
重量級クルーザーを主軸とするハーレーダビッドソンのラインナップの中で、1957年に初代が誕生して以来、そのネーミングが示すとおりスポーツライディングも堪能できるモデルとして支持されてきたスポーツスター。空冷エンジンを水冷化したスポーツスターSへとバトンを渡したが、同じDOHC4バルブの60度Vツインを積む「ナイトスター」もデビュー。ついに乗ることができた!
●まとめ:ヤングマシン編集部(青木タカオ) ●撮影:安井宏光 ●取材協力:ハーレーダビッドソンジャパン
専用設計の975ccエンジンを搭載!
フロント/ミッド/テールセクションが3分割するフレームにセットされるDOHC4バルブ60度Vツインエンジンは、スポーツスターSの「レボリューションマックス1250T」(105×72.3mm)からボア/ストロークを97×66mmに見直し、1252ccだった排気量が975ccとなった。
277cc分の排気量差で生じるスペック上の違いは下記の通りだが、実際にナイトスターに乗って、エンジンに物足りなさを感じることはまずないだろう。
■スポーツスターS
最大トルク:125Nm/6500rpm
最高出力:121HP/7500rpm
■ナイトスター
最大トルク:95Nm/5750rpm
最高出力:89HP/7500rpm
ピックアップ鋭いスポーツモード
スポーツ/ロード/レインの3つのライディングモードを搭載し、スポーツを選べばピックアップが鋭く、3500rpmを超えると力強く高回転まで回っていく。
その一方で、穏やかなレスポンスを見せるレインモードも、街乗りでは心地よく感じる。スポーツスターSやナイトスターのスポーツモードではアグレッシブすぎる、と感じるならレインがいい。もっともこの意見は、空冷時代のパパサン(XL883)の面影を新生スポーツに求めてしまう自分がどこかに潜んでいるからこそ出てくるのかもしれない。
待ってたミッドコン&前輪19インチ!!
だからこそ、フロント19インチの軽快なハンドリングをミッドコントロールで操るのが嬉しくてたまらない。スポーツスターSからフロント17→19インチ化されたことでトレールが減り、タイヤも細くなって身のこなしがいっそう軽い。
それでいて、空冷時代にはなかったフロントへのはっきりとした接地感が伴い、前後の荷重バランスが現代的なものへと進化し、ブレーキを含めコントロール性が飛躍的に向上している。
■スポーツスターS
レイク角:30度
キャスター:148mm
フロントタイヤ:100/90-19
リヤタイヤ:150/80B16
■ナイトスター
レイク角:30度
キャスター:137mm
フロントタイヤ:160/70TR17
リヤタイヤ:180/70R16
取り回しもより軽い
足つき性も抜群にいい。ツインショック化し、新しさの中にトラディショナルなムードも漂う車体は、シート高を60mmも落とし、さらにエンジン排気量、2本出しマフラーを集合にするなどし、車両重量を228→221kgへと軽量化を果たしているから取り回しもより軽い。空冷時代のフォーティーエイトと比較すると、31kgも軽いこととなる。
■スポーツスターS
シート高:765mm
車両重量:228kg
■ナイトスター
シート高:705mm
車両重量:221kg
空冷時代のスポーツスターは長きに渡って1200と883の2本立てだったが、ナイトスターの登場で、新生スポーツもついにその二枚体制が構築されたことになる。暴れん坊なスポーツスターSが兄貴分として、より魅力的に見えるし、よりフレンドリーで気軽に乗れるナイトスターと互いに差別化できている点も見事だ。より詳しい試乗レポートは、あらためて『ヤングマシン』本誌でお届けしよう!
まだあるかもしれない隠し玉!!
となってくると、次はパンアメリカの975ccバージョンか、はたまたEICMA2019で発表されたままになっているブロンクスが出てくるのか!? ハーレーダビッドソンから目が離せない!!
※本記事は“ウィズハーレー”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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