
どんなに時間が経とうが、その輝きを失わない物がある。モーターサイクルに対する確固たる信念と溢れる情熱でつくられたハーレーダビッドソンもその一つだ。アメリカの工業製品が高性能と洗練されたデザインで世界を席捲した1930~60年代に生産されたモデルは、旧き佳き時代の象徴として人々を魅了してやまない。大阪のセンバモータースに保管されている貴重なコレクションの一部を6回に渡って紹介してきた。最終回はリジッドフレーム&パンヘッドの時代に油圧式テレスコピックフォークを装備した1949年式ELだ。
●文:ウィズハーレー編集部(青木タカオ) ●写真:藤村ノゾミ ●外部リンク:センバモータース
リジッドフレームにパンヘッドを積む時代。油圧式テレスコピックフォークを獲得!
スプリンガーフォークだったフロントサスペンションを、戦前から開発してきた油圧(ハイドロ)のテレスコピック式フォークに進化させたのが、1949年のハイドラグライド。
テレスコピック式フォークは、インナーチューブがアウターチューブに出入りして、テレスコープ(望遠鏡)のように伸び縮みし作動する。
ハードクローム・メッキを施す技術がまだなかったため、インナーチューブをむき出しにすると石が当たるなどして容易く傷ついてしまうためフルカバーにした。
モーターサイクルは単なる機械ではない。そう感じるのなら、付き合い方がいいのだろう。効率を求めた大量生産からは、決して感じることができないエンジニアの思い、そしてプロダクツに感じるスピリットを受け止められるとき、ヴィンテージハーレーの世界が広がっていく。 [写真タップで拡大]
太くたくましいフロントエンドを演出するため、現行車でもこのスタイルが踏襲されているが、ルーツはここにある。
1958年にリヤサスペンションとスイングアームを備えるデュオグライドとなるから、この構成は9年間しか見ることができなかった。リヤサスを持たないリジッドフレームは、フレーム自体のしなりとシート下の緩衝装置によってサドルが上下動し、路面からの衝撃を吸収する。
この頃、ハンドル右にレバーはなく、フロントブレーキレバーが左に備わる。ハンドシフトなので、左手ではさらにタンク横にあるシフトノブを動かしてトランスミッションのギヤチェンジ操作をおこなう。クラッチは左足で前後に踏み込むことができるシーソーペダルで操る。
後ろに踏む込むとクラッチが切れ、前に踏み込むと繋がる。ライバルのインディアンでは逆とした。純正では、ニュートラルに入れなくとも足を地面におろせるよう、ペダルが戻らずともロックできるロッカータイプが採用される。1952 年からフットクラッチモデルFLHFが設定されていく。こうしてお宝ハーレーたちを見ていると、話は尽きることがない。
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