[バイクメンテDIY] 握り工具好きの間で話題のプライヤーレンチ。あの名品に似ているのには理由があった

[バイクメンテDIY] 握り工具好きの間で話題のプライヤーレンチ。あの名品に似ているのには理由があった

掴み工具の中でも汎用性の高さと使い勝手の良さで高い評価を得ているクニペックス。それと瓜二つだと話題になっているのが、アストロプロダクツの新製品「プライヤーレンチ」だ。広い意味ではスパナもラチェットハンドルも基本形状はどのメーカーでも一緒とも言えるが、このプライヤーレンチに関しての“寄せ具合”は、率直に言ってかなりエグい!?


●文/写真:栗田晃 ●外部リンク:アストロプロダクツ

クニペックス製と瓜二つ!? アストロプロダクツの新製品「プライヤーレンチ」

ボルトやナットの2面を隙間なく掴める、平行に移動するジョー、グリップを握る力が増力される独自のジョイント構造、全長に対して著しく広い開口幅など、アストロプロダクツの新製品「プライヤーレンチ」は、本家クニペックスの特長と利点をすべて反映されており、使用感も遜色はない。そのくせ価格はクニペックス製の半額以下。

「本当に大丈夫!?」と余計な詮索をしたくなるほどだ。

しかし実際は、最近になってプライヤーレンチに関するクニペックス社の特許期間が失効し、この基本構造の秀逸さに気付いていたいくつものメーカーから同様の工具が企画/開発され始めている。

そこでアストロプロダクツでは機先を制するべく製品化に踏み切ったのだそう。

ラインナップは、車載工具にも使える全長180mmタイプとガレージ作業に適した250mmタイプの2種類で、ボルトやナットを回したり、曲がったステーの修正やホースクリップを掴むプライヤー代わりにも重宝する。

プッシュボタンで開口幅を調整できるジョイント部分には、グリップを握った力が増力するテコの原理が採用されており、スパナやモンキーレンチのようなガタが生じず、グリップを緩めれば一瞬でリリースできるのも本家譲り。

「それってクニペックスのコピーでしょ」と揶揄するのは簡単だが、180mmタイプで3839円、250mmタイプでも4389円という価格は魅力的。掴み工具のバリエーションを増やしたいサンデーメカニックにとって、注目したいアイテムだ。

【プライヤーレンチ250 PW695/180 PW694「スリップジョイントプライヤーやウォーターポンププライヤーは所有しているし…」という人ほど、プライヤーレンチを使ってほしい。用途の広さを実感できるはずだ。●価格:4389円/3839円

ブレーキのフレアナットは、スパナやモンキーレンチではなめやすいのが弱点だが、グリップを握るほど遊びがなくなるプライヤーレンチなら、平行にガッチリ保持できるためナットを傷めず着脱できる。

グリップを握ればボルトやナットをガタなく掴むことができる一方で、握る力を弱めれば瞬時に開口部が広がるため、ラチェットレンチのような早回し作業にも適している。こうした基本構造を発案したクニペックスには敬意を払うしかない。

ヘッド部分の表裏を見れば、ジョイント部分が3枚合わせ構造であることが分かる。ジョーの開口幅を調整するピン部分がボックス構造なので、グリップにひねる力を加えてもジョーがねじれることはない。

開口調整数は、180mmタイプが15段階で最大開口幅40mm、250mmタイプが19段階調整で最大50mmまで広がる。どの開口幅で使ってもグリップの開閉角度が大きく変化しないため、しっかり掴むことができる。

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