マシン・オブ・ザ・イヤー2018
ダートバイクとしてもハイポテンシャル

トライアンフ2019新型スクランブラー1200XEがバハ1000に参戦

2018年10月24日、トライアンフが新型スクランブラーXE/XCを発表した。水冷化に際して登場したストリートスクランブラーの900ccに対して1200㏄へと排気量を拡大するとともにオフロード性能を大幅にアップさせている。

スクランブラーというよりアドベンチャーバイク

空冷時代と同じスクランブラーの名が復活。さらに、新型スクランブラーは排気量を900→1200㏄に大幅アップするとともに、足まわりや電子制御を強化して登場した。オフロード性能を重視したXEは前後250mmのホイールトラベル(XCは200mm)を確保し、XE/XCともにフロントには21インチのスポークホイールを採用。ここまで来るとスクランブラーというよりアドベンチャーバイクの装備で、ファッション性が重視されるネオクラシックモデルにあって、性能面でも本気の作り込みが見られるのがユニークだ。

リヤショックを供給するオーリンズの担当者は、「新型スクランブラー1200に装備されるリアショックユニットは、’70年代初頭のモトクロスツインスプリングのデザインからインスピレーションを受け、ロングトラベルサスペンションの性能が新たな次元へ到達しています。 我々の試験チームが驚愕したのが、新型スクランブラー1200の性能です。今までに試験してきたどのアドベンチャーバイクよりもオフロード性能に優れたモデルであると自負しています」と語っているのだ。

【TRIUMPH SCRAMBLER 1200 XE 2019年型】姿勢角センサーを装備しABSやトラコンの制御に活用する他、ロングスイングアーム&ホイールトラベルでオフ性能を強化した上級仕様。他にもグリップヒーターが標準になるなど、XCと装備が異なる。

【TRIUMPH SCRAMBLER 1200 XC 2019年型】基本構成はXEと共通としつつ、デュアルパーパスモデルとして位置づけられるXC。1200㏄エンジンやブレンボ製M50ラジアルマウントキャリパーなどで、ロードでもレベルの高い走りが期待できそう。

果たしてバハ1000を走り切れるのか?!

その自信の現れが、新型スクランブラー1200の発表会でアナウンスされたバハ1000への参戦だろう。マシンは、スクランブラー1200XEをモディファイしたスクランブラー1200レーサーで、参戦する「Score International Baja 1000 Rally」はカリフォルニア/メキシコ半島で開催される究極のノンストップ砂漠レースとされている。ネオクラシックのスクランブラーモデルに1000マイル=約1600kmのダートレースを走り切るポテンシャルが必要かどうかはさておき、スクランブラー1200は実性能も備えた新ジャンルとして提案されたモデルと言えるだろう。

【TRIUMPH SCRAMBLER 1200 RACER】XEをベースに製作中のバハ1000参戦用のレーサー。タイヤがカルー3に変更されているが、タンクやマフラーがSTDのままなので、まだまだこれからカスタムが進むと思われる。

XE、XCどちらのモデルも最新世代のTFTフルカラーディスプレイを搭載。Googleによる内蔵型ターンバイターンナビゲーションシステムをバイクメーカーで初めて導入し、アクセサリーとして装着可能なBluetooth接続モジュールを通じてTFTディスプレイ上に方向指示アイコンが表示される。また、電話や音楽も表示&操作可能だ。

アップタイプの右2本出しマフラーはスクランブラーならではのスタイル。エンジンは水冷並列2気筒の270度クランクで、1200㏄に拡大された。最高出力は90psで、2019年型で10psアップとなったストリートスクランブラー(900㏄)の65psを大幅に上回っている。クラッチレバーの操作を軽くするトルクアシストクラッチを採用。

XE、XCともにフロントはSHOWAの倒立(XE=径47mm、XC=45mm)、リヤはオーリンズ製の2本ショックを採用。ホイールトラベルはXEが前後250mm、XCが前後200mmと異なっている。

アルミ製のスイングアームはXEが579mm、XCが547mmでEXが32mm長い。タイヤはメッツラーのツアランスを採用。前後ともクロススポークホイールでタイヤはチューブレスだ。

XE、XCともにブレンボ製M50モノブロックキャリパーに径320mmブレーキディスクをダブルで組み合わせる。オンロードモデル並みの装備と言える。

シグネチャーDRL(デイランニングライト※仕向け地による)を含むフルLEDヘッドライトを採用。名はスクランブラーだが、アドベンチャーモデルとして考えると丸目は希少だ。

タンク容量は16L。写真はXEのフュージョンホワイト×ブルックランズグリーン。XCはツートーンカラーとなる。

左上はXCのジェットブラック×マットブラック、左下はXCのカーキグリーン×ブルックランズグリーン。右上はXEのフュージョンホワイト×ブルックランズグリーン、右下はXEのコバルトブルー×ジェットブラック。


「トライアンフ ストリートツイン vs ヤマハXSR700」記事はこちらへ。

いち

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本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

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