ドゥカティの独自システム”デスモ”ってどこが凄いの?【はじまりは1956年の125ccGPマシン】


●記事提供: ライドハイ編集部

バルブを閉じる側にスプリングを使わない機構”デスモドローミック”

ドゥカティといえば「DESMO」、デスモドローミックと呼ばれる強制開閉バルブが、他のメーカーでは使われていないメカニズムとしてファンには知られている。

通常のエンジンがバルブを閉じる場合、コイルスプリングで引き上げる方式を取る。一方のデスモはロッカーアームを介し、バルブを開ける際と同じようにカム駆動で強制的に閉じる仕組みだ。

この狙いはバルブの強制駆動による安定した高回転化。通常のエンジンが超高回転域に差し掛かると、バルブ内のコイルスプリングが開閉の往復に追従できなくなり、バルブタイミングがズレてピストンと衝突、もしくは吸排のバルブ損傷などが起きるリスクがある。これを避けるための構造がデスモドローミックなのだ。

ドゥカティは気鋭のエンジニア、F1まで30年も画期的な設計を続けたタリオーニ技師によって、125ccGPマシンに初めて採用、超高回転化を具現化したのだった。

排気量が大きくなるほどに高回転化が容易い

ドゥカティはこのデスモのメカニズムをいち早く市販車にも投入。1957年の175Tで複雑なメカニズムで耐久性に疑問を呈する世界に対し、5大陸6万キロを走破してみせた。

また125cc単気筒にはじまるベベル駆動(シャフトで90°方向転換してヘッド上のカム駆動するOHC)をそのまま拡大して’70年代の450デスモへと継承していった。

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