ハーレーダビッドソン創業120年を迎える、記念すべき2023年。アニバーサリーモデルがドカーンと複数台登場するのは間違いない! 前編に引き続きWITH HARLEY編集部が登場を予想するのは、直線番長のストリートドラッガー「ブレイクアウト」と、レーシングカラーを身にまとった「スポーツスターR」だ!!
●文:ウィズハーレー編集部(青木タカオ) ●CG:SRD
過去を振り返っても、5年ごとに周年記念の特別仕様車が発売されるのが慣わしのハーレーダビッドソン。限定カラーを身にまとい、専用エンブレムやロゴマーク、シリアルナンバーなどが車体に入り、その年にしか入手で[…]
過去を振り返っても、5年ごとに周年記念の特別仕様車が発売されるのが慣わしのハーレーダビッドソン。限定カラーを身にまとい、専用エンブレムやロゴマーク、シリアルナンバーなどが車体に入り、その年にしか入手できないプレミアムな仕上がりとなるのだ。
そして、節目となるイヤーモデルなだけに、ニューモデルが前触れもなくデビューしたり、新たなテクノロジーが搭載されているケースも少なくない。そこで「120周年モデル発表直前大胆予想」として、WITH HARLEY編集部では4機種をイメージし、CG(コンピュータ・グラフィックス)にて画像化した。2023年、まもなくリリースされる120周年アニバーサリーモデルたちはいったいどんなものなのか……!? 妄想を膨らましつつ、語り尽くしたい!
120周年記念モデル予想CGの後編は、ロー&ロングの低く身構えるスタイルに、極太のワイドタイヤをリヤに履くストリートドラッガー「ブレイクアウト」。そして2023年の新生スポーツスターには”R”の称号が復活する予感がしてならない!
ブレイクアウト:10周年を合わせ原点回帰&飛躍!
ソフテイルモデルにおいて屈指の人気を誇り、今やラインナップに欠かせない存在となっているブレイクアウト。初代は’13年式のCVOに設定されたFXSBSEで、当時最大排気量となる1801ccのツインカム110Bエンジンを唯一ソフテイルシャーシに搭載した。
アメリカンマッスルカーを想起させる「プロストリート」を車名に冠したのは、’16年式のCVO FXSEでのこと。ブレイクアウト10周年の節目となる23年式=120周年アニバーサリーモデルでこのコンセプトがよみがえり、原点回帰を果たしたら…と、想像するとワクワクせずにはいられない。CG大胆予想3台目にピックアップしよう。
まず、ドラッグスタイルの低く長い車体は、70年代のポンティアック トランザムやプリムス ロードランナーのようなド派手なイエローにペイントされ、半世紀前に登場したFX=ファクトリーカスタムを象徴する“ナンバー1”ロゴがタンク側面に大胆にあしらわれる。
バー&シールドとイーグルを組み合わせた120周年の記念エンブレムはタンク上面に配され、シートに着座するオーナーは視線を下に送るたびに誇らしく想い、手で撫でたくなるのだ。
そして、オーバルレンズのLEDヘッドライトにはスピード感あふれるビキニカウルがセットされ、ふてぶてしい印象のフロントマスクをより強調する。
ローライダーSTではレイク角を28度に立たせ、旋回性もバランス良く引き出したが、ブレイクアウトでは34度にまで寝かせて直進安定性を重視した。フロントは大径21インチのホイールに130mm幅のタイヤを履き、リヤは240/40R18と図太い。
そのスタイルが示すように、直線番長であることがこのモデルの持ち味であると言ってもいい。アクセルを開けたとき、右手のスロットル操作と駆動輪が直結したかのようなダイレクトな加速フィーリングが味わえ、ワイドタイヤが路面を力強く蹴り飛ばし、ドラッグレーサーのように車体を強烈すぎるほどに前へダッシュさせるのだ。
冒頭でも述べた通り、ブレイクアウトはこの10年間で唯一無二のなくてはならない存在となり、現代のファクトリーカスタムFX系における中心的存在に成長した。長きに渡って主役を担ったローライダーが、Sモデルのみとなってパフォーマンスクルーザーとしての新境地を切り拓き、さらにSTでニューフェアリングを獲得し伝説が再び始まるように、ブレイクアウトもまた飛躍のタイミングを迎えているのではないだろうか。
CVOブレイクアウトがそうだったように、心臓部は最強パワーユニットであるべきで、搭載するVツインエンジンをミルウォーキーエイト117にバージョンアップし、スポイラーでそれを引き立てる。エルボー型のハイフローエアクリーナーは’22年式のSTシリーズを踏襲するものの、エレメントは車体色に合わせた専用パーツを奢り、差別化したい。
また、全身がブラックアウトされるなか、キャストホイールのスポーク付け根が切削光輝加工され、コントラストで魅せるほか、黄金色のロワーロッカーカバーやプッシュロッドカバーがスクリーミンイーグルのキットを組み込んでいることを一目瞭然にさせている。スクリーミンイーグル117を積み、ブレイクアウトがSTシリーズと双璧をなすモデルへ昇華だ!!
