9psアップなど細部まで改良された

2018新型CB1300SB新旧比較インプレ

2014年型で5速→6速化など大幅な進化を果たしたCB1300シリーズは、この2018年モデルで排ガス規制に対応するとともにエンジンや足まわり、ユーティリティなどのディテールが改良されている。前回の新旧比較詳細解説に続き、当WEB執筆メンバーの「いち」が新旧比較試乗した。

最大の違いはエキゾーストノート

2017年モデルから2018年モデルに乗り換えても9psアップの違いは分からなかった。新型になって最高出力発生回転数が250rpm上がっているのでその領域まで回せば少しは違いが現れるかも知れないが、6速100㎞/hで約3000rpmというエンジンなので回さなくても十分速いのだ。とは言え「排ガス規制に対応したため出力が下がりました」とせず、その逆を行っている事に意味があるだろう。最も顕著な違いはエキゾーストノートで、これは乗らずともエンジンをかけた瞬間にハッキリと分かる。新型は旧型より音量が大きく、リプレイスマフラーをつけた時のようなサウンドを響かせる。写真で見ても分かる通りサイレンサーが短くなり、内部構造も簡素化されたのだ。走行しての印象も変わりなく新型は官能的な直4フィールをサウンド面でもより楽しめるようになっている。エンジンブレーキ時には「ボッ、ボッ」とアフターファイアー的な音も響かせてくれるのだ(さすがに火は出ていないだろう)。新型最大のセールスポイントはこのサウンド面にあるのは間違いない。

サイレンサーボディは細くしつつ排気口出口は拡大されている新型のサイレンサー。内部も小型2室構造になっている。その他細部に渡る新旧比較はこちらへ。

↓排気音は限定公開の下記YouTube映像の38分22秒以降へ

安心と信頼のブランドは健在だった

今回のモデルチェンジは従来型に乗っているライダーが乗り換えるようなものではなく、新規や何世代か前のCBに乗っているライダーに「安心して新型をお勧めできる」ようにするためのものと言えるだろう。規制対応しつつ着実に進化を果たしており、25年間積み重ねてきたブランドはさらに完成度を高めていることが確認できた。「BMWよりBMWらしい」という定評も聞かれるほど加速、旋回、減速、巡航でここまで安心感のあるバイクはそう見られるものではなく、空力がよく安定感が抜群なので疲労度も少ない。ここまでツアラー力があるのに何故ネイキッド(SBはカウル付きネイキッドと解釈)?! ともったいない気もするが、FJR1300やZX-14Rのようにグローバルモデルではなくガラパゴスモデルとして頂点を極めたところがCBの真骨頂で、日本の交通の中で最適化した250㎏超のキング・オブ・ビッグバイクなのだ。唯一生き残った1990年代ビッグバイクブームの末裔であるCB1300シリーズは、XJR1300やZRX1200ダエグよりもきめ細かく改良が重ねられてきており、最新にして最良。1990年代のコンセプトこそ王道と考えるならば、この2018年モデルが次の規制までの最後の購入機会かも知れないので検討をお勧めしたい。

最上段【HONDA CB1300スーパーボルドール 2018年型】新型から1グレードに統一されたCB1300シリーズは、ETCとグリップヒーター及びABSが標準装備となっている。ちなみにカウルなしのCB1300スーパーフォアは144万7200円だ。排ガス規制をクリアしたFJR1300シリーズ(中段、写真は2018欧州)やZX-14R(下段)と比べると価格帯は低めだ。ヤマハFJR1300は長距離ツアラー、14Rは超高速ツアラーとしての性能に特化しており、明確な機能性を持っている。一方CB1300スーパーボルドールはそのどちらでもなく、万能型。しかし、身長172cmで足着きがベタ足になるなど、国内での使い勝手で最もハマるという側面は見逃せない。

関連記事/リンク

[blogcard url=”https://young-machine.com/2017/10/19/2573/”