扱いづらさがどこにもなく、峠道も街中もスマートに!

「レーシーだけど気軽に乗れる万能系スポーツ!」レーシング女子・岡崎静夏のヤマハ「YZF-R25」試乗インプレッション

「レーシーだけど気軽に乗れる万能系スポーツ!」レーシング女子・岡崎静夏のヤマハ「YZF-R25」試乗インプレッション

「毎日乗れるスーパーバイク」を標榜してきたヤマハ YZF-R25。さらなる熟成が施されたその最新版に、岡崎静夏さんが試乗!


●まとめ:ヤングマシン編集部(田宮徹) ●写真:楠堂亜希、富樫秀明 ●外部リンク:ヤマハ

幅広いライダーを満足させる扱いやすさと優れた旋回性

日本では2025年4月に発売となった’25年型のヤマハYZF-R25は、デザイン刷新と機能充実化を中心とした変更を受けています。

外観上の大きな特徴のひとつは、兄貴分のYZF-R7と同じように、M字ダクトの中にヘッドライトを収めたフロントマスク。今回試乗した偏光パールを用いたホワイトは、車体色もオシャレです!

テールカウルはウイング形状に刷新。リッタークラスの最高峰スーパースポーツを思わせるリヤビューが、高級感アップに寄与しています。

’25年型は、灯火類を含む外装類のデザインを大幅変更。ホワイトの車体色には偏光パールが使われ、光の加減で色味が変化!

全体的にはとてもシャープなデザインで、レーサーのような雰囲気すらあるのですが、じつはライディングポジションはそれほどキツくなく、ロングツーリングにも十分対応できるほど前傾姿勢も緩やかです。燃料タンクは、真上から見るとボリューム感があるのですが、後ろ側の両サイドはしっかり絞られており、組み合わさるサイドカバーとともに、ニーグリップしやすい設計。さらに、ステップには大きなヒールガードが装備されており、足でマシンをコントロールしやすいのも重要なポイントです。

スチール製フレームに搭載されているエンジンは249cc水冷並列2気筒。最高出力は35psで、有り余るパワーという感じではもちろんないのですが、公道で扱い切れるちょうどいい範囲にあります。適度な低回転トルクで発進や極低速域でのコントロールもしやすく、一方で高速道路では高回転サウンドを楽しみながら走れるなど、幅広いシーンで肩肘張らず楽しめる仕様だと感じました。

また’25年型はアシスト&スリッパークラッチが新採用され、レバー形状も見直されたことで、クラッチレバーの操作荷重が従来型より11%低減。これまで以上に軽くスムーズなクラッチ操作が可能で、とくに初心者や女性ライダーには大きな恩恵があると思います。

身長158cmでもカカトが少し浮く程度の良好な足着き性。燃料タンク後端とシート前端が絞られているのが効いています。意外と余裕のある車格ですが、とはいえハンドルが低すぎないので、扱いやすさを感じます。

正直なところ、車体にはこれと言った豪華なパーツが使われているわけではないのですが、トータルバランスに優れていて、嫌な部分がひとつもないというのがスゴいところ。コーナリングでは、フロントブレーキをリリースした直後の旋回力が高く、カーブでふらふらと外側にはらんでしまうような感じがないので、大きな安心感をもたらします。もちろん、ブレーキは前後ともABS付き。その制御、も十分に信頼できるものでした。

レーシーなルックスとは裏腹に、ライポジとエンジンと車体はいずれもフレンドリー。外観はスーパースポーツですが、市街地でもムリなく扱えます。だからこそビギナーにぴったりなマシン……ではあるのですが、それだけではなく、もっと気軽にツーリングを楽しみたいベテランライダーがセカンドバイクとして所有するのにも向いていそう。ルックスもよく、とくにホワイトの美しさと質感は感動的で、満足度が高いと感じました。

【TESTER 岡崎静夏】フル参戦する全日本ロードレース選手権J-GP3 クラスでは、第3戦の決勝レース1で2位獲得。公道でもバイクライフを満喫中!

YAMAHA YZF-R25 車両解説

主要諸元■全長2090 全幅735 全高1140 軸距1380 シート高780(各mm) 車重169kg(装備)■エンジン=水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ 249cc 最高出力35ps/12000rpm 最大トルク2.3kg-m/10000rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量14L ■タイヤサイズF=110/70-17 R=140/70-17 ●色:青、黒、白 ●価格:69万800円

’25年型で、YZF-RのDNAを継承しつつ進化させた新デザインになりました。フロントは従来型よりもロングノーズで、リヤはテールウイング形状と、よりレーシーな雰囲気!

’25年型は、LEDプロジェクターヘッドライトをM 字ダクトに内蔵。その左右に各2 ラインで構成されたLEDポジションランプが配されています。

メーターはモノクロ反転タイプとなり、表示デザインも大幅刷新。専用アプリをインストールしたスマホとの連携機能を新搭載しています。

アルミ鋳造製のハンドルクラウンには、ヤマハフラッグシップスポーツのYZF-R1を思わせる肉抜き加工が施され、レーシーな雰囲気に。

ハンドルが低すぎず、極度な前傾姿勢を強いられないため、パッとまたがった瞬間から扱いやすそうな感触が得られます。

14L容量の燃料タンクは従来型から継承。WMTCモード値による理論航続距離は371kmで、ツーリング時の給油回数が少なめなのも長所です。

サイドカウルをアウターとインナーのレイヤード構造にデザインすることで、大胆なラジエター排熱用アウトレットを設けてあります。

249cc水冷パラレルツインエンジンは、’25年型でアシスト&スリッパークラッチやクリスタルグラファイト塗装を新採用しています。

フロントブレーキはシングルディスクで、キャリパーはアキシャル片押し2ピストン。Y字5×2本スポークのアルミ製ホイールを履きます。

ライダー側シートは幅が最大6mm削減され、片側13mmスリムになったサイドカバーとともに、足着き性向上に貢献。後席はワイドかつ肉厚に。

【動画】「見る角度で色が変わる!」「街乗りもイージー」レーシング女子・岡崎静夏がヤマハ「YZF-R25」に試乗

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