XG1250R:新生スポーツスターに“R”の称号再び!
ダートトラックレーサーの息吹を感じるモデルが存在した空冷時代のスポーツスターのように、新生スポでもXG750R譲りのレーシングカラーに身を包んだ“R” の称号持つモデルの登場をファンとしては願うばかりだ!
XLスポーツスターとフラットトラックレーサーXR750がそうだったように、新生スポーツもまたダートトラックを駆けるXG750Rの遺伝子が組み込まれている。空冷時代は、ワークスカラーを身にまとった883Rがダートトラックのムードを色濃く残していたが、それをいま甦らせるとするのなら、モデル名は「XG1250R」しかないだろう!
ハーレーダビッドソンのレーシングスピリットを受け継ぐチェッカーグラフィックスをタンクにあしらい、心臓部は次世代スポーツスターのレボリューションマックス1250T。ナイトスター同様、フロント19インチに細身のタイヤを履き、ハンドリングはクセがなくニュートラルかつ軽やか。電子制御のライディングモードを“パワー”に設定すれば、俊敏なスロットルレスポンスでグイグイ加速していく。ミッドコントロールによって、ホールド性が上がったライディングポジションで自在に操れるのだ!!
予想CGで描いた120周年アニバーサリーモデルでは、伝統を感じる専用エンブレムをサイドカバーに配し、プレミアムな記念車であることを強調した。
しかし、かつてのパパサンがそうであったように、あくまでもシンプルでカジュアルであることを忘れず、装飾は最低限にとどめている。ハーレーダビッドソン120年の歴史上、もっとも息の長いモデルがXLスポーツスターであった。軽快で取り回しがしやすく、ビギナーにもやさしい。
1957年に初代が登場して以来65年、ビッグツインモデルとは似て非なるシリーズとして愛され続けたが、扱いやすさやフレンドリーさはスポーツスターが持つ魅力のほんの一部であり、真の醍醐味はそのネーミングが示す通り、スポーツ性能の高さにある。
高回転に有利な4カムや一体式ミッションなどが空冷時代の優位性であったが、レボリューションマックスではハイパワーを生み出すDOHC4バルブであることに加え、全域で燃焼効率を高める可変バルブタイミング機構を採用。スポーツスターSでは121PS(米国仕様)もの最高出力を発揮するのだから凄まじい。
長きに渡ってXLスポーツスターが、1200と883の2本立てだったように、新生スポーツもまた排気量を2つ設定した。同様の3分割構造のシャーシをプラットフォームにしながら、リヤサスペンションをモノショックにし、ステップをフォワードコントロールにした1250cc版がスポーツスターS、ツインショックでミッドステップの975cc仕様をナイトスターとしている。
しかし、この布陣はまだ序章に過ぎないのは明らか。スポーツスターはビッグツインモデルとともにハーレーダビッドソンを代表するブランドであり、総勢9モデルにまでラインナップを増やしたこともかつてはあった(14/15年式)。
創業120周年の記念イヤーである2023年は1250と975、それぞれにバリエーションモデルが加わってくるはずで、走りに重きを置いた「R」の称号を持つシリーズのフラッグシップの登場を期待せずにはいられない。それはXL1200RロードスターやXR1200のカムバックであり、スポーティーさを猛アピールすることで、我々ファンもまた生まれ変わった水冷スポーツに対する視線がますます熱気を帯びると考えられる。登場を待っている!!
動画はこちら↓
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