しっかりと躾けられた空冷デスモドロミック

ドゥカティ・スクランブラー1100スペシャル試乗インプレッション

  • 2019/2/25
DUCATI SCRAMBLER 1100 SPECIAL [2018]

ドゥカティ・スクランブラー最大排気量の長兄・1100シリーズは、専用車体に1100ccエンジンを搭載し、IMUを用いたトラコンやコーナリングABSも装備。強豪揃いのリッター級ネオクラに立ち向かう。今回はスクランブラー1100スペシャル(’18)の試乗インプレッションをお届けする。

車体を刷新しホイールベースも延長したスクランブラー1100スペシャル

今回試乗したスクランブラー1100スペシャルは、800シリーズと同レイアウトながら、スチールパイプの直径や肉厚を変更した新フレームを採用。またスイングアームも専用設計。その結果ホイールベースは69mm延長されており、フロント荷重が増え、よりスポーティなハンドリングとなる。また、スポークホイールやクローム仕上げの排気管なども有する。

DUCATI SCRAMBLER 1100 SPECIAL [2018]

【DUCATI SCRAMBLER 1100 SPECIAL [2018]】主要諸元■全長2190 全幅920 全高1290 軸距1514 シート高810(各mm) 車重211kg(装備) ■空冷4ストV型2気筒SOHC2バルブ 1079cc 86ps/7500rpm 9.0kg-m/4750rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量15L ■ブレーキF=Wディスク R=ディスク ■タイヤF=120/80ZR18R=180/55ZR17 ●カラー:カスタム・グレイ ●税込車両本体価格:174万8000円

DUCATI SCRAMBLER 1100 SPECIAL [2018]

【空冷1079ccは低中速を重視】2つのサブバタフライとインジェクターを備えたφ55mmの電子制御スロットルやツインスパークの採用、エアクリーナーボックス形状の見直しやバルブオーバーラップの変更などで、エンジンキャラクターはトルク重視型に

DUCATI SCRAMBLER 1100 SPECIAL [2018]

【足回りも格段に強化】フロントタイヤは800よりもワンサイズ太い、専用の120サイズを採用。リヤは800と同サイズのままだ。倒立フォークは800のφ41mmから、φ45mmのフルアジャスタブルに

DUCATI SCRAMBLER 1100 SPECIAL [2018]

【メーターは1100専用】IMU採用によるトラクションコントロールやコーナーリングABS、新採用の3つのライディングモードは、新作のメーターで管理と設定が可能

DUCATI SCRAMBLER 1100 SPECIAL [2018]

(左)ヘッドライトはX型グリルを持つ専用品。LEDデイタイムランニングライトも採用(日本仕様は非装備)(右)シート下2本出しのマフラーも1100の特徴。写真のスペシャルはアルミフェンダーや専用シートを装備。

DUCATI SCRAMBLER 1100 SPECIAL [2018]

800シリーズからシート高は20mm高くなった810mm。しかし足着き性は良く、両足のカカトが少し浮く程度(身長170cm、体重68kg)

DUCATI SCRAMBLER 1100 [2018]

(上)スクランブラー1100スペシャル[174万8000円](下左)快適ライポジのベース機種・スクランブラー1100[158万4000円](下右)前後オーリンズのスポーツ仕様・スクランブラー1100スポーツ(183万5000円)

(○)ドゥカティらしい荒々しいエンジンの鼓動感

【TESTER:河野正士(こうの・ただし)】フリーライター。二輪雑誌の編集者を経てフリーに。EICMAや海外カスタムバイクイベント、また国際試乗会などに参加する。

カジュアルでシンプルなドゥカティの世界を味わうために構築されたスクランブラー・ブランド。コンパクトなエンジンとフレームを採用したスクランブラー・ファミリーの各モデルは、その世界観とプロダクトが合致し、世界中で成功を収めた。

そんなスクランブラーに、1100ccエンジンと電子制御技術を搭載したモデルが必要なのだろうかという声は、発表された2017年のミラノショーでも聞こえてきた。しかしスクランブラー1100を走らせると、ドゥカティのスポーティさと、スクランブラーのカジュアルさが見事に融合していた。それには新型エンジンと高剛性の新型フレーム、それらを使いこなすための電子制御技術が不可欠である。

エンジンは「モンスター1100 EVO」用がベース。吸気系の変更とともに16度に設定したバルブオーバーラップによって、最大トルクを4750rpmという常用回転域で発生させるなど、エンジンキャラクターは大幅に変更している。

そのエンジンこそが、スクランブラー1100のキャラクターの源だ。アクセルをジワッと開けたりパッと開けたり、そんなライダーのイメージにエンジンがしっかりと反応し、その分だけ車体を前に押し進める。そのときのエンジンの鼓動は、空冷デスモドロミックの特徴でもある、少し荒々しい、ザラッとした爆発感なのだ。

そしてその個性的なエンジンこそ、昨今盛り上がりを見せるネオクラシック・カテゴリーでスクランブラー1100が存在感を高めるためのキーポイントとなる。ネオクラシックは、エンジンが個性の源。そんななかにあって大排気量空冷デスモドロミックは、見た目も乗り味も唯一無二である。

また専用設計されたフレームとスイングアームにより、800cc版よりも大幅にホイールベースが延長されている。しかしそれは前輪荷重を増やし、よりスポーティな走りを可能にしているのだ。車体に関して言えば、少しモンスター・ファミリーに近づいたと言っても良いだろう。

スポーティなハンドリングに、ドゥカティ味が濃い目のエンジン。これがスクランブラー1100である。

(△)足まわりはしっかりとしたナラシが必要

近年のドゥカティ・モデルは、新車時にサスペンションの動きが硬い傾向にある。したがって単に距離を伸ばすのではなく、サスペンションの動きを意識した、メリハリの効いたナラシ走行が必要となるだろう。

こんな人におすすめ:気負わず乗れるけどドゥカティらしさ満載のネイキッド

ドゥカティのラインナップのなかでも、空冷L型2気筒最大の排気量を持ち、エンジンの個性はピカイチ。デスモドロミック特有のピックアップの良いエンジンながら扱いやすく、ドゥカティ初心者からベテランまで満足できるはずだ。

●まとめ:河野 正士 ●写真:ドゥカティ

※ヤングマシン2018年9月号掲載記事をベースに再構成

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カサ いわゆる"Web担"的黒子

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研二くんのゼッツーに憧れるも手が届かずZ400GPで卒輪(そつりん)した"自二車は中型二輪に限る"世代。あれから30余年を経てまさか再び二輪の世界に触れることになろうとは人生何が起こるかわからんもんだ(笑)