
●記事提供: ライドハイ編集部 ●文:根本健
カワサキZ1の次は2st.750スクエア4だったが頓挫
KAWASAKI 750 SQUARE FOUR 1973 prototype model
1969年に2ストローク3気筒500ccのマッハIIIで、とてつもないジャジャ馬ぶりの高性能で世界を驚かせたカワサキ。
そして1971年には同じ2ストの3気筒で排気量を750ccまで拡大、TOPスピードが200km/h超えながら荒々しさを抑えたマッハⅣが続いていた。
実はその水面下で750ccの4スト4気筒が開発されていたが、マッハIIIと同じ年にホンダからCB750フォアがデビュー、これに遅れてデビューではインパクトがないとカワサキは排気量を900ccにアップし、さらにDOHC化まで進めて1972年にZ1が登場したのはご存じの通り。
KAWASAKI 750 SQUARE FOUR 1973 prototype model
そしてこのZ1に続くモデルとして開発が進められていたのが3機種。ひとつは6気筒で1,000ccのフラッグシップで、もうひとつは時代で注目を浴びていたロータリーエンジン、そして何と2ストロークのスクエア4という750ccの並列2気筒を前後連結したモンスター。そのどれもが実際に試走をはじめていたのだ。
スクエア4は1回転で4回爆発する独自の構想!
KAWASAKI 750 SQUARE FOUR 1973 prototype model
カワサキの2ストローク4気筒は、1960年代に世界GPで2ストメーカーがこぞって採用していた、両外側にキャブレターを装着したロータリーバルブ2気筒を前後連結した構成ではなかった。
前面投影面積を狭くするためキャブレターはシリンダー後ろへ装着したピストンバルブ吸入で、前後をハイボチェーンで連結して同じ前方回転とし、何と左右クランクを90°位相で組むことで前後2気筒だと1回転に4回爆発する、とてつもないスムーズさを得ていたのだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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