
●文:ライドハイ編集部(根本健)
[A] スリムさや振動などバイク向きだからです
Vツインといえばハーレーが有名。ドゥカティも90°でLツインとも呼ばれてますが、これもVツインのひとつ。海外メーカーは個性を重んじるので、そのカタチからVエンジンを選ぶのでしょうか? というご質問。
バイクのエンジンはまず単気筒から始まりました。これがより大きなパワーとスピードを求めて大型化していくと、熱量や機械抵抗をクリアするため2気筒化されはじめ、1960年代まで主流でした。
この2気筒化で、英国勢は単気筒を横に連結した並列2気筒=シリンダーが垂直にそびえた形式で、バーチカルツインと呼ばれる英国を象徴するカタチを定着させました。
対してアメリカ勢は、単気筒のクランクピンに、もうひとつピストンとコネクティングロッドのセットを加えた、合理的なVツインで大排気量化をスタートさせたのです。
何が合理的かといえば、エンジンにはピストンの上下に往復する運動を回転運動へ変換するクランクがあって、燃焼爆発で押し下げられたピストンを、圧縮側へ上げるのに勢いをつける、錘(オモリ)の役割をするクランクウエブという膨らみがあるのですが、Vツインはこの単気筒のクランクに2気筒分のピストンとコネクティングロッドを共有することができるのです。
このため、クランクの幅はコネクティングロッド1本分だけ広くなる、ほぼ単気筒と変わらないスリムなエンジンとなります……
※本記事は2020年12月23日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ライドハイの最新記事
デビュー時は2スト125で敵ナシ状態! 1982年のヤマハRZ125が生んだムーブメントは、高速道路へ入れないマイナーな125スポーツだったのを、2ストの水冷化で通勤通学だけでなくレースへ興じる層が加[…]
250cc2気筒の水冷Newエンジンだけではないテクノロジーによる軽量化! 1980年、世界中を震撼させたRZ250がリリースされた。 排気ガス規制で1970年代中盤を過ぎると軽くてシンプルな高性能と[…]
50レプリカのフルサイズからミニバイクレースを経てデフォルメフルサイズへ! VR46カラーのTZR50……実はヨーロッパで1997年から2012年まで生産されていたイタリアのミナレリ製エンジンで、現地[…]
20年ものロングランは、ライバルに気をとられない孤高を貫く開発があったからこそ! カワサキは1972年、DOHCで900ccと先行する初の量産4気筒のCB750フォアを上回るハイクオリティなZ1を投入[…]
夏場は100℃超えも珍しくないけれど… いまやバイクのエンジンは“水冷”が主流。安定した冷却性能によってエンジンパワーを確実に引き出すだけでなく、排出ガス/燃費/静粛性の面でも水冷の方が空冷より有利な[…]
最新の関連記事(教えてネモケン)
[A] 猛暑日はライダーへの負担がハンパなく大きい。自分で絶対守る何箇条かを決める覚悟が必須 避けるべきシチュエーション 真夏にバイクに乗る経験がまだ少ない方は、照りつける直射日光と照り返すアスファル[…]
[A] より剛性を高め、スムーズな動きを追求るために開発された フロントのサスペンション機構、“フロントフォーク”には正立タイプと倒立タイプがある…と聞いて、何のこと? と思われた方は、まず写真を見て[…]
[A] 軽いことにデメリットはありません。ただ…好みのバイクに出会えるか? 正直に言って、ボクも大きくて重いバイクの扱いには腰が引けています。乗って走り出してしまえば気になりませんが、停車時の押したり[…]
[A] スポーツ性を追求するなら1本ショック。2本ショックはルックス重視 昔ながらのネイキッド系のバイクの多くが今も2本ショックユニット仕様ですが、これはオートバイらしい伝統的なルックスを重視している[…]
[A] リムの裏側にスポークが貫通しているホイールにはチューブが必要 ご存知のとおり、バイク用のタイヤにはおもにチューブ入りとチューブレスの2種類があります。 チューブ入りはホイールとタイヤの間にゴム[…]
最新の関連記事(メカニズム/テクノロジー)
夏場は100℃超えも珍しくないけれど… いまやバイクのエンジンは“水冷”が主流。安定した冷却性能によってエンジンパワーを確実に引き出すだけでなく、排出ガス/燃費/静粛性の面でも水冷の方が空冷より有利な[…]
LEDのメリット「長寿命、省電力、コンパクト化が可能」 バイクやクルマといったモビリティに限らず、家庭で利用する照明器具や信号機といった身近な電気製品まで、光を発する機能部分にはLEDを使うのが当たり[…]
ケーヒン/ショーワ/ニッシン/日立を統合した“日立Astemo(アステモ)”が4月より“Astemo”へ 自動車業界で「100年に一度」と言われる変革期を迎えるなか、キャブレターや電子制御スロットル、[…]
【冒頭解説】ECUをサスペンションに一体化、フロントフォークに自動車高調整を初採用 2021年1月に日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、ショーワ、日信工業が経営統合して誕生した日立Astemo(ア[…]
ヤマハ発動機と三菱重工業は、200kgの貨物を搭載可能な中型マルチコプター型無人機(以下、中型無人機)の開発に向けた共同研究を行っていることを発表した。 パワーユニットには、ヤマハが2023年にコンセ[…]
人気記事ランキング(全体)
最新の投稿記事(全体)
業界最小・最軽量クラス! まさに「ポケッタブル」な洗車の相棒 2024年7月の発売以来、大型で準備が面倒という高圧洗浄機のイメージを根底から覆してきたのサイン・ハウスの「SPICERR ポケッタブル高[…]
イルマiワンに合う互換ケースの基本スペック MOCUUのイルマiワン用ケースは、フェイクレザー(PUレザー)製で見た目がきれい、手触りも良好です。本商品はケースのみの販売で、本体は含まれません。サイズ[…]
日本シグマックス マックスベルトme ブラック 322403(L)の概要 日本シグマックスが手がける「マックスベルトme」は、腰痛ベルト/コルセット/腰サポーターとして販売されている医療用品カテゴリの[…]
軽量&目立たないデザインで汎用性が高い 「TANAX MOTO FIZZ マルチマウントA φ22.2mm MF-4676」は、パイプハンドルに市販のアクセサリを取り付けるための汎用ステーです。製品サ[…]
“ハーレーの今”がわかる! 現在、ハーレーラインナップの中で人気を二分しているのが、「ブレイクアウト」と「ローライダーST」だ。どちらも1923ccもの排気量を持つ空油冷Vツインエンジン“ミルウォーキ[…]