第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

10馬力アップでも乗りやすさは健在!

トライアンフ ストリートツイン&ストリートスクランブラー[2019]試乗比較〈前編〉

  • 2019/2/14
TRIUMPH STREET TWIN/SCRAMBLER [2019]

トライアンフのモダンクラシックシリーズの中で、ベーシックモデルと位置付けられる2台が、初のモデルチェンジを敢行。基本的な素性は従来型を引き継いでいるものの、堅実な熟成が行われた’19年型ストリートツインとストリートスクランブラーは、大幅なレベルアップを実現していた。

トライアンフ ストリートツイン[2019]

’16年にデビューしたストリートツインは、あえて旧車的な雰囲気を強調しないモダンクラシック。これまでの3年間を振り返ると、シリーズの中で最も好調なセールスを記録している。

TRIUMPH STREET TWIN[2019]

TRIUMPH STREET TWIN[2019]主要諸元 ■全長2090 全幅785 全高1114 軸距1415 シート高760(各mm) 車重198kg(乾) ■水冷4スト並列2気筒SOHC4バルブ 900cc 65ps/7500rpm 8.16kg-m/3800rpm 変速機5段 燃料タンク容量12L ■ブレーキ形式 F=ディスク R=ディスク タイヤサイズ F=100/90-18 R=150/70R17 ●価格:105万600円

TRIUMPH STREET TWIN [2019]

ストリートツイン:前後方向からの眺めは従来型と同様だが、ヘッドライトのリムはシルバー→ブラックとなり、シート後部にはメーカーロゴが追加されている。タイヤはF=バイアス、R=ラジアル。

TRIUMPH STREET TWIN [2019]

ストリートツイン:(左から)マットアイアンストーン、コロッシレッド、ジェットブラック

トライアンフ ストリートスクランブラー[2019]

’17年から発売が始まったスクランブラーは、’60 年代に世界中で大人気を獲得した、T120TTやTR6トロフィーのイメージを継承している。

TRIUMPH STREET SCRAMBLER [2019]

TRIUMPH STREET SCRAMBLER[2019]主要諸元 ■全長2125 全幅835 全高1180 軸距1445 シート高790(各mm) 車重198kg(乾) ■水冷4スト並列2気筒SOHC4バルブ 900cc 65ps/7500rpm 8.16kg-m/3800rpm 変速機5段 燃料タンク容量12L ■ブレーキ形式 F=ディスク R=ディスク タイヤサイズ F=100/90R19 R=150/70R17 ●価格:128万100円

TRIUMPH STREET SCRAMBLER [2019]

右2本出しアップマフラーとワイドなアップハンドルが、個性を主張するスクランブラー。社名が入ったヘッドライトバルブキャップやLEDテールランプは、ツインとの共通部品。

TRIUMPH STREET SCRAMBLER [2019]

ストリートスクランブラー:(左から)カーキグリーン×マットアルミニウム(ジェットブラックのコーチライン付き)、クランベリーレッド、フュージョンホワイト   

試乗比較〈前編〉:あらゆる要素で従来型の性能を凌駕

【TESTER】中村友彦(なかむら・ともひこ):新旧トライアンフに精通した、雑誌業界23年目のフリーランス。かつては、’76年型T140ボンネビルや、’10年型デイトナ675を愛用。

’15年秋の発表時は5機種だったものの、以後の3年間で多彩なバリエーションモデルを追加し、昨今では10機種以上をラインアップに揃える、第二世代のトライアンフ・モダンクラシックシリーズ。その拡大路線は今後も続くようだが、4年目を迎えるにあたって、同社は2台のベーシックモデル、ストリートツインとストリートスクランブラー(以下、ツイン、スクランブラー)を大幅刷新。ラインナップの拡大のみに傾倒せず、既存のモデルを丁寧に熟成する姿勢は、大昔から続く、トライアンフの伝統と言えるだろう。

