクラシック

’59年に登場した初代ボンネビルの魂を受け継ぐ正統派クラシックスタイルのモデルで、水冷並列2気筒エンジンを搭載。T120には1200cc、T100には900ccの排気量を設定している。外観とは裏腹にライドバイワイヤー制御のFIやABS、切替式のトラコンといった現代的な装備が与えられ、T120には「ロード」「レイン」のライディングモードも備わっている。また上級仕様のエースやダイヤモンドエディション、派生モデルとしてボバーもラインナップ。

【TRIUMPH BONNEVILLE T120 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒SOHC4バルブ 1200cc 80ps/6550rpm 10.7kg-m/3100rpm 244kg 14.5L シート高790mm ●価格:152万1800円

[T100/ブラック]T100は900ccエンジンを採用。Blackはケースカバーやマフラーまで全身をブラックで固めてまとめあげたシックなバージョンだ。●価格:123万1000円

[T120エース]T120Blackをベースに、’60年代の英国Ace Cafeに集ったライダーをリスペクトしてシックにまとめあげた1400台限定生産モデル。●価格:159万7900円

[T120ダイヤモンドエディション]ボンネビル誕生60周年記念の全世界900台限定特別モデル。ホワイト×シルバーのタンクと随所のクロームパーツが輝く高級仕様だ。●価格:156万7500円

[スピードマスター]スウェプトバックスタイルのビーチバーハンドルや、フォワードステップ、快適タンデムシートなどクルーザー要素を含んだモデル。●価格:172万2100円~

[ボバー/ブラック]リジッド風スイングアームにサドルシートを持ったボバースタイルのモデル。このシートはポジションを調整することが可能だ。●価格:159万2000円

トライアンフ スピードツイン:走りを意識したロードスター

ストリートツインにワンランク上の仕上げとディティールをプラスしたモダンカスタムな車体に、1200ccであるスラクストンRゆずりのパワーとトルクをドッキング。パフォーマンス志向のロードスターとして’19で新登場した。フロントにはブレンボ製ブレーキキャリパーをダブルで装着。ピレリ製ディアブロロッソ3タイヤを履き、ハンドリングもダイナミックな設定だ。

【TRIUMPH SPEED TWIN 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 1200cc 97ps 11.42kg -m 196kg 14.5L シート高807mm ●価格:160万円

トライアンフ ストリートツイン:最高出力が18%もアップ

トライアンフのネオクラモデルで最もベーシックなマシンとなる位置づけで排気量は900cc。ライドバイワイヤーなど中身は最新電脳技術が注ぎ込まれ、’19では新たにライディングモードとして「ロード」と「レイン」が追加された。空気圧管理機能システムといった機能もオプションで装着可能だ。また最高出力は10psアップで従来比18%もの向上を果たしている。

【TRIUMPH STREET TWIN 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 900cc 65ps 8.15kg-m 198kg 12L シート高760mm ●価格:105万600円

トライアンフ スクランブラー/1200XC/XE:ネオクラだが本格オフにも対応

クラシックなスクランブラースタイルに、現代の性能を融合させた’19新登場の意欲作。心臓部は1200ccツインで、専用チューニングが施されている。オーリンズリヤサスなど充実装備でオン・オフ問わずパフォーマンスを発揮するXCと、IMUを活用したコーナリングABS&トラコンや本格オフロード走行に応える走破性を身に着けた最上位モデルのXEの2車種がある。

【TRIUMPH SCRAMBLER1200 XC 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 1200cc 90ps 11.22kg-m 225kg 16L シート高840mm ※諸元はXC ●価格:203万1900円(XE=217万4100円)

トライアンフ ストリートスクランブラー:馬力向上はじめ中身を熟成

右2本出しのアップマフラーが特徴的なこちらは900ccバージョンのスクランブラー。’19ではユーロ4に対応しつつ最高出力10psアップの65psに進化した。ライディングモードは「ロード」、「レイン」に加え「オフロード」の3段階を装備。ブレンボ製の新設計ブレーキキャリパー、新デザインのメーター、アドベンチャー志向のシートなどより上質に生まれ変わっている。

【TRIUMPH STREET SCRAMBLER 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 900cc 65ps 8.15kg-m 221kg 12L シート高790mm ●価格:128万100円

トライアンフ スラクストン1200/R/TFC:ロケットカウルのTFCも登場

カフェレーサースタイルのホットなモデルがスラクストンシリーズ。オン/オフ切替式のABSとトラコン、アジャスタブルサスなど走りを追求した装備を誇り、上級版のRにはショーワ製BPFフォークとオーリンズリヤショック、モノブロックキャリパーが奢られる。さらに’19ではロケットカウルを装備したほか最強の107psスペックを与えられた世界750台限定のTFCも登場した。

【TRIUMPH THRUXTON1200 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 1200cc 97ps 11.42kg-m 226kg 14L シート高810mm ※諸元はSTD/写真はTFC ●価格:160万円~

トライアンフ ストリートカップ:バイザー付きのニューカマー

’19でシリーズに加わった900cc版のストリートレーサースタイルモデル。ドロップタイプのAceバーハンドルや、アルカンターラ素材のブリットシート、そしてメーターバイザーで、スポーティな雰囲気にまとめている。ライドバイワイヤーにABS、オン/オフ切替式トラコンやアシストクラッチといった装備も充実だ。盗難防止のイモビライザーも標準装備となっている。

【TRIUMPH STREET CUP 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 900cc 55ps 8.15kg-m 218kg 12L シート高780mm ●価格:119万9500円

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ヨ

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帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)