道交法改正により罰則が大幅強化

ケータイのながら運転、厳罰化へ

警察庁がスマホや携帯電話などの「ながら運転」に対する罰則強化を盛り込んだ道路交通法改正試案を2018年12月25日に発表。1月23日までパブリックコメントで意見を募集した。これは、運転中の携帯電話使用などで発生した交通事故が近年急増したことを受けたもの。’12年の1935件に対し、’17年は約1.5倍の2832件となった。また、携帯電話使用等の違反は、全体の取り締まり件数の約14%にあたる年間90万件と多く、悲惨な事故も起きている。

改正案では、下記の通り、大幅に罰金を引き上げる。携帯電話等で交通の危険を生じさせた場合、従来は反則金(2輪7000円、普通4輪9000円違反点数2点)を支払えば懲役や罰金を免れた。だが、改正後は赤キップとなり、反則金制度が適用されない。さらに携帯電話が原因で人身事故を起こした場合、免許仮停止の対象とする。

一方、手で「保持」していた場合は今後も反則金制度が適用されるが、反則金の上限を引き上げる(2輪=6000円→3万円、普通4輪=8000円→4万円)。これらは、年内に施行される予定。また、離婚で名字が変わった場合などでも免許証の再交付を可能になる予定だ。

現行改正試案
携帯電話の使用などで交通の危険を生じさせた場合=「3か月以下の懲役または5万円以下の罰金」「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」とし、反則金での取り扱いを廃止。
携帯電話保持の場合=「5万円以下の罰金」「6か月以下の懲役または10万円以下の罰金」。反則金を引き上げ。

自動運転に関する規定も盛り込まれた。運転席にドライバーがおり、システムの警告に従って運転者が操作を引き継ぐ「レベル3」(条件付き運転自動化)では、走行中のケータイ使用などがOKに。施行は’20年の予定。

レベル3自動運転中の○と×

○ システムの性能によって認められうる行為テレビや映画鑑賞
携帯電話での通話、メール送受信
両手をハンドルから話した状態での食事、読書、事務作業等
× 不可睡眠、飲酒

※ヤングマシン2019年3月号掲載記事をベースに再構成