[ハーレーカスタム] ファットボブ114:足まわりの強化で操作も意のままに〈45DEGREES〉

ハーレーダビッドソン|FATBOB114|45 DEGREESカスタム

ハーレーダビッドソンの最新パワーユニット・ミルウォーキーエイトを搭載したモデルのカスタムをお見せしよう! 今回は45DEGREES(埼玉県)が力を入れる、足まわりカスタムを施したファットボブ114だ。


●文:ウィズハーレー編集部(青木タカオ) ●写真:丸山淳大 ●外部リンク:45DEGREES

驚きの軽快性。意のままに操れるFXFBSに

意のままに操れるとは、こういうことを言うのだろう。入力や荷重など乗り手がアクションを意識しなくとも、狙い通りのラインをバイクがトレースしていく。FXFBSファットボブ114がこんなにも軽快だなんて、驚きを隠せない。

もちろんファットボブ114は、M8ソフテイル系(H-D社では“クルーザー”とカテゴライズ)におけるもっともスポーティーなモデルだ。レイク角28度にまでキャスターアングルが立てられ、ノーマルでは前後16インチのファットタイヤを履き、高い旋回性を誇る。

コイツはその上をいく! コーナーでは進入へのアプローチからスムーズに車体が寝ていき、バンク中も落ち着いて切れ込む気配はないし、不安な挙動がない。

前後17インチを試しつつたどり着いたのが、現状のフロント18インチだ。コントラストカットが施されたアルミ鍛造ホイールは、高剛性でハイクオリティなグライド9S。抵抗を極限にまで減らすSTMのベアリングを組み込むことで、車輪はスムーズに回り続ける。スタンドにかけてタイヤを回せば、その差は歴然。驚くほど長い時間、回転が止まらない。

ベアリングは通常5個組み込まれるが、高精度なディスタンスカラーをワンオフ製作し、純正ノーマル同様の4個にしてフリクション低減にとことんこだわった。

エンジンは吸排気系が見直されただけにもかかわらず、前後ホイールがストレスなくスムーズに回るから、チューンナップされたかのようにレスポンス鋭く、車体を機敏に加速させる。

そして、何よりも前後サスペンションが秀逸としか言いようがない。オーリンズのカートリッジダンパーが入った倒立式フロントフォーク、そしてハイパープロの別体タンク付きリヤショックには、コンスタントライジングレートにした45DEGREESスペックのスプリングが採用される。

不等ピッチのスプリングは、バネレートを常に変化させ、柔らかすぎず硬すぎない状態を維持。なめらかな動きで路面追従性に優れ、路面からのインフォメーションも多い。コーナーで高い負荷がかかった時や、ハードなブレーキングでしっかりと踏ん張ってくれるのだ。

バネ下重量が軽減され、フットワークが軽いため、アクセルも積極的に開く。フォワードコントロールをミッドステップに変更しているからだけではなく、制動力に対する信頼性が高いことで、アグレッシブなスポーツ走行に誘われていく。

ブレンボのCNC4ポットラジアルマウントキャリパーは、ビレットアルミCNCマシン削り出しサポートを介して装着。レバーがピストンを垂直に押すことで、ダイレクトかつ繊細な操作性を実現するゲイルスピードのマスターシリンダーによって、ストッピングパワーとタッチは申し分のないレベルだ。

AIMの油圧クラッチもレバー操作を飛躍的に軽くし、ミルウォーキーエイト114は扱いやすく、そして力強い。

見た目にも強烈すぎるほどに存在感があるのは、S&Sチューンドインダクションエアクリーナーキット。上下2本のチューブから空気が効率よく供給され、流量は44%も増加。これにオリジナルのFRPカバーを被せ、ブラックアウトした車体とコーディネイトしている。

フォークオイルや油面、オイルシールといった細かい所にも徹底的にこだわり、ビギナーから熟練まで技量を問わず良さを体感できる足まわりにしているから舌を巻く。M8カスタムにもし興味があるのなら、ぜひ味わっていただきたい。

ハンドルはライザーとともに加工したファットテーパーバー。

フロントフォークは一見ノーマルのようだが、オーリンズのカートリッジダンパーやオリジナルのコンスタントライジングレートスプリングが組み込まれ、インナーチューブは特殊な表面処理が施されている。ステンレスメッシュのブレーキホースはACラインで、4ポットラジアルマウントのブレンボ製キャリパーは、フロントにスピードマーチャント、リヤはミスミエンジニアリングのサポートでマウント。

オリジナルのチンスポイラーはピンストライプ&レタリングで仕上げられた。

構造をワンウェイバルブとした「T-REV」をブローバイラインに割り込ませて、クランクケース内を負圧にし、ピストン抵抗およびクランク回転時の撹拌(かくはん)抵抗を軽減。エンジンブレーキ軽減/振動減少、内部フリクションを取る高度なチューニングを施したような感触のフィーリングになっていることも見逃せない。

※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。

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