新型ツインとスクランブラーに共通する主な変更点は、(1)900HTと呼ばれるエンジンの最高出力が55ps/5900rpm→65ps/7500rpmに向上、(2) スロットルレスポンス/ABS/トラコンのレベルを切り替えるライディングモードを導入、(3)フロントブレーキキャリパーをニッシン2ポット→ブレンボ4ポットに刷新、(4)KYB製φ41mmフォークに新型カートリッジダンパーを採用など。では2台のベーシックモデルの乗り味が、どんな変化を遂げたかと言うと…。

ムチャクチャよくなっていた。実を言うと、第二世代のモダンクラシックシリーズは、必ずしも大は小を兼ねないところがあって、僕は以前から、ベーシックという位置づけの900cc各車に対して、上位機種の1200cc以上の好感を抱くことが少なくなかったのだが、エンジンパワーや足まわりの質感という面では、900cc各車に多少の物足りなさを感じていた。でも大幅刷新を受けた’19年型は、そういった不満を見事に解消していたのである。

まずはエンジンの説明をすると、低中回転域の鼓動感(振動の残し方が実にいい塩梅)、高回転域の心地のいい伸び、全域で感じる滑らかな吹け上がりなど、新型はあらゆる要素で従来型を上回っていた。スペックを見るぶんには、新型は高回転高出力型という印象を受けるものの(ツインに関しては、最大トルク発生回転数も3230→3800rpmに上がっている)、実際のフィーリングにそういった気配はほとんどなく、従来型以上に、日常域での充実感が得やすくなっているのだ。

TRIUMPH STREET TWIN [2019] TRIUMPH STREET SCRAMBLER [2019]

(上)ストリートツイン(下)ストリートスクランブラー:新規採用のマグネシウムカムカバーが目を引く、’19年型ツインとスクランブラーのエンジンは、軽量クランク/バランサーシャフトを導入。圧縮比が10.5→11.0:1になったことを考えると、ピストンかヘッドも改良されているはずだ。ライディングモードはツインがROAD/RAINの2段階で、スクランブラーはOFFROADを加えた3段階。クランクケース左右の丸型カバーは各車各様。タンデムステップブラケットは、ツイン:溶接、スクランブラー:ボルト留め。

なお第二世代のモダンクラシックシリーズが搭載する並列2気筒は、いずれもクランクシャフトの位相角が270度で、この角度は昨今の流行である(元祖はヤマハだが、近年ではホンダやBMWなども採用)。でも鼓動感の演出という点なら、僕はトライアンフがナンバー1だと思う。

続いては車体についてだが、新型はスポーツライディングが楽しくなったうえに、乗り心地が良好になった。それはもちろん、フロントフォークとブレーキキャリパーを刷新した恩恵で、峠道では従来型より無理が利くし、長距離走行は従来型より明らかに快適。

TRIUMPH STREET TWIN [2019] TRIUMPH STREET SCRAMBLER [2019]

(上)ストリートツイン(下)ストリートスクランブラー:カヤバ製ショックのホイールトラベルは前後120mmで、この数値は2台に共通だが、バネレートとダンパー特性は異なる。フロントホイールのサイズは、ツイン:2.75×18、スクランブラー:2.75×19で、リアはいずれも4.25×17。フロントキャリパーはブレンボ製4ポット。

という感じで、いいことだらけの新型だが、今回の試乗で唯一、僕がもったいないなあ……と感じたのは、ツインのタイヤが、従来型と同じピレリ・ファントムだったこと。クラシックな雰囲気のこのタイヤは、積極的な荷重をかけると良好な反応を見せてくれるものの、まったり走っているときの接地感がいまひとつ。もっともこの点については、アフターマーケット製に変更すれば簡単に解消できそうなので、大きな問題ではないだろう。

【後編へ続く】

※ヤングマシン2019年2月号掲載記事をベースに再構成
●文:中村友彦 ●写真:真弓悟史

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カサ いわゆる"Web担"的黒子

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研二くんのゼッツーに憧れるも手が届かずZ400GPで卒輪(そつりん)した"自二車は中型二輪に限る"世代。あれから30余年を経てまさか再び二輪の世界に触れることになろうとは人生何が起こるかわからんもんだ(笑)