2018年10月のインターモトショーから11月のミラノショーにかけて、世界のニューモデルが一気に登場したことは記憶に新しいだろう。WEBヤングマシンでは新車情報を逐一お届けしてきたが、本特集「2019世界の新車総図鑑」にてここまで判明しているラインナップをあらためて整理しておきたい。本稿ではBMWのR1250シリーズ等の2019モデル情報についてまとめた。
[モデルチェンジ]S1000RR/Mパッケージ:可変バルブも投入し、完全刷新を果たす
スーパースポーツ最強の座を目指してフルモデルチェンジ。可変バルブタイミング& 可変リフトの“シフトカム”システムを採用した新エンジンは、MAX207hpを叩き出すと同時に4kgの軽量化も達成。“フレックスフレーム”と呼ばれる新形状のメインフレームは横幅をスリムに仕上げるのと同時にやはり軽量化も目指し、車重全体で11kgものシェイプアップに成功した。フロントカウルは左右対称顔となりヘッドライトはLED化。新型IMUで電子制御まわりはさらに完成度を高めている。Mパッケージは専用カラーにカーボンホイール、軽量バッテリーなどを装備し、車重は193.5kgを達成している。
[新型]R1250GS
BMW伝統の水平対向2気筒=ボクサーツインを搭載したR1200シリーズが、’19では一斉にフルチェンジ。排気量をアップしてR1250となった。この新エンジンには吸気側バルブに可変タイミング&リフト量のシフトカムシステムが導入されている。なお、Rシリーズ筆頭となるアドベンチャーモデルのGSは、’19でLEDヘッドライトや2つのライディングモード、ASC、ヒルスタートコントロールが標準装備となり、総合的な進化を果たしている。
[新型]R1250GSアドベンチャー
ワイヤースポークホイールを持ったGSの本格オフバージョンも1250となった。また、今回のモデルチェンジに合わせてメーターは6.5インチTFTカラー液晶となり、コネクテッド機能にも対応。工場オプションとなる電子制御サスのダイナミックESAも新世代へと進化してより路面に対する応答性を高めている。またオプションではラインディングモードに“Pro”モードも設定可能。トラコンやABSなどを競技レベルに対応するようにできる。
[新型]R1250RS
RSはレンシュポルト=ロードスポーツを表すと言われるフルカウルモデル。こちらもシフトカム装備の新エンジンに加え、2ライディングモード/ASC/ヒルスタートコントロールの標準装備化や、新デザインでのLEDヘッドライト化、コネクテッド機能を持つ6.5インチカラー液晶メーターといったリファインを受けている。カラーバリエーションもベーシックなブラックから、レーシーなイエローメタリック、特別色のOption719Specialなど各種取り揃えられている。
[新型]R1250R
Rシリーズで最もスタンダードなネイキッドモデルとなるR1250R。こちらもRSやGSと同じ内容でエンジン&装備まわりが進化。フロントスポイラーとコクピットカバーは新形状となった。カラバリもRSのようにベーシックなブラックから特別色のOption719、レーシーなHPカラーなど豊富に取り揃えているほか、オプションでスポーツハンドルバーを用意。よりダイナミックなライディングポジションを実現できるようになっている。
[新型]R1250RT
RシリーズでGSに次ぐ存在感を誇るグランドツアラーのRT。R1200時代より11ps増のパワーアップとシフトカムによる低中速域の充実で、より快適な旅が実現する。路面状況に合わせてダンピングを自動調整する新世代のダイナミックESAも工場オプションで設定可能だ。やはりカラーリングは豊富で、ショートスクリーンに鮮烈なレッドをまとった写真のRT Sportといったバージョンなども設定される。なお、RTではフルカラーTFTメーターが5.7インチとなっている。
[新型]F 850GS アドベンチャー
’18モデルとして登場したF750GSとF850GSは、ともに853cc並列2気筒を積んだアドベンチャーで750がキャストホイールのSTD、850がワイヤースポークのオフロード対応版という位置づけだった。’19ではこの850に本格オフロード仕様の“Adventure”が追加。フレームは強度を増した新型となり、サスペンションもハードな走りに応えるものとした。メーターはR1250シリーズと同様の6.5インチフルカラーTFTでコネクテッド機能にも対応する。
[新型]C400GT
’18デビューとなったC400Xの後を追うかたちで’19デビューとなるミドルスクーター。こちらはスポーティなXに対して、長距離走行を念頭にしたグランツーリスモとして位置づけられる。エンジンは34psを発揮する単気筒で、加速時や滑りやすい路面ではトラコン機能のASCが働く。ヘッドライトは視認性の高いLEDが採用された。モノクロ液晶となるメーターは、工場オプションでコネクテッド機能付きの6.5インチカラーTFTタイプにすることも可能だ。
※ヤングマガジン2019年1月号掲載記事をベースに再構成