大技ナシ&疲れナシ!30年間公道無転倒・丸山浩がレクチャー

絶対に転ばない!?ライテク講座・極低速編#4〈転回〉

丸山浩の絶対に転ばないライテク

『ヤングマシン』のテスターとして、30年以上にわたりさまざまなバイクに試乗しまくってきた丸山 浩氏は、「30年間公道無転倒」という実績を持つ。その奇跡のヒミツを明かす本講座の第4回。極低速ライテクの山場としてハデに取り扱われることが多いUターン。でも冷静に考えれば、ただ安全に向きを変えられればそれでいいってこと。カッコ悪くてもいいじゃないか!


●文/まとめ:高橋剛 ●撮影:長谷川 徹 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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2019/04/22

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丸山浩の絶対に転ばないライテク
絶対に転ばないライテク

講師:丸山 浩(まるやま・ひろし)年齢を重ねるごとにどんどん元気になっていく本誌メインテスター。普段はレースやスポーツライテクで”カッコよさ”を魅せているが、今回はあえて封印。極低速で転ばないために必要とされる泥臭くて実直なテクニックを徹底披露する。

敵は己の焦りと不安。冷静に状況判断すべし

もしや、Uターンを「華麗なテクニック」「極低速の見せ場」と思っていないだろうか? それはあまりにも危険な勘違いだ。その考え、今すぐにでも改めてもらいたい!

Uターンは見世物じゃない。単に進行方向を変えるだけの動作にすぎない。どんな方法でも構わないから、安全に、転ばずに向きを変えることができれば、それでいいのだ。

オレ自身は、「カッコいいUターンをキメてやろう」「見せつけてやろう」といった野心を持ったことは、一度たりともない。これは断言できる。ただの一度もないのだ。

ココ、非常に大事!「カッコいいUターンをしたい」という誘惑に負けないことが、無転倒への大きな一歩だ。

これはオレ独自の考え方かもしれないが、Uターン自体を楽しんじゃいけないんだ。Uターンの目的は、ただ向きを変えること。Uターンそのものに喜びを感じる必要はどこにもない。

Uターンを楽しむということは、Uターンに対して向上心を持つということ。それってつまり、どんどんUターンを追求することであり、リスクを高める方向に陥ることでもある。

パタパタと足を着くことのどこが恥ずかしいって言うんだ? スイッチバックの何がいけないって言うんだ!?

車体が直立してて何がいけない!?

いや、何の問題もない。強いて言うなら、転ぶことだけが問題なんだ。

泥臭かろうがカッコ悪かろうが、徹底的に安全確実堅実に。そんな姿を笑うヤツがいても気にするな! 転ばない者が公道の勝者なのだから。

丸山浩の絶対に転ばないライテク
【プロでも迷わず足出しターンだ!】テスターとして注目を集めるのが宿命だが、ヤバそうな時は迷わず足を出してUターン。カッコ悪いと思われようが一切気にしない。

両足着きUターン:車体を立ててハンドルで曲げる

転ばないUターンの大原則は、車体を立ててハンドルフルロック、そして両足を着くこと。状況によってはエンジンパワーを利用してもよし、足漕ぎでもよし。いずれにせよパタパタとしたUターンだが、これならまず転ばない。カッコ悪いって? どうしてUターンにカッコよさを求めるんだ!? 方向転換できればOKじゃないか!

丸山浩の絶対に転ばないライテク
両足着きUターン
丸山浩の絶対に転ばないライテク

【Uターンあるある:先読み不足で曲げ切れず】Uターンで肝心なのは先読みだ。まず自分がどこに行くのか、その路面はどうなっているのかをしっかり見極めてからアクションすること。先読み不足だとハンドルの切り角が足りなかったり、足を着くポイントを見誤ったり、斜面に迷い込んでしまったりしてオタオタするハメに。

スイッチバックならより確実

道幅が狭かったり上り坂の場合は、迷わずスイッチバックを。ハンドル右フルロックで前進、道路中央付近で左フルロックにして後進、十分に向きが変わったら、再び右フルロックで前進すればいい。道路中央にいる時間が短く慌てずに済むので、普段から使うのもヨシ。

丸山浩の絶対に転ばないライテク
スイッチバックUターン
丸山浩の絶対に転ばないライテク

【坂でのターンなら下りが楽】スイッチバックUターンは上り坂で有利。足漕ぎする後進時が下りになるからだ。一方スイッチバックをしない通常Uターンなら下り坂がやりやすい。自動的にバンク角が深まり旋回力が増す。逆の理屈で、上り坂での通常Uターンは難しい。スイッチバックを!

…というわけで、次回は「停止」操作についてレクチャーしよう。