
耐熱ペイントといえば、昔からマフラー補修用塗料が知られているが、現在では単一用途に限らず、熱を持つさまざまな部品にも使える耐熱塗料が増えている。メカニック向けにさまざまなケミカルをラインナップしているヤマルーブにも耐熱塗料がある。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:ワイズギア
エンジンやマフラーなどの高温部品には“耐熱塗料”が基本。手軽な施工で美しく!!
完全にバラバラに分解した部品をひとつひとつ仕上げ、必要に応じてペイント補修してからバイクを組み立て直すと、それはもう「別のバイクじゃね〜!?」と思えるほど美しい仕上がりになるもの。
その作業の作業と合わせて、機能的な部分の修理再生を徹底的に行うのが、いわゆる「フルレストア」と呼ばれる領域だが、バイクを美しく仕上げるにもさまざまな方法や手段があるのはご存じの通り。
「立ちゴケしてエンジンカバーに擦り傷が入ってしまった」といった場面や、「サビが目立つようになったエキゾーストパイプが気になる」といった場合に、シュッとひと吹きすることで気になるキズが目立たなくなり、サビも黒々としたエキゾーストパイプに変身可能。
そんな作業時に扱いやすいスプレーケミカルが、ヤマルーブブランドから発売されている耐熱塗料スプレーだ。
とくにオフロード車の場合は、荒れ地を走り、水溜まりも気にせず駆け抜けるので、気が付くと「エキゾーストパイプからサビが発生していた」といったケースが多々ある。
可能な限り美しく仕上げたいのなら、マフラーを外して周辺部品を分解し(プロテクターやカバーなど)、耐水ペーパー(サビの程度によって240番前後)で可能なかぎりサビ除去してから、ハンディバーナーでエキゾーストパイプを炙って、油分を焼いてからシュッと吹き付けるのが良いだろう。
塗膜の乾燥促進としてのバーナー利用も効果的なので、ヤケドに注意しながら作業進行してみよう。
エンジンに関しても、中性洗剤と毛長ブラシで徹底的に脱脂洗浄した後に、周辺部品を可能なかぎり取り外してフレームなどはマスキング処理。その状態でスプレーすることで、白っ茶けていた耐熱ブラックのエンジンでも美しく蘇るものだ。
仕上がりの良さは、いかに下地を整えておくかになる。完成後のエンジン始動時は、暖機運転を長めに行い、キレイな舗装路をゆっくり走り、エンジン熱で焼き付け乾燥させるのが良い。
【ヤマルーブ 耐熱塗料】容量:各300ml●価格:耐熱ブラック(ツヤなし)2145円/耐熱半ツヤブラック3300円/耐熱クリアー2090円/耐熱シルバー2090円
◆マフラーやエンジン部品のキズ補修や仕上げに利用できるヤマルーブの耐熱スプレーシリーズ。耐熱温度が低い耐熱クリアーは、おもに2ストロークチャンバーの溶接地肌を魅せる仕上げ用で、より高温になる4ストエンジンのエキゾーストパイプには不向きだ。
◆エンジンパーツを単品にできれば、クリーニングや下処理はコンプリートエンジンよりも当然ながら楽になる。一気に吹き付けずに重ね塗りで仕上げよう。
◆高温乾燥器があれば、180℃設定で1時間以上焼き付け乾燥させる。組み立て後もできるかぎりガソリンやパーツクリーナーなどを吹き付けないようにしよう。
◆ここで利用した商品は耐熱半ツヤブラック。読んで字の如く、まさに“半ツヤ”な仕上がりになる。耐熱ペイントのマフラーは、このような質感が多い。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
整備部門に加えて塗装や磨き作業まで社内で行うエルオート。コンディションに応じた最善策で販売車両を製作できるのが最大の強み 数ある絶版車の中で頂点に君臨し続けているカワサキZシリーズ。人気車種ゆえ大物の[…]
メンテナンスで覚えて、カスタムで楽しむモンキー&ゴリラ 今回登場するのは、88ccにボアアップした初期型Z50J-IIIゴリラ(1978)。排気量アップに合わせてキャブセッティングを行う必要性があると[…]
作業環境を整えるアイテムが、ミスを減らして仕上がりを向上させる 塗装好きのサンデーメカニックといえども、整備で使う工具に比べて塗装関連の道具を使う機会は少ないはず。スプレーガンの置き場が定まらずひっく[…]
「失敗したかも…」を最小限に食い止めるアイテムも欲しい 最初から最後までトラブルなく進行すれば文句はないが、ペイントブースを使えない場合、ゴミが付いたり虫が飛んでくることもある。多くのサンメカが経験す[…]
塗装の仕上がりは段取り次第。作業前と作業後に必要な用品にも注目 塗装するパーツが小さなエンジンカバーなのか、ガソリンタンクなのかで、難易度や緊張感は異なるものの、作業に必要な道具には大差はない。エアコ[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
