大技ナシ&疲れナシ! 30年間公道無転倒・丸山浩がレクチャー

絶対に転ばない!?ライテク講座・極低速編#3〈発進〉

  • 2019/4/22
丸山浩の絶対に転ばないライテク

『ヤングマシン』のテスターとして、30年以上にわたりさまざまなバイクに試乗しまくってきた丸山 浩氏は、「30年間公道無転倒」という実績を持つ。その奇跡のヒミツを明かす本講座の第3回、早くも大きな山場がやってきた。エンジンをかけて、発進…!! 静からから動への移り変わりは繊細な操作が必須。わずかな気の緩みさえも許されない。

↓〈先に#2 乗り降り〉を読む↓
絶対に転ばないライテク

講師:丸山 浩(まるやま・ひろし)年齢を重ねるごとにどんどん元気になっていく本誌メインテスター。普段はレースやスポーツライテクで”カッコよさ”を魅せているが、今回はあえて封印。極低速で転ばないために必要とされる泥臭くて実直なテクニックを徹底披露する。

エンスト上等。”基本直立”で立ちゴケは防げる

オレ・丸山浩に言わせてもらえれるなら、「エンストなんか、するのが当たり前」と思っておくべきだ。

なぜかって? 転倒を絶対に避けるためには、自分のテクニックさえも信用してはならないからだ。

どういうことか、もう少し詳しく説明しよう。オレもテスターとしてさんざんいろんなバイクに乗っているから、すぐにクラッチのクセをつかむ自信は多少はある。でも、その自信に溺れるつもりはサラサラない。常に「クラッチワークをミスしてエンストするかもしれない」と身構えておくのだ。

慣れないバイクでは、オレだってエンストすることはある。でも転ばない。よく考えてほしいんだけど、エンストと転倒は別モノだ。エンストしたからって必ず転倒するワケじゃない。

じゃあどうするか。発進する時には、バイクを必ず直立させておく。たったそれだけのことだ。これで、エンストと立ちゴケを切り離すことができる。車体が垂直になっていれば、傾きようがなく、倒れる心配もないんだ。

クラッチミートに細心の注意を払うのは最低条件。そのうえで、クラッチミートをミスッてカクンとエンストしたとしても転ばない体勢──直立状態を作り上げておく。この2段構えが絶対に転ばないために欠かせない。

転ばないためには、自分すらも信じない。”魔の3秒間”には人為的ミスが起こりやすいから危険なのだ。

丸山流はクラッチ内2本掛け

転倒を避けることが最大の目的だから、型にこだわる必要はない。基本的には自分の操作しやすいようにクラッチレバーを握ればいい。意識しておいてほしいのは、クラッチ操作にだけ集中するのではなく、ハンドルを保持することだ。グラリと来た時に半クラを当てて回避するワザもあるが、それはかなり高度。基本はハンドルでこらえることになる。だからオレは外2本指でしっかりとハンドルを掴んでいる。

丸山浩の絶対に転ばないライテク

人差し指と中指でクラッチレバーを操作し、薬指と小指でハンドルをキープする。半クラッチのミートポイントはほんのわずかだ。

ざっくり操作は命取り

丸山浩の絶対に転ばないライテク

クラッチをつなぐ操作は、最後の最後までジワジワと丁寧に。バイクは駆動力がかかっていれば安定するから、できるだけ早くクラッチをつなぎたくなる気持ちも分かる。だがスパッとつなぐとエンストしやすいぞ。

半クラ合わせでレバー調整

丸山浩の絶対に転ばないライテク

エンストしないために重要なのは半クラがスムーズに使えること。クラッチレバー調整機構付きのバイクなら、もっとも半クラ操作しやすい位置にセット。

4本掛けで握力温存も

丸山浩の絶対に転ばないライテク

レバーに掛ける指の本数は多いほどラク。ただ4本掛けではハンドルを保持しにくい。その一方、握力を温存できるのも確か。本数を決めず状況に応じて変えるとよい。

車体垂直ならエンストしても転ばない

丸山浩の絶対に転ばないライテク

どんなに注意深くクラッチミートしても、エンストは起こり得る。だからオレは発進の際は車体を直立させておくことを心がけている。車体が垂直なら、エンストでグラついたとしても倒れにくい。

丸山浩の絶対に転ばないライテク

一方、車体が傾いているとその方向にバランスが崩れるので、転びやすいのだ.

トレーニング:アイドリング発進で簡単上達

丸山浩の絶対に転ばないライテク

発進停止時のグラリは、駆動力をかければ安定を取り戻せることも。必要な時にエンジンの駆動力を得られるよう半クラをマスターしよう。コツは、スロットルに頼らずアイドリング&クラッチ操作のみでバイクを発進させること。

…というわけで、次回は「転回」操作についてレクチャーしよう。

●撮影:長谷川 徹
※ヤングマシン2018年7月号掲載記事をベースに再構成

このバイクに関連する記事/リンク

※本記事の内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。

高橋 剛

高橋 剛

記事一覧を見る

カート上がりのバイク野郎。心震わす原稿が得意で、あのスポーツ名門誌・Sports Graphic Numberにも寄稿したりしなかったり。セッティングさえ出れば怖いものなしの隠れ文豪。