2018年5月20日、テイスト・オブ・ツクバ SATSUKI STAGEでTeam KAGAYAMAの加賀山就臣選手が優勝した。マシンは自身のチームで製作したカタナレーサー。カタナベースの鉄フレームにGSX-R1000L5系エンジン搭載した新旧ハイブリッド仕様だ。
フレームの上側はカタナのオリジナルを使用
全日本トップチームの一つで、スズキのGSX-R1000などで参戦するTeam KAGAYAMA&加賀山就臣選手が、日本最大の草レースに乗り込んできた。マシンはご覧の通りカタナレーサーで、テイスト最高峰のドーバー・ハーキュリーズクラスに参戦した。ハーキュリーズの規則は主に鉄フレームとT.O.Tらしいフォルムのみという自由さで、これを完全にクリア。Team KAGAYAMAのカタナレーサーはGSX1100Sカタナのオリジナルフレームを元にしており、外装もカタナフォルムを忠実に守る。ハーキュリーズとなると完全オリジナルフレームになるケースも多いが、このマシンはフレーム上側は元祖カタナとし、血統を守った旧車改レーサーなのだ。
エンジンは先代のGSX-R1000を使用
2011年からGSX-R1000で全日本選手権に参戦するTeam KAGAYAMAと加賀山就臣選手。昨年からマシンは現行型L7系にフルモデルチェンジし、それまで使用していたL5系のエンジンがファクトリーに余っていたという。偶然にもカタナのフレームも転がっており、それがテイスト参戦に結び付いたのだ。エンジンと電気系は従来型レーサーのものがフルに使えるので、開発は車体に集中できたことが短期間でのマシン製作を可能とした。エンジンはノーマルでも185psを発揮するが、コンピューターなどはレース用を使うのでそれ以上出ているはず。大きく改造しなくてもテイストではエンジンパワーはトップレベルで、さらにトラコンなども使うことができる電気系ではあるが、加賀山選手の好みもあり今回は電子制御は使っていないという。
【おまけ】こんなカタナあったらいいよねが具現化
本誌2018年2月号(’17年12月24日発売)の初夢スクープとして発信した新KATANA。2017年11月のミラノショーではGSX-S1000ベースのKATANA3.0が欧州発の雑誌企画として製作されており、世界的に復活を求める声は大きい。本誌としてはGSX-S1000ではなく、やっぱりGSX-Rベースでしょう! ということでCGを制作したが、加賀山選手の手によってリアルなGSX-R1000エンジンのカタナレーサーが活躍するというのは全くの予想外。登場から36年を経た今でも多くのライダーに愛されており、最新のカタナが見たいというライダーの声に名プロデューサーが応えてくれたのだ。次戦の活躍も期待!
撮影:真弓悟史
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