自分のミスではないアクシデントで運命を分ける空気圧! タイヤの空気圧は大事……わかっちゃいるけど、つい面倒でチェックが疎かになりがち。 しかし脅かすワケではないけれど、実は空気圧が適正に保たれていない[…]
メンテナンスで覚えて、カスタムで楽しむモンキー&ゴリラ 今回登場するのは、88ccにボアアップした初期型Z50J-IIIゴリラ(1978)。排気量アップに合わせてキャブセッティングを行う必要性があると[…]
かつてバイク乗りに親しまれていた「解体屋」文化 ボロボロのバイクが無造作に山に(比喩ではなく本当に山積み)なっていて、客は工具を片手にその山に登って部品を剥ぎ取ってきたり、バラした部品を集めてその場で[…]
レバー位置が遠いとチカラが入らないと思いがち フロントブレーキのレバー位置を、握りやすい近い位置にするライダーが多い。とくに手の小さい女性ライダーは指が届きにくいので、遠いレバー位置だとチカラが入らな[…]
サイドスタンドを取り外してハンドル切れ角を制限するサーキット仕様車両への最適解 ツーリングやワインディングを走るのはバイクの代表的な楽しみ方ですが、スポーツライディングの選択肢のひとつにサーキット走行[…]
最新の関連記事(オイル/ケミカル)
汚れに応じて希釈倍率を調整。アルミやメッキも傷めず使用できる 「強力洗浄剤」を謳う洗剤やケミカルは数多く存在するが、ポテンシャルを引き出すには“汚れの種類”を明確にすることが大切だ。 あらゆる物質には[…]
30年以上乗っていないバイクのエンジンオイル交換 「しばらく乗っていなかった」という表現もじつにさまざま。露天放置で長年放置されていた個体と、環境が良いガレージ内で保管されていた個体とを比較すると、そ[…]
メッキング/ミガキング/サビトリキングの三段活用で絶版車のクロームメッキをサビから守る 街乗りはもちろん、ツーリングでも小気味よい走りを見せる、スーパーカブ/クロスカブ/ハンターカブなどのホンダ横型エ[…]
論より証拠!試して実感その効果!! 老舗カー用品ブランドとして知られる『シュアラスター』が展開するガソリン添加剤「LOOPシリーズ」。そのフラッグシップアイテムであるのが『LOOP パワーショット』。[…]
論より証拠!試して実感その効果!! 老舗カー用品ブランドである『シュアラスター』が展開するガソリン添加剤であるLOOPシリーズのフラッグシップアイテム『LOOP パワーショット』。 そのLOOP パワ[…]
人気記事ランキング(全体)
オーディナリーホワイトとアーティザンレッドの組み合わせ カブハウスのSNSでスーパーカブC125の新色が公開された。詳細は記されていないが、1958年以来の“Sシェイプ”デザインに新たなカラーデュオを[…]
Z1、GPz900R、Ninja ZX-9Rから連なる“マジックナイン”の最新進化系 カワサキは昨秋、欧州でZ750→Z800に連なる後継車として2017年に948cc並列4気筒エンジンを搭載したスー[…]
通勤からツーリングまでマルチに使えるのが軽二輪、だからこそ低価格にもこだわりたい! 日本の道に最適なサイズで、通勤/通学だけでなくツーリングにも使えるのが軽二輪(126~250cc)のいいところ。AT[…]
オイルの匂いとコーヒーの香り。隠れ家へようこそ。 56designが4月12日に奈良県奈良市にオープンさせる「56design NARA」。以前から要望が多かったという、同社初となる関西圏の新店舗だ。[…]
自分のミスではないアクシデントで運命を分ける空気圧! タイヤの空気圧は大事……わかっちゃいるけど、つい面倒でチェックが疎かになりがち。 しかし脅かすワケではないけれど、実は空気圧が適正に保たれていない[…]
最新の投稿記事(全体)
“つながる”機能搭載新の7インチTFTディスプレイほか変更多数 ヤマハが新型「トレーサー9 GT」を発表した。これまで上位グレード『GT+』の専用装備だった7インチTFTディスプレイを採用したほか、先[…]
高速も乗れるビベルトライクがさらに便利に ビベルトライクは、自宅のコンセントで充電可能な3人乗り電動モビリティ。道路交通法上「普通自動車」区分に該当するため、普通自動車免許で公道や高速道路の走行が可能[…]
整備部門に加えて塗装や磨き作業まで社内で行うエルオート。コンディションに応じた最善策で販売車両を製作できるのが最大の強み 数ある絶版車の中で頂点に君臨し続けているカワサキZシリーズ。人気車種ゆえ大物の[…]
2ストローク90ccの「CO-29」は、キーレスにポップアップスクリーン採用 1988年に劇場版「AKIRA」が公開された翌年、1989年8月にウェルカムプラザ青山で「MOVE HONDA MOTOR[…]
1位:「モンキー125」で黄色いモンキー復活【欧州】 ホンダが欧州で、125ccモデル×3車種を発表。いずれも、日本で販売中のカラーリングを纏ったモンキー125、ダックス125、スーパーカブC125の[…]